02 保海 健太②


保海ほかい、手紙が届いているぞ」

舎房には入ると田島から、白い封筒を受け取った。宛名に字が、小学生の子供のような大きさがバラバラの文字で、俺の名前が平仮名で書かれている。こんな手紙をもらう相手など、見当もつかない。


壁にもたれかかって、手紙を適当に開けた。


『ほかい けんたさま


はじめまして、私は、桐本あやといいます。小学4年生です。有川先生をかえしてほしくて、おてがみかきました。どうやったら、かえしてもらえますか。おしえてください。 

                           桐本 あや』


死んだのに、どう返せすんだろう。有川先生は僕にとって、通っていた病院の精神科医だった。僕が刺したから、もう彼女はいない。会えなくなって、僕は凄く寂しい。


桐本あやという子どもから来た手紙を捨てたいが、そんな行動をしてしえば、看守にまた目を付けられる。とりあえず、引き出しに入れた。


 僕は冷たくなった有川美穂が冷蔵庫の中を満たしている。その姿は、僕の心臓の鼓動が早まっていくほどに、美しく僕を包んでくれた。

「うるさい」

その声で、目が覚めた、隣のベットで寝たいた田島の声だ。

「うるさくはありません。」

田島は僕のを睨んで、しばらくして、布団を頭から被った。

僕の最高な美穂の姿が真っ黒くになっていた。


また、あの桐本あやから手紙が届いた。返事を待っているいう内容で、返してほしいの文字が書かれていた。

返事を書くつもりものない。看守に、もうこの手紙が来たら、捨ててほしいと意向を伝えたが、毎日のように、手紙は僕の元にやってくる。

「返事くらい、何でもいいから書きなさい」と弁護士まで言ってくる。そうしないと、手紙は届き続けてしまうのではないかということだ。

なんでもいい。


『死んだ人は生き返りません』とだけ書いて、看守に手紙を渡した。


クリニックで、美穂の出てくるのを待っていた。自動ドアが開いて、

「有川先生、お疲れ様です」

「何でいるの?保海くん、今日は予約してなかったよね」

「そうだけど、会いたくなったから」

「そう、もう会えたから、帰った方がいいわよ」

美穂が歩き始めた。その歩くスピードは速かったので、少し驚いた。僕が駐車場を通る時に、後ろから、口に布を当てて、抱きしめた。そのまま車に押し込んだ。ここは人通りが少ないので、叫んでも無意味だし、もう口には睡眠薬を含んだ布が効き目を発揮している。アパートの部屋には、おんぶして運んだ。生暖かくて、やわらかい胸が僕の背中に当たっている。

 部屋に入ると、ベットに寝かせて、服を脱がせて、股を開く。「大好きだよ、先生」と何回も言ったけど、美穂は目を覚ますことはなかった。そんな美穂が息をしていなかった。

 なんで、死んでしまったのかが分からなかった。なので、そのまま僕の側に置こうと思って、冷蔵庫に入れようと考えた。 

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