政略結婚したくない2人が、婚約破棄するまでの3日間

ねむりねずみ@まひろ

第1話


⚠️注意事項⚠️

■CAS生声劇、Skype劇、ボイスドラマ、イラスト作成、演劇、朗読など、金銭の絡まない物に対しては、無償でお使い頂けます。

イベントで販売したい、お客様を呼ぶ演劇に使いたい、など金銭の発生する物は、別途ご相談ください。


■キャラクターの性別は、絶対ではありませんが、世界観を壊すような無理な変更はやめてください


■ CASで声劇する場合、事前に教えて頂ければ聞きに行けるかもしれませんので、よかったらご連絡ください!

Twitter→ @nanakoenana


『キャラクター』

リーゼ・マトライヤ姫:緑豊かなマトライヤ国の姫、天然気質のある可愛らしい女性 一人称「わたくし」


ルービル・アトマデナデナッフィオレント・ナグラリア王子:水の大国ナグラリアの王太子。子供の頃からリーゼが好きで、あの手この手で婚約を維持しようとする


ナナリー:リーゼのお付の侍女 侍女でありながら用心棒でもある。強く美しい完璧な女性。一人称「わたし」



『コピペ用キャスト表』

政略結婚したくない2人が婚約破棄するまでの3日間


リーゼ・マトライヤ姫:

ルービル・アトマデナデナッフィオレント・ナグラリア王子:

ナナリー:




以下台本

――――――――――――――――

【手紙を読みながら…叫ぶリーゼ姫】



リーゼ「絶対に嫌ぁぁ!!」


ナナリー「…失礼致します。リーゼ様、部屋の外にまでお声が響いておりましたが…いかがなさいました?」


リーゼ「ナナリー、これを見て!!」


ナナリー「これは…先程お渡しした、王家からの手紙ではございませんか」


リーゼ「もう!何でそんなに落ち着いているのよ!」


ナナリー「リーゼ様、淑女たるもの、これしきの事で動じてはいけませんとあれほど…」


リーゼ「今はお説教はいらないわ!…それより、ここをみて!」


ナナリー「失礼します…拝啓…小鳥が囀る季節になりましたがいかがお過ごしでしょうか。ふむ、手紙の書き出しは問題なさそうですが?」


リーゼ「違うー!そこじゃなくて、ここよ!ここ!!」


ナナリー「…拝啓、小鳥が囀る季節になりましたがいかがお過ごしでしょうか…」


ルービル「…いかがお過ごしでしょうか。貴女の住むマトライヤ国と、我がナグラリア国で、同盟が結ばれた事は既にご存知かと思います」


ナナリー「この同盟とは、先日組まれた、二国間同盟の事でしょうか?」


リーゼ「ええ、帝国との大戦に敗れた曾お爺様の代から、未だ賠償金を支払っている我がマトライヤ国…そしてあちらも同様に、帝国との事業で失敗し、今代の王子が未だ多額の負債を背負っているナグラリア国。お互いライバル国とはいえ、背に腹はかえられなかったのでしょうね。まあ、どちらの国も、領地が変わらなかったのは不幸中の幸いよ…」


ナナリー「そうでしたね、馬鹿な祖先の尻拭いをなされている所でしたね」


リーゼ「ナナリー口が悪いわよ?」


ナナリー「失礼致しました、少々頭の弱い馬鹿共の尻拭いでしたね」


リーゼ「もう、ナナリーったら!」


ナナリー「続きを拝見致します」


ルービル「この同盟を組むにあたって、マトライヤ国が出した、ほぼ全ての提案を呑んだ、我がナグラリア国だが、同盟を組んだ際の書類を再度確認した所…マトライヤ姫と我が国の第一王子の婚約が条件として組み込まれておりました。」


ナナリー「…は?」


リーゼ「そうなるわよね…その書類ってお父様が持っていた書類だと思うのだけど…」


ナナリー「国王様に直接…は無理でしたね」


リーゼ「お父様もお母様も、同盟を組むためにナグラリア国へ行ったあと、肩の荷が降りたとかで2人で旅行に出かけたわ」


ナナリー「そうでした…。リーゼ様が現在、国王代理をなされていましたね。とりあえず続きを読みましょう」


ルービル「ああ、ちなみに3日後…我がナグラリア国の王都にある、水晶の協会で婚約の儀を交わさねば、同盟は白紙となり…直ちに敵対するらしいから、気をつけてね!もちろんマトライヤ国王の許可もとってあるから、それじゃあ待ってるよ!」


