報告続き

授業が終わり俺は学会がっかい室(学徒管理委員会会室がくとかんりいいんかいかいしつ)に来ていた。


学会は生徒会とは別に独立して生徒中心で動いている委員会だ。

主な仕事は学校の根幹に関わる問題に対応することで、

Aランクは、生徒間のケンカ・生徒の軽犯罪の対応等

Bランクは、いじめ対応、生徒会、部活、クラブの強制解散等

そしてCランクは、校の存続に関わる問題の揉み消し及び等という

感じのA・B・Cの3ランクに分けられており、肝心の生徒会は他の細々とした問題を担当する補助的な活動になっているどうしてそうなっているかというのはまた後で話すとしよう 




(コンコン)

俺が部屋についてからしばらくしてアカネとトモハルが部屋に入ってきた


「案件Cって、いったい何が起きたの?」

「同意だよ。」



俺は二人にどう話したものか一瞬悩みながらも結局、昨日の電話の内容を一から十まですべて話した。


「なるほど、つまり爆弾は校内のどこかに仕掛けられていて、しかもいつ爆発するかわからないと・・・・」

 俺の話を最後まで聞いたトモハルが話をまとめる

「あぁ、そうだ。」

俺がそう答えるとトモハルは頭を抱えながらため息をついた。



トモハル・・本名は安部やすべ トモハル

超天才で学会の頭脳担当で重度の不眠症、この間のテストでもテストの終盤でスタミナ切れで眠ってしまい校内3位という惜しい結果に終わっている。


「ちょっと待って、こんな事は普通、学会案件じゃなくて警察案件でしょ?」

アカネがもっともなことを言うが

「確かにアカネの言う通りだけど、もし校内に犯人がいたらどうするんだ?勘づかれたらその瞬間にドカンて事になりかねないだろ?」

「・・・っ確かにそうだけど。」

そう言うとアカネは黙り込んでしまった。


アカネ・・本名は美月みづき アカネ

学会の書記担当でこれといった特徴は無いが、かなりの努力家でこの間のテストで校内2位を取っていた。


「愉快犯の可能性は無いのかい?」

トモハルがそう言ってくるが

「それについてはこの紙を見てもらったら分かる。」

俺は2人に1枚の紙を渡す


「「この紙は?」」

アカネとトモハルの質問がシンクロする


「防犯カメラの録画記録だ。」

「それがどうかしたの?」

「爆弾を仕掛けるには誰にも見られてはいけない。もちろん防犯カメラも当てはまるだろ?」

そこで俺は防犯カメラの録画記録を調べてみた―――するとある事が分かった。




「深夜の録画について書いてある所を見てくれ。」

そう言うと2人は何かに気づいた顔になる


「1~2時間程度の空白があるだろ。」

「確かに━━」

「この時間だけ空白になってるわ・・・」

「その原因を調べてみたんだ、そしたら外部からの不正アクセスがあった事が分かった。」

2人の間に衝撃が走る、それもそうだろう学校うちは独自のプログラムを使いファイアウォールも何重にもかけて守っている―――そこら辺の秘密諜報機関でもハッキングするのは難しいしそれを打ち破るなんて神にも等しい。


それを打ち破るのだから相手は神のようなハッキング技術の持ち主だ

「逆探知出来てないのかい?」

プログラムの開発者であるトモハルが聞いて来るが声が少し震えている。


「お前のご自慢の追跡プログラムごとやられたよ・・・・」

その言葉を聞いた瞬間、絶望したトモハルが天を仰ぐ。


「犯人の目星はついてるの?」

「あぁ、それについては今、学会委員が校内の全教室を調べてもらっている。」

そうアカネに説明しているとタイミングよく1人の学会委員が入って来た。


「会長。報告書です。」

「ありがとう。」

「あと、いくつかの部室が調査許否したので、それを別途まとめておきました。」


そう言うと1枚の紙を手渡して足早に去っていった。

「………ハァ・・・」

渡された紙を見て俺は思わず深く溜め息をつく。


「2人共この紙を見てくれ。」

書かれている名前を見た2人は俺と同様、深く溜め息をつきそのはずみで紙が吹き飛んでいった。




「派閥争いの中に飛び込む気かい?ケント。」

「あぁ、俺達の仕事は学校の統括管理だ。逆にこの状況を放置していたのが問題だったんだ。」




学校うちは2つの学校が校舎の老朽化等を理由に合併統合した学校で生徒会については2つの学校の生徒会をそのまま合わせたため、役員間での小競り合いがよく起こり生徒会が機能しない事もよくあった。


そして今、容疑がかかっているのは派閥争いの中心人物達だ。

「よし、容疑者を生徒会室に集めて捜査を行おう。」

「了解」

「分かったわ。」

 

全員がガサ入れに向けて動きだそうとした時・・・

(クォンクォン・・・) 

気の抜けるようなノックと共にこれまた気の抜けるような声と顔が扉の向こうから現れた。

「お邪魔しま~す」

「銀節先生。どうされたんですか?」



銀節ぎんぶし 創一郎そういちろう先生は隣町の大学から教育実習として入って来た先生でいつも気の抜けるような顔と声で話す。


「イヤさぁ先生にね~学会にマスターキーのスペアをもらって来いって言われてさぁ~。」

いつも通りの投げやりなしゃべり方だ。



俺は鍵を取り銀節先生に渡す

「はい、マスターキーのスペアです。」

「ありがとねぇ~」

すごく気の抜けるお礼を言い残し、銀節先生は立ち去っていった。


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