第7話
深夜2時、カナタは自宅を出た
玄関を出て右へ行くとエレベーターがある
上下黒の服装にフードを深くかぶり、カナタはエレベーターのボタンを押した
シャングリラから地上へ出るには、軍の許可が必要であった。
マンションの表に出たカナタは、目的の場所に向かって歩きだす
一定感覚にある街灯が歩くカナタを暗闇に浮かび上がらせる
5分ほど歩くと、カナタは素早く路地を曲がり、姿を消した。
「チッ!転送移動か?」
「兎に角辺りを探せ」
男二人は、慌てたように路地を走ったが、カナタの姿を見付けることは出来なかった。
「手ぶらで来たのか?」
「あ?手土産が必要だったのか?」
「いや、その手ぶらでじゃねぇよ、荷物は」
「要らない、必要なら買うさ」
そう言って、カナタは助手席に乗った
赤茶けた砂が風に流れるなか、カナタを乗せたトラックは走り出した。
「なぁカナタ?本当に良いのか?」
運転する男が、タバコをくわえて言ってくる
「窓開けろよ、お前が仲間になれって言ったんだろ、それにシャングリラにはもう用は無いからな」
窓の外は、何一つ見えない暗闇が広がっていた。
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