ナナリー「ルービル・アトマデナデナッフィオレント・ナグラリアより…この馬鹿は何をおっしゃっているのでしょう?」


リーゼ「ナナリー!ダメよ、不敬罪にされてしまうわっ!」


ナナリー「失礼致しました、その…あまりにも衝撃的な内容すぎて、自分が侍女であることを忘れてしまいました…ですが…正気ですか?!」


リーゼ「…王家の押印があるから…偽物ではないと思うのだけれど」


ナナリー「…3日後までにナグラリア国…ですか」


リーゼ「そうなのよ!!政略結婚なんて絶対に嫌よ…でも、そうしないと同盟が反故にされてしまう…そんな事になったら、財政の厳しい我が国はおしまいよ…」


ナナリー「国王様達と連絡が取れないのが痛いですね」


リーゼ「どうしたらいいのかしら…」


ナナリー「国王様の許可をとってあると言うのは、おそらく同封されていた、この書状の事でしょう。となれば、王命に背く行為は反逆罪…ここは1度ナグラリア国に行かれるのが宜しいかと…」


リーゼ「そう…よね!ナグラリア国の王太子様にお会いして、どうにか政略結婚をやめさせて貰いましょう!」


ナナリー「それが宜しいかと。そうしましたらリーゼ様、私は準備をして参ります。明朝にはたてるように致しますので御安心くださいませ。」


リーゼ「ありがとう、ナナリー」


ナナリー「今、お茶をお持ちしますので、リーゼ様は少しお休みください」


リーゼ「お言葉に甘えるわ。はぁ…これからの事を考えると頭が痛い…」


ナナリー「御安心ください、リーゼ様の事は私がお守り致します。」


リーゼ「ナナリー…そうよね、クヨクヨしてても仕方がないわ!目指せ婚約破棄よ!」


ナナリー「微力ながら、お手伝い致します」


リーゼ「ありがとうナナリー!貴方が居てくれて良かった…。よーし!やっぱり私も準備を手伝うわ、そして作戦会議よ!」


ナナリー「かしこまりました!」



【翌日、馬車の中で会話するナナリーとリーゼ】



ナナリー「リーゼ様、馬車での道のりは辛くありませんか?」


リーゼ「ええ、思ったより早くつけそうで良かったわ」


ナナリー「そうですね、道中何事もなさそうで安心致しました。リーゼ様お茶でございます」


リーゼ「ありがとう…うん、美味しい!」


ナナリー「それではリーゼ様、馬車が到着する前に、少しおさらいしましょう。まず、ナグラリア城へ到着した後、客室へ通され、その後、1度ナグラリア王への謁見、そしてナグラリア王太子様との会談になると思いますので、たとえ王太子様と2人きりになったとしても、その場の雰囲気に流されぬよう。何かを聞かれても返事は…?」


リーゼ「そうですね、検討致しますわ!」


ナナリー「はい、正解です!けしてお1人で答えをお決めにならぬよう、1度持ちかえる事を頭に入れて置いてくださいませ」


リーゼ「わ…わかったわ!その場で答えを出さないようにすりゅっ…いたぁい」


ナナリー「リーゼ様、城門が見えてまいりました…もう間もなく到着致しますので、お気を確かに…。緊張し過ぎです。淑女たるもの、どんな時でも?」


リーゼ「ど、動じない!」


ナナリー「はい、結構です。貴方様はマトライヤ国の姫君なのですから、自信をもって下さいませ」


リーゼ「わかったわ!」



【城門を潜ると そこは賑やかな街並み、そして城へと続く階段がある】



リーゼ「わぁぁ!ナナリー見て見て!人がいっぱい!!まあすごい、なんて大きな階段なのかしらっ!!あ、いい匂い!!あのパン屋からかしらぁ?!美味しそう!!」


ナナリー「リーゼ様…淑女、威厳」


リーゼ「はっ!!こほん。…ナナリー、財政難と聞いていたけれど、この国は割と豊かなようね…道行く人々の顔をみて?皆、笑顔でとても幸せそうだわ」


ナナリー「さようでございますね…ああ到着したようです。【先に馬車から降りるナナリー】お待たせ致しました、リーゼ様お手を…」


ルービル「その役目、私にさせては貰えないかい?」


ナナリー「…っ?!(背後をとられた?!)」


ルービル「だめかい?」


ナナリー「…かしこまりました…失礼致します」


ルービル「ありがとう」


リーゼ「どうしたの、ナナ…リー…?」


ルービル「さあ、マトライヤ姫。お手をどうぞ?」


リーゼ「へっ?!あ、あのっ…」


ルービル「緊張しないで?さ、貴方の手をここに…」


リーゼ「ひゃいっ!!」


ルービル「はは、可愛らしい方だ」


ナナリーM「リーゼ様…すみません私の読みが甘かったようです、まさか王太子自ら出迎えるとは…」


ルービル「ああ、君の気配察知は中々のものだ、私以外には、通用するだろうから、安心するといい」


ナナリー「おそれいります…」


ルービル「さあ、マトライヤ姫こちらへ。君の為に庭園をひとつ建てたんだ、気に入ってもらえるといいんだけど…。

ああ、父は今、来訪者の対応中だから、謁見も不要だよ。それに、この婚約に関しては、私が全権限を賜っているからね、さぁいこう!」


リーゼ「へ?あのっ、ナグラリア王太子様っ…まって下さいませっあの、1度検討をっ…」


ルービル「大丈夫、ここからすぐだから。庭師たちが丹精込めて作った君専用の庭園を、1目みて欲しかったんだが…嫌かい?」


リーゼ「…そ、それは…」


ルービル「沈黙は肯定ととる、さあ行こう!」


リーゼ「ふぁっ、あのっ降ろし…て…」


ルービル「どうして?」


リーゼ「そ、それはっ…」


ルービル「言えないならこのままだ、ほらしっかり捕まって…」


リーゼ「はっ…はぃぃ…」



【リーゼをお姫様抱っこしたまま去るルービル。唖然としたまま1人残されるナナリー】



ナナリー「はっ!!今…何が起きた…?王太子様が現れたらと思ったら、颯爽とリーゼ様を抱っこして…去っていってしまった…あの動き、只者ではないっ…。っ!!追わねば…このままじゃ、なし崩し的に婚約させられてしまいかねない!リーゼ様、お待ちください!リーゼ様!」



【庭園につく2人、色とりどりの薔薇の花が咲いている】



リーゼ「ふぁぁあ…綺麗…」


ルービル「そうだろう、この景色は全て君のものだよ」


リーゼ「…あのっ…ナグラリア王太子様…そろそろ降ろして下さいませんか…その…少し…恥ずかしいので…」


ルービル「……。名残惜しいけど、仕方ないね…それじゃあベンチに座ろうか」


リーゼ「は、はい」



【庭園の真ん中にある噴水脇のベンチに座る2人】



リーゼ「はぁ…綺麗」


ルービル「マトライヤ姫は、花や噴水が好きなのかな?」


リーゼ「はい、我が国マトライヤにも噴水や花畑はありますが…流石、水の大国と言われたナグラリア国、こんなに綺麗な景色は初めてみました!」


ルービル「そうか、喜んでもらえたのなら良かった」


リーゼM「…ふぁっ…王太子様の笑顔が…眩しいですわ…」


ルービル「それで、明日執り行う婚約の義についてなのだが…」


リーゼ「はっ!!そうでした!ナグラリア王太子様…その件なのですが…このお話し、無かった事にしては頂けませんか?」


ルービル「というと?」


リーゼ「私、政略結婚はしたくないんです」


ルービル「王族なのに?」


リーゼ「自分がいかに我儘な事を言っているか自覚はしています、でも…それでも政略結婚ではなく、恋愛結婚がしたいのです!」


ルービル「まあ、その気持ちは、わかるよ。私も政略結婚は反対だ…」


リーゼ「でしたら、婚約破棄をお願いしたく…」


ルービル「ルービル・アトマデナデナッフィオレント・ナグラリア…」


リーゼ「へ?」


ルービル「私のフルネーム、言ってご覧?」


リーゼ「え…あのっ、私は婚約破棄を…」


ルービル「言えたら考えてあげる」



【早口滑舌チャレンジ! 噛まずに言えたら台本の通り進んでください!むしろ早口で噛むまで回数を増やしたり、イントネーションが編、気持ちが篭ってないなど、難癖をつけて、最終的に、残念婚約破棄は出来ないねまで進んでください 。

もし、1回目で噛んでしまったら、そのまま ルービルの 残念、婚約破棄は出来ないねまで進んでください!】



リーゼ「わ、わかりましたわ!すぅ…ルービル・アトマデナデナッフィオレント・ナグラリア…王太子様」


ルービル「わぁ、凄い!噛まずに言えた人は初めてだよ」


リーゼ「じゃあ、婚約破棄を…」


ルービル「次は、3回連続で言ってみてほしいなぁ」


リーゼ「へ?」


ルービル「貴方の口から、私の名前を沢山呼んで欲しくて…さぁ、言ってみて?」


リーゼ「わ、わかりましたわ!…ル、ルービル・アトマデナデナッフィオレント・ナグラリア、ルービル・アトマデナデナッファっ…さ、3回は無理ですわ」


ルービル「残念、婚約破棄は出来ないね!」


リーゼ「そんなぁっ…」


ルービル「残念だったね、成功したら考えてあげれたんだけど…そうだ!今から一緒に出かけようか?」


リーゼ「え?」


ルービル「悲しそうな顔した貴方1人にしたくないんだ…」


リーゼ「ナグラリア王太子様…」


ルービル「ルービルと呼んではくれないか?」


リーゼ「…ルービル王太子様?」


ルービル「リーゼ。お忍びで出かけるんだから、王太子をつけてはだめだよ、さあルービルと呼んでごらん?」


リーゼ「えっ…そのっ…えと」


ルービル「呼んで?」


リーゼ「ルー…ビル…」


ルービル「よく出来ました、さあ行こう」


リーゼ「は、はい」



【一方、ナナリーは、王宮を探し回っている】



ナナリー「リーゼ様、どこに居るんですかーリーゼ様ー!…ナグラリア王太子様が一緒とはいえ…いや、一緒だからこそ早く見つけなくては…リーゼ様が絆されてしまったら…ぁぁぁ!!いけない!!リーゼ様!!リーゼ様ぁぁぁあ!!!」



