第9話

「ミサキ・アクリット!ミサキ・アクリットは居るか!」



シャングリラ軍本部の講堂に声が響いた



『何をしている!レイズ・アモン!今は入隊式だぞ!』



キキーン!とマイクが悲鳴をあげた



「悪いな、タナベ管理官、緊急事態なんだ」



レイズは、ツカツカと歩き、ミサキの目の前まで来ると



「緊急事態で出動だ、お前は今日から俺の部隊に入る」



「へ?」



ミサキは、驚いたままレイズを見上げていた



「ボケッとしてんな行くぞ」



「え?あ、はい!」



ミサキは、壇上に居るタナベに一礼すると、急いでレイズの後を追った。



「あ、あの「隊長のレイズ・アモンだ」



「ミサキ・アクリットです。」



「知ってる。カナタ・レスは何処だ」



突然壁に押し付けられた



「教えろ、カナタ・レスは何処だ」



ミサキは、怯えた眼でレイズを見る

鋭く殺気を含んだ蒼い眼、まるで鋭い切っ先のようだ



「わ、分かりません。今朝迎えに行ったけど家に居なくて、電話にも出なくて、軍人になりたくないって言ってから「それは嘘だ」



ミサキは首を横に振る



「お前が居場所を知らないのは分かった、軍人になりたくないってのが嘘と言う意味だ、悪かった殺気放って」



レイズが離れると、ミサキはズルズルと床に座った



「マジ悪かった。大丈夫か?」



レイズがしゃがんで言うと



ドンッ!



「でっ!「カナタに何かあったんですか!教えてください!」



「分かった、分かったから!降りろっ!」



ミサキは、レイズを床に押し倒し馬乗りになり、レイズの胸ぐらを掴んでいた



《何つー力だよ!》



「すみません!すみません!」



ミサキは、レイズに頭を下げる。



「兎に角『隊長!何時まで待たせんだ!』



耳にあるイアホンから、苦情の怒鳴り声がした



「今行く!」



レイズは怒鳴り返すと、ミサキの腕を掴み



「詳細は道々話す」



と言って、通路を走り出した



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