KAC2021に参加した感想
3月にいつもお世話になっているでおなじみカクヨムで、オープン5周年を記念したイベントが開催された。その一つにカクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップという参加型イベントがあった。このイベントでは3月中3~4日おきに合計10個のお題が順次Twitterで発表され、次のお題が出るまでにそのお題に沿った作品を投稿する。
私は今回全お題に参加し、すべてホラーで通した。つまり3月中に10作以上ホラー小説を投稿したことになる。こんなペースははじめてだ。ちなみに「以上」なのはその間もほそぼそ毎週投稿している「怪談レポート」のは続けていた。我ながらよくぞ絞り出せたものである。
さて久しぶりのエッセイで3月の苦労を振り返ろう。
第1回・お題「おうち時間」
投稿作品「ボクとお父さんのおうち時間」https://kakuyomu.jp/works/16816452219029352097
なるほどなぁ、と思ったお題。最近コロナ禍で生まれた言葉だけど浸透しているし、いろいろ考えることが出来るお題だ。最初に出た案が「死んだ彼女が幽霊になって彼氏とおうち時間を楽しんでいるつもりだけど、彼氏は気づかず悲しみにくれている。最後に気づいて・・・・・・」といったストーリーだったが「なんか、優し過ぎん?」ってなり急遽しっかり取り憑かれてもらうことになった。試行錯誤しているうちに彼女ではなくなってしまったが、今流行の事故物件を取り入れられたことで満足している。
第2回・お題「走る」
投稿作品「逃げた犬を追いかけて」
https://kakuyomu.jp/works/16816452219035737330
まさかの普通の動詞である。シンプルすぎて逆にとっかかりがなく困った。しかも以前カクヨムにも投稿した作品『幸福の死神』が途中から主人公の移動手段が「走る」の連続で疲れた記憶もあり、悩みに悩んだ結果、なぜか延々と犬のお尻を追いかけ回す話になった。さらに変形する。自分でも「変な話を書いてしまった」と反省した。まあ、こういう訳分からん話もありか。祭りだし。
第3回・お題「直観」
投稿作品「香神荘の事件の真相」
https://kakuyomu.jp/works/16816452219068701810
多くの人が「直感」と空目したと思う。私もした。Twitterで他の人の反応を見て気づかせてもらった。ありがとう。
「直観」はあまり使ったところを見たことがない。私が見落としているだけかもしれないけど。辞書やネットで探せば意味はわかったが、その「感覚」が判らない。「直観」と「直感」の違いが書かれているものも見つけたけど、他で調べた内容と若干違ったりして混乱した。
しかし書かねばすぐそこに締切が迫っている。と言うことで書き上げたのが「ミステリー調のホラー」。他の多くの参加者と同じくミステリーになってしまった。でも普段使わない単語に真剣に向き合ったのは楽しかった。きっと運営は「文章を書くなら知らない言葉を投げかけられても、きっちり打ち返して見ろ」という挑戦のつもりだったのだろう。なんか熱血教師みたいだな。
第4回・お題「ホラーorミステリー」
投稿作品「何でおまえが探偵役なんだ?!」
https://kakuyomu.jp/works/16816452219129870357
血を吐く思いで書き上げた第3回の次がこれかとさすがにスマホを投げたくなった。ホラーはいつも書いてる。ミステリー的な物は頑張ってさっき書いた。なんなんだ運営。嫌がらせか。しかし運営は1ユーザーに嫌がらせ行為をするほど暇じゃない。まあ、ここら辺でジャンルをお題にしても良いかなって思いついてしまったんだろう。可愛いやつめ。屋上来い。
とりあえず反骨精神に火が点いたので「ミステリーになりたかったホラー」を書くことにした。名探偵は登場しないし、事件は解決していない。
発想は最近はまっている「Among us」というゲームの実況プレイから来ている。これはいわゆる人狼ゲームなのだが殺されたプレイヤー視点の実況動画もある。今回の小説はその面白さが伝われば嬉しい。
第5回・お題「スマホ」
投稿作品「終活スマホの使い方」
https://kakuyomu.jp/works/16816452219174027887
前回私が投げ出したくなった「スマホ」で小説を書かなければいけなくなった。しかし比較的携帯電話やスマホなどの電子機器はホラーと相性が良い。科学はホラーが嫌いかもしれないがホラーは科学が大好きだ。すぐちょっかい掛けたくなる。今回はそんな話だ。
