第62話 管理者②
イザナクエスト⑥/降臨の儀
報酬/10000SP
概要/ネテスハイムの現管理者を
ネテスハイムの現管理者?
古龍が討伐されてから不在だと思っていたのだが跡を継いだ者がいるようだ。
彼女が何か知っていないだろうか。
ユランLv-//龍人//管理者
固有スキル
魔素生成Lv-
復活Lv-
人化Lv-
職業スキル
森羅万象Lv-
天啓Lv-
森羅万象/ネテスハイムで生起されるあらゆる物事を知覚する。
天啓/自身の言動によって対象を誘導する。※絶対的な強制力を及ぼすものではない
「ユラン。その身体に古龍だったときの記憶は残ってる?」
「いえ、何も残ってはいませんマスター」
やはり以前の記憶は一欠けらも残っていないらしい。
ネテスハイムの現管理者とやらの情報を聞きたかったのだが残念だ。
では、この目の前にいるユランを新しい管理者にしてしまえば、クエストをクリアしたことにならないだろうか。
「これからユランにはこの世界の管理者となってもらう」
「……。具体的には何をすればよいのでしょうか?」
「……。ヒムロも管理者の一柱だよね?
管理者って何するものなの?」
「その世界によって与えられる責務は異なるものだ。
ネテスハイムの管理者が何を担っていたのか俺は知らん」
「そういえば……」
四季が何か思い出すようにそうつぶやいた。
「リンが……、
あー、制約の錬金術師といったほうがわかりやすいね。
彼女が言うには、古龍は魔素を供給する役割を担っていたそうよ」
「私は魔素を生成し続ければいいということですかマスター?」
「んー、そういうことになるんだけど……、
その魔素を供給する役目は今の管理者がしているはずなんだよね」
「たぶん制約の錬金術師・猶本凛がその管理者だと思う」
「制約の錬金術師が管理者だって!?
で、そいつは今どこにいるの?」
「わからない……。
リンはネテスハイムの崩壊を食い止めると言って、
自分自身を何かと錬成して消滅した。
そしてこうも言っていたわ。
三百年後にまた会おう、と」
三百年後……、つまり今現在ということだ。
待っていればそのうち向こうから姿を現すということだろうか。
しかしイザナクエストの説明では、俺が能動的に突き止めるようなニュアンスになっている。
そもそも、制約の錬金術師は三百年後に俺が捜し出すのを予見していたきらいがあるのはなぜだろうか。
『どう思うQちゃん』
『その問いに答える権限がありません』
『Qちゃんのそのセリフ久しぶりに聞いたな』
『ですが、制約の錬金術師を捜すのはそう難しくはないかと。
ユランのスキル【森羅万象】を使用すれば見つかるのではないでしょうか。
この世界に関する事象であれば何でも調べられるはずですから』
Qちゃんが役に立つのも久しぶりだ。
『何か失礼なことを考えているような』
「ユラン!
【森羅万象】を使って制約の錬金術師の居所を捜し出してくれ」
「かしこまりました」
ユランは目を閉じ【森羅万象】を発動させる。
緋色の瞳が見開かれるのにそう時間はかからなかった。
「見つかりました。
制約の錬金術師はマスターの中にいます」
ユランはそう言って俺を指差すのだった。
「はい!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます