第四章 裏表
「おい、あんた」
「あ…」
彼女、焔朱音は僕を睨みつけた。
「気分はどうだ?」
「いや…変な夢を見た…」
「ふん、どんな夢だったかは覚えているか?」
「えっと…なんか地震が起きて君に持ち上げられてそれから…」
「なるほどねぇ、つまり覚えている。と。」
「うん」
何か彼女は考えるような仕草をして、そして僕を見た。
「あんたもどうやらそういうことらしい。」
「は?」
「ああ、今から伝えることをよく聞いてくれ。意味がわからないかもしれないがこれは現実だ。」
……彼女が言うにはこんな話だった。
「この世界には裏と表がある。今、ボクやあんたが居るここが表とすれば、裏はさっきの夢だ。そしてその夢の世界はな、夢・ネットワーク・死、のようなボクらには触れることの出来ない形ない世界のことなんだ。つまり、普通人は触れることは出来ない。なのに、さっきは触れれることが出来た。それはおかしいんだ。そう。これは二つの世界の危機なんだよ。お互い混じっては行けないものが交わろうとしている。そして、それを一時的に食い止めたのがボク。そして普通それを忘れるようにしているのだがあんたは少しでも覚えていた。つまりはあんたはその『力』がもうすぐ目覚めるんだよ。」
「…???えっ、待ってよ、意味がわかんないよ!?」
「まあそうだろーな。普通わかるわけが無い。でもいずれ分かる。ま、あんたが力に目覚めた時だな。それはさ。そして、力を持った時あんたがどう思うかってことさ。」
「…???」
「ってことさ。まあ気にすんな。目覚めない場合だってあるんだからな。」
「え…全然わからん」
「だから気にすんな」
「はぁ…」
ちんぷんかんぷんでしかない。
そんなこんなでその日は終わった。
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