私たちは、一人で生きていけるように見えて、やはり一人では生きていけないものなのだと思います。
一つの集団の中で生きる上で、みんな無意識のうちに処世術というものを身に付け、自分を守りながら、上手く立ち回っていけるよう工夫しているのでしょう。
ただ、その処世術をありのまま受け入れてくれる人との出会いは、滅多にあるものではないと思います。
処世術として嘘を身に付けたアリスと、それを受け入れ、彼の魅力に惹かれていった楓は、たとえ離れて暮らしていても、お互い忘れ難い存在として、長い人生の中で、何度も思い出す人となるのだろうと思います。
こんなに思い出深い人と出会った青春は、いつまでも甘酸っぱく心に残ると思います。