【王城から少し離れた丘 至る所に、水晶が埋められており、光が反射してキラキラと輝いている。近くには水晶で出来た建物がある】



ルービル「さあ、ついた。ここは水晶の丘だよ」


リーゼ「水晶の丘…?わぁぁ…綺麗!!」


ルービル「ここから街が見渡せるんだ…ナグラリアの名所の1つさ」


リーゼ「ねえ、ルービル!」


ルービル「なんだい?」


リーゼ「道の装飾に使われているのも、水晶なのです?」


ルービル「そうだよ。この道はね、昼の間に集まった光が水晶に蓄積されて、夜になると辺りを明るく照らすのさ」


リーゼ「まあ、そんな技術が?」


ルービル「ああ、魔道具で有名なアルバリオン公国との共同開発さ」


リーゼ「そうでしたのね…素敵…」


ルービル「また夜にでも来ようか」


リーゼ「え?」


ルービル「…見てみたかったって顔に書いてある」


リーゼ「え、私の顔に?どこでしょう?頬かしら?」


ルービル「あはは、本当に書いてある訳じゃないよ」


リーゼ「そ、そんな事わかってますわ!…もう!」


ルービル「悪かった、謝るから拗ねないでくれ」


リーゼ「拗ねてなどおりません!」


ルービル「本当、変わらないなぁ」


リーゼ「…?何かおっしゃいました?」


ルービル「いいや、なんにも。そうだ、あそこに見える水晶の建物…わかるかい?」


リーゼ「まあ、綺麗ですわね…何の建物ですの?」


ルービル「それは…夜になってのお楽しみだ」


リーゼ「まぁっ、ふふふ」


ルービル「やはり、貴方は笑っていた方が良い」


リーゼ「…ルービル」


ルービル「…本当は、もう少し話していたかったけれど、タイムリミットのようだ」


リーゼ「え?」



【馬車から身を乗り出しリーゼの名前を叫ぶナナリー】



ルービル「残念、保護者のお出ました」


ナナリー「リーゼ様ーーー!!ゲイルもっとスピードをあげなさい!!!」


リーゼ「ナ、ナナリー?!」



【ルービルとリーゼの前に止まる馬車】



ナナリー「…リーゼ様!出かけるなら出かけると一言仰ってくださいませ!心配したじゃありませんか!」


リーゼ「ごめんなさい、ナナリー」


ルービル「私が誘ったんだ、リーゼは悪くないよ」


リーゼ「ルービル…」


ナナリー「名前で…呼びあってる…だと…?!」


ルービル「すまなかった…この通りだ」


リーゼ「そんな、ルービル頭を上げてください、私がナナリーに何も言わずに出てきたのが悪かったんです…ルービルは何も悪くありませんわ」


ルービル「リーゼは優しいね」


リーゼ「そんな事…」


ナナリー「……ナグラリア王太子様、無礼を承知で発言させて頂いて宜しいでしょうか」


ルービル「よい、今この間の出来事は全て不問とする…言ってくれ」


ナナリー「では、失礼して…。まだ、婚約前の男女がお互いを名前で呼び合い、ましてや2人きりで出かけるなどあってはならない事でございます、変な噂でも立とうものなら リーゼ様の顔に泥を塗ることと同義ですので、その辺りを弁えた行動を…よろしくお願いいたします」


ルービル「ふむ、君の言い分はもっともだな、わかった善処しよう」


ナナリー「ありがとうございます」


ルービル「マトライヤ姫、貴方はあちらの馬車で帰るといい…」


リーゼ「あっ…。わ、わかり…ました」


ルービル「マトライヤ姫、失礼…」



【髪に着いている木の葉をとるふりをして、耳打ちするルービル】



ルービル「…リーゼ、今夜迎えにいくから、窓の鍵を空けておくんだよ?」


リーゼ「ふぁっ?!」


ルービル「失礼、マトライヤ姫の髪に木の葉が…。じゃあ、私はそこで待機している、うちの馬車で帰るとしよう。婚約前に2人きりで馬車にのると、君の侍女にまた怒られてしまいそうだからね」


ナナリー「……」


ルービル「それじゃ、城で待ってるよ!」


【先に帰るルービル】


ナナリー「…ではリーゼ様、こちらへ…リーゼ様?リーゼ様ぁぁあ?!」


リーゼ「きゅぅぅぅ」



【その場で気絶したリーゼを支えながら馬車へと乗り込むナナリー。そして夜】



ナナリー「ナグラリア王太子様にデートに誘われた?!」


リーゼ「しー!ナナリー声が大きいわ!」


ナナリー「だから、ほだされないようにとあれほど申し上げたじゃないですか!!我々は、婚約破棄をする為に来たんですよ?!」


リーゼ「ちゃんと、婚約破棄して欲しいって言ったわよ!」


ナナリー「それで、どうなったんです?」


リーゼ「名前をきちんと言えたら、婚約は無かったことにしてくれるって言われて」


ナナリー「チッ、リーゼ様の弱点を知っていたか…あのボンクラ王太子め」


リーゼ「わ、私だって頑張ったのよ!!それと、ルービル様はボンクラではないわ。ちょっと意地悪だけど、きちんとこの国のことや、民のことを考えてらっしゃる立派なかたよ?」


