第47話 セントルイーズ自由交易都市

 ガブリエル枢機卿との話はセントルイーズ自由交易都市に着いたことにより一時中断となる。


 話し合いは後日行われることになって、それに伴いティアたちの護衛任務も急遽予定が変更されここで終了となった。


 不要になった馬型のゴーレムをフランクたちにプレゼントしたところ大層な喜びようで俺も作った甲斐があるというものだ。


 そしてティアたち一行は冒険者ギルドに依頼達成の報告をするために王都へと帰っていった。







 俺は宿を出て、ヨルの気配のする方へ向かいながら初めて来た街を散策することにした。


 ヨルにはガブリエルの追跡をさせており、何か動きがあれば連絡が来ることになっている。


 セントルイーズ自由交易都市の街並みはザラマートの王都と大差ないようだ。


 人通りも多く皆豊かそうである。


 異なる点を挙げるとすれば獣人などの亜人が若干多いことと、広大な地下空間が広がっていることくらいだろうか。


(かなり広いな。それに人も多い)


『セントルイーズは商人たちの街です。

表の商売は地上で、裏の商売を地下で行っているのでしょう。

盗品や不当に集められた奴隷が売買される闇市を堂々と開くのは対外的にもよろしくないですから』


(しかしどこから下へ降りるのだろうか)


 国ではないこの都市に冒険者ギルドはないので、情報を集めるのも容易ではない。


 しかしここにしか存在しないのが傭兵ギルドだ。


 傭兵の派遣業はセントルイーズの主要な産業の一つでもある。


『傭兵ギルドはマスターの想像しているような組織ではありません。

その構成員の九割は戦闘奴隷です』


 奴隷契約で縛ることにより、規律正しい勇敢な戦士が簡単に出来上がる。


 傭兵ギルドでは個人の派遣は行っておらず、小隊から大隊規模で組織として送り出すことにより隊としての練度を保っている。


 派遣先は憲兵から近衛兵、魔物討伐と幅広く各国からの信頼も厚い。


 そして傭兵ギルド組織内で出世し、ある一定以上の評価をあげ続ければ奴隷の身分から解放されることも可能である。


『新しいクエストを受注しました』


クエスト/地下闘技場の戦姫

報酬/SP1000

概要/彼女を奴隷の身分から解放し保護せよ。


『地下闘技場を運営しているのは傭兵ギルドです』




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 無事に生還したので久しぶりの更新です。


 毎日更新したいのですが不定期になるかもしれません。


 よろしくお願いします。

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