「女の子同士だから」と言うなかれ

 私は女子校出身である。女子ばかりで面倒なこともあれば、男子がいなくて気楽なところもあった。まあ、のんびり過ごさせてもらったと思っている。

 

 オタク社会では女子校=乙女の花園というイメージがあるような気がする。つまり百合、GLである。確かにそういう感じの子が居なかったわけじゃない。だが、そこまで女の子どうしてイチャイチャした記憶もない。

 よくラブコメとかである「更衣室で乳のもみ合い」とか見たことない。修学旅行中、上がりきったテンションでポッキーゲームはしたことある。が、それくらいである。日常的に体を触ったり、下着を見せ合ったりなんてことは私はしていない。

 

 だからああいう漫画の日常の一コマはいわゆる「漫画的表現」と思っていた。「漫画的表現」とは、例えば誰かがボケたときに大げさにずっこけたり、驚いたときに吹っ飛んだりという表現だ。


 しかし最近職場に他の女子校出身の方が居て、そういうスキンシップは日常的にあったと言い出したのだ。校風かと思ったが、良く思い出せばあれは棲み分けだったんじゃないかと思う。

 

 何かの折に、別グループのクラスメイト同士のがっつりとした下ネタトークをしているところを聞いてしまったことがある。私はぎょっとしたのだが二人は笑い合っていたので彼女らには普通だったのだろう。

 だから私とそれほど関わりがなかったクラスメイトの中には日常的に乳をもみ合っていた子もいたのかもしれない。

 

 だが大人になって、女子ばかりの職場によく配属されるが、平気で人の体に触れてくる女子がいるのである。脇をつまんで驚かせたりするのが楽しいらしい。不思議な話だ。学生の時は無意識でしていた(かもしれない)棲み分けが大人になったら出来ないのである。スキンシップは友好の証と思っているのかもしれないが、友達でもない人にそんなことをされて私はとても不快である。

 

 一度公に問題にしようとしたときはその先輩に「嫌ならその時言ってくれれば良いのに」と言われたことがある。セクハラされた方が何でそこまで気を遣わなければならないのか。

 同性だとあんまり理解されないのがつらいところだ。今はそれなりに経験を積んでいるので、人間関係に摩擦を起こさないよう

「今びっくりさせられたらぎっくり腰になりますよ! 最近怪しいんですよ! 腰が! 私が抜けたらまずいでしょ?!」

 と大げさに訴えるようにしている。そうしたらいきなり触られることがない。同性の無遠慮なスキンシップにお悩みの方にオススメです。

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