ナナリー「…リーゼ様、再度確認致しますが…政略結婚をされたいのですか?」


リーゼ「絶対に嫌よ!」


ナナリー「聞き方を変えましょう…ナグラリア王太子様と、ご結婚されたいのですか?」


リーゼ「へ?!そ、そんな!私達今日出会ったばかりなのよ!まだ結婚なんて気が早いわっ!!」


ナナリー「…くっ…すでに手遅れだったか」


リーゼ「ナナリー?」


ナナリー「わかりました。ですが、リーゼ様、最後に一つだけ、…何かを聞かれても返事は?」


リーゼ「そうですね、検討致しますわ!…よね?大丈夫、覚えているわ!」


ナナリー「でしたら、私から申し上げることはございません、明日行われる婚約の儀までに、ナグラリア王太子様から、婚約破棄を勝ち取りくださいませ」


リーゼ「わかったわ!…そ、それよりナナリー、そろそろ寝なくてもいいの?」


ナナリー「私ですか?今夜は寝ずにリーゼ様の護衛に当たる予定ですが?」


リーゼ「えっ!?」


ナナリー「どうかなさいましたか?」


リーゼ「なんでもないわ!でも、こんな立派なお城で護衛はいらないと思うの…」


ナナリー「ですが…」


リーゼ「ナナリーには、移動中も沢山迷惑かけちゃったし、ゆっくり休んで欲しいんだけど…」


ナナリー「リーゼ様…。わかりました。お言葉に甘えて私も休ませて頂きますね」


リーゼ「うん!そうしましょう!」


ナナリー「…リーゼ様?」


リーゼ「なっ、何かしら?!」


ナナリー「はぁ…、明日の朝、また起こしに参ります。…では失礼致します」



【ナナリーが出ていったのを確認し、窓の鍵をあけバルコニーにでる】



リーゼ「お、おやすみー! 行った…わね…よし。…ふぅ、夜風が気持ちいい…。こ、これはけしてルービル様が窓の鍵をあけておくようにと言っていたからではないわ、たまたま夜風に当たりたくてバルコニーに出ただけなんだから!そして、たまたま鍵を締め忘れるだけっ!……私、どうしちゃったのかしら…ナナリーに嘘までついて。こんな気持ち初めて…。もちろん、政略結婚は絶対に嫌!だから、婚約破棄してもらわなきゃ。でも…婚約破棄したら、ルービル様とはもう会えなくなるのよね?…それは…ちょっと…嫌…かも。ううん、考えても仕方ないわ、布団に入りましょ…」



【布団に入るとバルコニーからノックの音がする】



リーゼ「何かしら、ノック?…窓の方から…あ、ルービル様かしらっ!……あら…貴方…誰?…うっ」



【気を失いそのまま連れ去られるリーゼ、ドア越しに声をかけるナナリー】



ナナリー「…リーゼ様…何か物音がしましたが、大丈夫ですか」


ナナリー「リーゼ様?…失礼致します。リーゼ様がいない…あら?窓が空いて…まさかあの王太子!?」



【ドアの前にいるルービル】



ルービル「おや?ナナリーどうしたんだい?そんなに大きな声を出して…」


ナナリー「ナグラリア王太子様?! …リーゼ様をどこへやったんです?」


ルービル「…心外だね、私が彼女に手を出すとでも?私達はまだ、清い関係…」


ナナリー「違います!!そうではなくて、リーゼ様が部屋にいらっしゃらないんです!!」


ルービル「なんだって…私はまださらいに来ていないぞ…」


ナナリー「…今のは聞かなかった事に致します。物音がしたので確認の為部屋に入ると、窓があいており、この通りベッドはもぬけの殻でした」


ルービル「なるほど。どうやら誰かに連れ去られたようだな…みてみろ、バルコニーにリーゼのものでは無い靴の跡が残っている」


ナナリー「っ…。早く探しにいかなければ…」


ルービル「手分けして探そう。ナナリー、君は城内を、私は外を探す」


ナナリー「はい。それと、物音がしてから、それほど時間は経ってはいません」


ルービル「そうか、なら犯人はまだ近くに居るかもしれないな…急ごう!」


ナナリー「かしこまりました!」



【かけ出す2人…裏庭のでは、リーゼが手を縛られ横たわっていた】



リーゼ「……ん、ここは…!私、確か部屋に居たはず?そうよ、バルコニーの窓を開けておいたら…誰か入ってきて…あら?手が縛られて、っ!ほどけな……あら?すんなり解けたわ…」