ところで小説を投稿してから気づいたのだが、ICチップを破損したくらいでスマホの機能やデータは全部無になるのだろうか。よく分からないけど体(スマホ本体)から祖母の魂(ICチップ)を消す、という死の暗喩みたいになってたらいいなと思う。
第6回・お題「私と読者と仲間たち」
投稿作品「漫画家・真堂カナタの仲間たち」
https://kakuyomu.jp/my/works/16816452219222501721
何か良い感じのエッセイのタイトルみたいなお題が出た。もちろん私はホラーを書いた。ただ今回は人の名前をタイトルに入れてラノベっぽい感じにしてみた。この企画に参加してから気づいたのだが、私はタイトルや作品の説明がシンプルすぎた。他の人のを見るとかなり興味のそそる説明文を仕上げてきている。作品と同じくらい力を入れないといけないと、気づき第3回あたりから試行錯誤していた。これもその一つだ。話もオカルトよりだ。ただ弟には死に描写で笑ったと言われてしまった。うーん。
第7回・お題「21回目」
投稿作品「今、何回目?」
https://kakuyomu.jp/my/works/16816452219275069123
数字が出てきた。数字もまたホラーと相性が良い。トイレの花子さんを呼び出すときはノックを三回だし、呪いのビデオを見てから死ぬまで7日だ。13階段も有名な都市伝説。ストーリーも正統寄りのホラーになったと思っている。それほど評価はされなかったが、これを冒頭に据えて長編も書けるのではともくろんでいる。ふっふっふ。
第8回・お題「尊い」
投稿作品「赤ん坊を殺す理由」
https://kakuyomu.jp/my/works/16816452219319591163
このあたりになると、本当に寝不足で辛かった。発表されたお題を見てもまったくピンとこない。特にこのお題は、いまいちホラーと結びつけられなかった。
運営はどういうつもりでこのお題を出してきたんだろう。我々オタクが言う「尊い」のことを指しているのだろうか。としたら私の趣味をさらけ出さなければいけないというのか。あの、あれとか、あれとか。……というような考えているようで何も考えていない試行錯誤をぎりぎりまで繰り返していた。
そうしてぎりぎりになり、やっと絞り出したのがこのオーメンもどきの作品だ。
第9回・お題「ソロ○○」
投稿作品「ソロ百物語」
https://kakuyomu.jp/works/16816452219328897308
一人でするか、しないか。ホラーでは重要なテーマだ。一人でしないといけないことは、例えば丑の刻参り(わら人形を釘でカンカン穴開けるやつ)は人に見られたらダメだし、都市伝説では一人かくれんぼなんかもある。
逆に一人でやったら駄目なモノは、こっくりさんや百物語、映画のキャッチコピーなんかには「一人で見ないでください」というのもよく見る。一人でしないといけないものを数人で、数人でやらないと行けないところを一人で・・・・・・そういう禁忌を犯したところにホラー好きとしてはロマンを感じる。
ところで主人公KWAIの彼女の名前を適当にメメンってしたけど「メメント・モリ」みたいやな。彼女は普通にメイク系の動画配信者です。
第10回・お題「ゴール」
投稿作品「夢迷路」
https://kakuyomu.jp/my/works/16816452219380253856
最後にふさわしいお題だけど頭を抱えた。ゴールってサッカーか迷路しか思いつかない。スポーツとは無縁の生活を送っているので当然迷路になった。
作中に出てきた巨大迷路は大昔に一度だけ入ったことがある。まだ小学校の低学年だったと思う。友達と友達のお姉さんと、あと数名いた。正直どういうものか判らずに友達のお姉さんについて行っているだけだった。そしてそのお姉さんは「迷路めんどくせぇ」人だったらしく、どんどん不正(仕切りを乗り越える)をしていったのであんまりゴールをしたときの記憶はない。大人に拡声器で怒られたし。だから巨大迷路が怖いという着想は桜庭一樹先生の『少女には向かない職業」からきている。良かったらご一読ください。
さて、最終的に私はすべてのお題を期限内に書き切ったので皆勤賞をいただいた。さらに期間中に何人か私の作品に興味を持っていただけたようでフォローしてもらっている。大変ありがたい。
今後も「怪談レポート」および妖怪小説等を書いていくのでよろしくお願いします。
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