第3話 12月の贈り物2-3
「うまい! 釧路ラーメン!」
俺は忍者を皆殺しにし、釧路の街で名物のラーメンを食べていた。さすがにご飯を食べる時は店に入った時は非戦闘地域である。しかし雑魚が何度も店に入ろうとするので一度ご飯を食べると6時間はご飯のお店には入れない。お店の滞在時間も15分までである。
「おい、聞いたか? 今回のVRWの目玉は化け物らしいぞ。」
「化け物?」
「そうだ。和モノ世界だけに妖怪が出るらしいぞ。札幌や函館のプレイヤーは妖怪に皆殺しにされたって噂だ。」
「物騒だな。忍者だけでなく妖怪かよ。今回の運営はやっきで何でもありだな。」
「まったくだ。地方都市スタートでラッキーだぜ。もうすぐ賞金金額も上がるしな。ワッハッハー!」
ラーメン屋の他の客たちの雑談だった。お友達ネットワークや札幌から電車で釧路に逃げてきた者もいるのかもしれない。
「妖怪か。他のプレイヤーが倒してしまう前に妖怪と出会わなければ。」
俺はNPCが忍者だけでなく、妖怪もいるという貴重な情報を得た。
「おまえさん、妖怪に興味があるのかい?」
「おやじ、何か知っているのか?」
ラーメン屋のオヤジが何か知っていそうだ。
「あんたが上級者みたいだから言うが、阿寒湖にも妖怪が出るっていう噂だ。それに今、ブームのアイヌ民族のゆかりの土地だ。ただこんなクエストをやってると、大会で優勝できないぜ。」
「ありがとう。おやじ。それから運営に伝えてくれ。毎回、フリが同じ文言だとネタがバレるぞってな。俺は阿寒湖に向かう。ラーメン美味しかったよ。」
阿寒湖に貴重な妖怪がいて、アイヌ民族にも会えるという情報だった。運営からのメッセージで、要するに優勝賞金1億円よりも、クエストをやる価値があるということだ。
「問題は雪山で死なない装備をして行けということだな。」
雪山に向かうには、それ相応の覚悟がいる。その第一段階をクリアできなければ、阿寒湖にはたどり着けない。
「タコだ!? 釧路港に巨大なタコが出たぞー!?」
その時だった。近くの釧路港でタコの化け物が現れ暴れている。
「タコ? そうだ。たこ焼きにして持っていけば非常食になるな。シメシメ。」
俺は釧路港に向かった。
「ガオー!」
釧路港ではタコが暴れていた。
「もうクラーケンも倒したし、命は助けてやる。」
俺はタコの足を一本だけ斬り落とした。
「ギャオ!?」
巨大タコは海中に逃げていった。
「料理スキル! 高速たこ焼き!」
俺は料理のスキルも超一流であった。タコの足をぶつ切りに、メリケン粉を大量にかき混ぜ、アツアツの鉄板でたこ焼きを作っていく。
「できた! 後はこれを高速冷凍して、カバンにしまってしまえば完成っと。」
カプセルにしまうという方法もあるが、ゲームなので四次元カバンに全てしまえる方が妥当である。
「いざ! 阿寒湖へ!」
俺は阿寒湖のレアな妖怪とアイヌ民族に会いに行く。
「しっー。」
その頃、学生の部に初出場した結奈は息を潜めて隠れていた。
「やったー! 残り5万人に残った! これで6000円ゲットだぜ!」
高校生以下の学生の部の参加者は10万人。小一時間動かなかった結奈は参加賞3000円から倍の6000円の賞金をゲットした。
「それにしても有名観光スポットなのに気づかれないものね?」
結奈は東京都の浅草の雷門の天井裏に隠れていた。雷門と雷神、風神に守られながら。
「おい!? なんであの女は雷門にへばりついているんだ!?」
「普通は風雷神門なんて怖くて近づけないぞ!?」
「まさか風神と雷神が認める実力を持っているというのか!?」
結衣なの隠れている姿は丸見えだった。他の参加者は結奈が怖いのではなく、完全にボスキャラの雷神と風神が怖くて結奈に攻撃ができないのであった。
「面白い。近づかないで弓での遠距離攻撃だ。」
誰かが弓を放った。
「ぴゅー!」
「ギャア!?」
強風が吹いて弓矢は放った者に返された。
「下手なことはしないことだな。」
「そうだな。俺たち雑魚にはどうしようもないレベルみたいだ。」
雑魚たちは結奈に手を出すことを諦めた。
「暇だし寝ようかしら。ふあ~あ。」
結奈は知らなかった。VRWでは特定の同じ場所に滞在していると特殊なスキルを習得できることを。
「阿寒湖! キター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺は道中の侍や忍者と倒しながら、冬の寒さにも温かいたこ焼きを食べて、遂に阿寒湖にたどり着いた。
「妖怪はどこかな~?」
俺は阿寒湖の周辺を見渡したら、一人の変なのが立っていることに気づく。
「マリモじゃなくて悪かったな。俺を目的に阿寒湖にやって来た奴は、おまえが初めてだ。」
「何者だ!?」
「私は魔の神・ニッネカムイ! ここがおまえの墓場となるのだ!」
現れたのはアイヌの魔神ニッネカイムだった。彼の発生条件は、レベル最大と釧路のラーメン屋のおやじから情報を聞くことだった。
「魔の神だと!?」
「我が槍で串刺しにしてくれるわ!」
俺は絶体絶命のピンチに立たされる。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。