リーゼ「…私、このまま殺されてしまうのかしら…そんなのは嫌よ。婚約破棄が目的だったけれど、人生まで破棄するつもりなんてないわ!!」



【泣きそうになりながら、考える…鈴の音と共に足音が聞こえてくる】



リーゼ「それに、政略結婚は嫌だけど…ルービル様に逢えなくなるのは…もっと嫌…。なんでかしら、こんな時なのに、ルービル様の顔ばかり思い出してしまう。何かしら…鈴の音? …っ?!足音がするわ!どうしよう、誰か来る…逃げなきゃ…でもどこに?」



【当たりを見回し、薔薇の迷宮の方へいく】



リーゼ「ここの薔薇、随分背丈が大きいわ…ああ、迷路になってるのね、ここに隠れましょう。あら?この迷路…見覚えが…ここを右、こっちは左…まっすぐ進んで…えっと…」


ルービル(昔)「まっすぐ進んで、右3回、そしたら秘密の通路に出られるよ。これは僕達だけの秘密だからね」


リーゼ「そうだわ。まっすぐ進んで…右3回…。出られた!足音は…聞こえないわね…よかったぁ」



【安堵からか座り込むリーゼ】



リーゼ「…でも、これからどうしましょう。もし、誰にも見つけて貰えなかったら…このまま…ひとりぼっちで?…そんなの嫌、もう一度…ルービル様に逢いたい…」


ルービル「見つけた!リーゼ!!」


リーゼ「っ?!……ルービル…様?」


ルービル「よかった…やっぱりここに居たんだね」


リーゼ「あぁ…ルービル様、本当にルービル様ですか?」


ルービル「そうだよ、怖かっただろう?もう大丈夫だ。」


リーゼ「…ルービル様…私、もう貴方に逢えないんだと思うと、とても悲しくて…恐ろしくて…」


ルービル「そうか…私も、君が居なくなったと聞いて血の気が引いたよ。犯人と思しき足跡の方向からこの薔薇園に向かってるのがわかったからね、君ならここへ辿り着けると信じていたよ」


