第12話
一方、カナタの自宅を後にしたレイズ達は、地上に出ていた
「初めて見るか?」
「はい、学校の授業では教科書と映像でしたから」
ミサキは、砂に覆われた地上に産まれて初めて足を踏み入れた。
何処までも続く赤茶けた砂、木も草も生えていない
「シャングリラ以外の国々は国際条約を結んだり、世界軍事委員会のある国の援助を受け、地上に都市を造りサイキックの能力者達が、シールドを張り砂が流れ込まないようゲートを造り、地上で普通の生活が出来るようになったそうだ」
「シャングリラは支援を受けられない理由でもあるんですか?」
「いや、国王の馬鹿が頑固でな、他国の支援を受けたら国が乗っ取られると言って断っちまったんだ」
《国王を馬鹿って・・・・》
ミサキは、レイズを見上げ
「国王は隊長の身内なんですか?」
「親戚なのよミサキ、隊長、国王を馬鹿呼ばわりは良くないわ、あれでもシャングリラを良くしようと努力してるのだから」
レナが言って、地平線に視線を向けた
「追うなら完全武装にしないと無理ね、彼は既にシャングリラ領土から出てるわ」
と言った。
「武装なら持って来たよレナ」
ティッドが車両から降りてきた
「何故カナタを追うんですか?入隊許否は自由のはずです。」
ミサキが訴えるように言う
「ミサキ・アクリット、カナタ・レスは反乱分子になる可能性が高いと言っただろう、十中八九アイツは敵になる、シャングリラだけじゃなく、この地球に住む全てに対して」
「そんな!カナタは、そんな悪い人なんかじゃないわ!」
ミサキの声が、砂漠に溶け込んでいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます