ビーストハンターを一瞬で眠らせる
「神獣を襲う悪党を一瞬で退ける」
「いたぞ、あいつだ!」
「ああっ! いたぞっ!」
「ん?」
俺達の前に数人の男達が現れた。
「なんだ? こいつ等?」
「おい! そいつは神獣だろう!」
「……そうだが、だからなんだ?」
「神獣は高値で売れるんだよ。そいつを置いてけよ。置いてけば命だけは助けてやるから」
じゅるり。男は唾液を垂らす。
なんだこいつ等は。なんて卑しい連中なんだ。恐らく前に神獣であるユナもこういう連中に怪我をさせられたのであろう。
「俺達はビーストハンターだ」
ビーストハンター。俺達ビーストテイマーの対極にある存在。魔獣を刈り、売り払ったり、その身を剥いで売ったりするのを生業にしている。
「ああ。しかも凄腕だぜ。だが用があるのはそこの神獣だけだ。神獣を置いていけば命だけは助けてやる」
「誰が置いていくか! ばーか!」
「だったら死ね! 野郎ども! 乗ってるビーストテイマーごとやっちまえ!」
「「「おお!」」」
ビーストハンター達が襲いかかってくる。
「アレク様」
「心配するな。ユナ。お前は俺が守る」
俺はビーストテイマーとしてのスキルを使った。
「眠り(スリープ)!」
俺は催眠魔法を使った。魔獣を眠らせる時用に使っていたものだ。人間相手には効果は抜群だった。魔獣より人間の方が身体が小さく、抵抗が弱いのだ。
「な、なんだとっ! うっ、急に眠く」
「ううっ!」
バタ! バタ! バタ!
ビーストハンター達はバタバタと倒れ、大の字で寝始めた。
「「「ぐーーーーがーーーーー! ぐーーーーがーーーーー!」」」
ビーストハンター達は大きなイビキをかき始めた。
「ふう。なんとかなったか」
「ありがとうございます。アレク様」
「ユナが無事で何よりだよ」
「アレク様には毎度助けて貰ってばかりですわ」
「そんな事ないよ。ユナにも俺は助けられている」
絶望の淵にいた俺をすくい上げてくれたのはユナだ。だから俺はユナにとても感謝していた。愛おしくも思っている。
「そんな……アレク様ったら」
「それより、そろそろ行こうか。こいつ等に起きられたら面倒だ。まあ、丸一日は起きないと思うが」
「はい! 行きましょう。アレク様」
俺達は引き続き獣人の国へと向かった。
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