リーゼ「あの、この場所は一体……」


ルービル「ここは、秘密の抜け道だよ」


リーゼ「秘密の…抜け道?なぜ私がこの道を…そういえば、子供の頃、誰かが薔薇の迷路から抜け出す方法を教えてくれたような…」


ルービル「リーゼ…実は…」



【ナナリーが遠くで呼ぶ声がする】



ナナリー「ナグラリア王太子様ー、リーゼ様ー?」


リーゼ「ナナリー?ルービル様ナナリーの声が!向こうから聞こえますわ!」


ルービル「そうだね…」


リーゼ「そういえば、ルービル様何か言いかけてませんでしたか?」


ルービル「いや、いいんだ。さあ、いこう」


リーゼ「はい!」



【城の抜け道の先で合流する3人】



ナナリー「リーゼ様っ…よかったご無事で…」


リーゼ「ナナリー…ごめんなさい心配かけたわ」


ナナリー「いえ、私が目を離したせいです。もう仕分けございませんでした…」


リーゼ「そんな事ないわ!私が…窓の鍵を開けたままにしていたから…」


ルービル「リーゼ…私との約束を守ろうとしてくれたんだね」


リーゼ「そ、そんな事はありませんわ!た、たまたま夜風に当たっていて、たまたま窓の鍵を締め忘れていただけです!」


ルービル「ふふ、そうか」


ナナリー「……時間も時間ですし、とりあえず戻りませんか?」


ルービル「そうだな、城へついたら湯の用意をさせる、リーゼの体も冷えてしまっただろう?」


リーゼ「ルービル様…ありがとうございます」


ルービル「いや、こちらこそ警備が甘かったようだ。本当に申し訳ない…」


リーゼ「いいえ、こうして助けに来てくださっただけで…嬉しかったです…」


ルービル「そうか…そう言って貰えるとありがたい」


リーゼ「ルービル様…」


ナナリー「いい雰囲気のところ申し訳ありませんが、少々急いでくださいませ!」


リーゼ「ナ、ナナリー!!なにを言い出すの!そんな…いい雰囲気だなんて!」


ルービル「…ナナリーも気づいたか」


ナナリー「しんがりは私が努めます、おふたりは早くお城へ」


ルービル「わかった…リーゼ、少し、我慢してくれ」


リーゼ「へ?!」



【リーゼを抱えて走り出すルービルとナナリー】



リーゼ「ル、ルービル様っ?!きゃぁあ!」


ルービル「喋るなリーゼ、舌を噛むぞ」


リーゼ「ひゃいっ」


ナナリー「後方に2人…動きは素人の様ですが…っ!! 飛び道具?!」


ルービル「ナナリー!走れ!!」


ナナリー「っつ?!」


ルービル「右手に1人!ナナリーいけるか?!」


ナナリー「お任せください!はぁっ!!」



【投げナイフを飛ばし、応戦するナナリー】



ルービル「おみごと」


リーゼ「ルービル様っナナリーは大丈夫ですの?!」


ルービル「ああ、大丈夫だ。彼女は、相当腕がたつ様だからな」


ナナリー「恐縮でございます」


ルービル「この調子じゃ追いつかれる…よし、水晶の丘まで逃げるか。ナナリーこっちだ!」


ナナリー「かしこまりました!」


ルービル「リーゼ、しっかりつかまって!!」


リーゼ「は、はいっ!!」


ルービル「さあ、飛び降りるぞ!!」


リーゼ「へ?…きゃぁぁぁぁあぁぁ!!」



【水晶の丘】



ナナリー「…どうやら巻いたようですね」


ルービル「そのようだな、大丈夫かい、リーゼ?」


リーゼ「し、少々…刺激的でしたわ…」


ナナリー「まさか、あの抜け道が…スロープ状になってるとは思いませんでした」


ルービル「ははは、私以外誰も知らない特別な抜け道さ」


リーゼ「そうでしたのね…」


ルービル「あの建物までいこう、あそこは安全だから」


ナナリー「かしこまりました」


リーゼ「あのっ、ルービル様…そろそろ下ろし…」


ルービル「……ん?何だい?」


リーゼ「そろそろ…下ろしてくださいませんか?」


ルービル「え、嫌だけど?」


リーゼ「…え?」


ルービル「ん?どうかしたかい?」


リーゼ「わ、私自分で、歩けますわ!」


ルービル「私が、君を抱いていたいんだ…嫌かい?」


リーゼ「い、嫌だなんてそんな…事は………」


ルービル「沈黙は肯定ととる…さあ急ごう」


リーゼ「ナナリー…」


ナナリー「リーゼ様…お諦めください 」


リーゼ「あぅぅ…」



【水晶の教会へつく】



ルービル「ふう…ここまで来たら、もう安心だ」


リーゼ「あのっ、もう着きましたし…おろして下さいませっ」


ルービル「名残惜しいけど、仕方ない……よっと」


リーゼ「…ありがとうございました」


ナナリー「リーゼ様お疲れ様でした」


リーゼ「酷いわナナリー!助けてくれないなんで!」


ナナリ「あーっと、リーゼ様!あちらをご覧ください!」


リーゼ「もお!そんな事言って誤魔化そうだなんて……わぁぁ!綺麗!あれは水晶のステンドグラス?…どこもかしこもキラキラと輝いてるわ…ルービル様、ここはなんですの?」


ルービル「……。ここは、水晶の教会だよ。本来なら明日、貴方と婚約の儀を挙げる予定だった場所さ」


リーゼ「ここが、水晶の教会。あの、本来ならって…?」


ルービル「今回は巻き込んでしまって済まなかったね。」


リーゼ「いえ、大丈夫です。…私を攫った犯人は見つかったんですか?」


ルービル「いや、まあ大方の検討はついてるよ」


リーゼ「ルービル様?」


ルービル「リーゼ、私はねナグラリア国の第一王子と言われているが、実際は第二王子なんだ」


ナナリー「っ?!」


リーゼ「えっ!?」


ルービル「私には、兄がいるんだ。体が弱く、外には出歩けない兄が…」


リーゼ「ルービル様にお兄様が…ですがそれでは…」


ルービル「ああ。他国への弱みになると考えた父上達は、私を第一王子とし、兄上の存在を隠した…。先程の襲撃も兄上を王としたい奴らの仕業だろう」


リーゼ「だから、巻き込んですまないと仰られたのですね」


ルービル「そうだ、だが、安心してくれ。君たちはちゃんと自国に戻れるように手配するから」


リーゼ「…自国…ですか。あの、ルービル様は?」


ルービル「私は大丈夫」


ナナリー「では、婚約は無効となりますね」


リーゼ「……え?」


ナナリー「書面では、リーゼ様と第一王子の婚約と書かれておりました。目の前にいるお方は、第二王子…ですので、ナグラリア王太子様との婚約は無かった事となるのでは?」


リーゼ「そう…なのですか?」


ルービル「…そうともいえるね」


リーゼ「……です」


ルービル「……?」


リーゼ「嫌です!!」


ナナリー「リーゼ様?!」


リーゼ「私気づいてしまいましたの!!今回の事があって…政略結婚は嫌でしたけど、ルービル様と離れたくないって思いました」


ルービル「そうか…」


リーゼ「なので、婚約が無効だなんて絶対に嫌です!


ルービル「……なら、やはり婚約は破棄しよう」


リーゼぬむ「…え?」


ルービル「どうしたんだい?」


リーゼ「あ、…いえ。そう…ですか。わかり…ま……」


ルービル「私も、政略結婚はいやなんだ。だから、父上の決めた第一王子との婚約は破棄して、私自身が君にプロポーズする」


リーゼ「……へ?」


ルービル「どうした?無言は肯定とみなすぞ?」


リーゼ「いいの…ですか?」


ルービル「もともと、この婚約の決定権は全て私が担っているからな!」


リーゼ「…はい!私、貴方と恋愛結婚がしたいです!」


ルービル「そうか、なら決まりだな…」


ナナリー「初めから貴方様の掌の上だったという事ですか…」


リーゼ「どういうこと?」


ナナリー「リーゼ様、ナグラリア王太子様は、この婚約の全決定権を持っていたんですよ?つまり、最初から婚約破棄する気などなかったという事です」


リーゼ「はっ!!そうでしたの?!…でもなぜ?」


ルービル「君は忘れてしまったのだろうけど、私達はずっと昔に出会ってるんだよ」


リーゼ「え?」


ルービル「まっすぐ進んで右3回」


リーゼ「…それは、昔町で出会ったルーが教えてくれた、秘密の場所への抜けかた…ルー…が…えええっ?!」


ルービル「思い出した?」


リーゼ「ルーが、ルービル様?!えっ、だってルーは商家の息子だって…」


ルービル「あの頃から第1王子派の目があったからね。外へでるにも、身分を隠していたんだ…」


リーゼ「そうだったんですの…」


ルービル「その時に君が言ってくれたんだよ?私はルーのお嫁さんになるって」


リーゼ「へ!?」


ルービル「…おや?忘れてしまったのかい?」


リーゼ「いえっ、覚えますけどっ…でも!それは子供の頃の話で…」


ルービル「今は、嫌だ…と?」


リーゼ「そんな事ありません!!私はルービル様が大好きですもの!」


ルービル「ほう…つまり、異性として意識してくれてるのか」


リーゼ「…へ?あっ…私は…今…何をっ…」


ルービル「私の事が大好きだと」


リーゼ「ふぁああああああ!!!」


ナナリー「はぁ…。そこまでです。お二人共、まだ婚約の儀は終わっておりませんので、離れてくださいませ」


ルービル「ちっ…いい所で邪魔しやがって…」


リーゼ「ふぁぁ!!ナナリー!!」


ナナリー「ナグラリア王太子様、少々口が悪くなっておられるようですか?」


ルービル「ナナリー、どうかしたのかいそんな怖い顔をして?」


ナナリー「ちっ、顔だけは良い王太子がっ…」


リーゼ「ナナリー?!ダメよ不敬罪にされてしまうわ?!」


ルービル「ははは、しないしない。面と向かってこれだけ言える従者は信用できる、リーゼ、いい侍女を持ったね」


リーゼ「は、はい…」


ナナリー「ですから、離れてくださいっ!何いい話でまとめようとしてるんです!!良いですか?まずお二人は、まだ婚約の義を終えていないんです!つまりまだ婚約すらされていないんですよ?そんな男女が2人きりでしかも!そんなに近距離でいるだなんて、お二人とも、紳士淑女たる自覚をもっとお持ちください!」


ルービル「(ナナリーの 良いですか?辺りから)…さてどうしたもんか。いっその事、逃げてしまおうか」


リーゼ「え?」


ルービル「さあ、リーゼ口を閉じて!!」


リーゼ「あのっ、ルービル様っきゃぁ!」


ナナリー「……?!あ、こら!2人とも!!何逃げてるんですかっ!!」


ルービル「さあ!リーゼ!秘密の抜け道その2を使って城へもどるぞ!」


リーゼ「…はい!」


ナナリー「お待ちください!まだ、話は終わっておりませんよ!リーゼ様ぁぁあ!!ナグラリア王太子様ぁぁあ!!」




リーゼM「お城へ戻ったルービル様は、第1王子派の大臣達を吊し上……こほん。問い詰めました。幸い第一王子はこの件に関わってはいませんでしたが、同盟を結んだばかりで、まだ不安定な状態の両国にとって、マトライヤ国の姫が攫われたと言うのは見聞が悪かったのでしょう。今回の件を全て他言しない代わりに、第1王子は王位継承権を剥奪、第1王子派の大臣達は処刑を取り止め、地位と賠償金で罪を償う事に落ち着きました。そして…私達は…」



【翌日 鐘の音が鳴る中急いで 馬車へと向かう一行】



ナナリー「お二人とも、急いでください!時間がありません!!」


ルービル「さあ行こうリーゼ、水晶の教会で皆がまっている」


リーゼ「はい、ルービル様!」


リーゼM「私達は、今日、水晶の教会で婚約の義を執り行います。政略結婚したくない2人が、恋愛結婚するのは…まだ、もう少し先の事になりそうです♡」


ルービル「愛してるよ、リーゼ」


リーゼ「ルービル様…私も愛してます」


ナナリー「だから、急いでくださいってばぁぁぁぁぁ!!!」



第1話 END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

政略結婚したくない2人が、婚約破棄するまでの3日間 ねむりねずみ@まひろ @sibainu_uta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る