後編
「な、なんだよ今の……」
村田は目の前に起きた出来事に困惑をした、愛野はそれを見て鳥肌が立ち、会田はそれを見て恐怖のあまり頭のなかは混乱していた。
「に、逃げよう」
村田が、最初にそう声をかけると、二人は我にかえり、村田の方を向き頷いた、
「でもどこから逃げる?」
会田が、村田の意見を汲みつつもどこから逃げるのかと問うと、村田はゆっくり大人達が来た方向を指差し「あそこから逃げよう」と言うと、愛野と、会田はそれに同意し、村田は続けて合図を出したら全力で走ることを決めた。
三人の額から汗が滴り今か今かと、井戸のようすを見ているも、動く気配が全然無く、そのまま村田が号令をかけて一斉に走り出した。
大人達が来たところに走り抜けるたら、なんとそこは元の場所、立ち入り禁止のテープが貼られた所に戻ってきていた。
「なんでここに戻ってきてるんだ?」
会田の疑問は当然だった、自分達が井戸に行った時は真っ直ぐ来ていたはずなのに、全く違う道を来たはずなのに元の場所に戻っているとことに三人は不思議そうな顔を示していると。
「おい、お前達!」
自分達に向けられた声が聞こえると同時に、その方向を向くと、
「先生!」
学校の担任の先生が居た。
「お前達、ここで何しているんだ」
先生が、そういうと三人は立ち入り禁止テープを背にして先生の方を向いていた。
「お前達、ここで何しているんだ」
と、繰り返しそう言われながら三人は、後ろに後退りをした、
「おまえたち、ここでなにしているんだ」
先生は、同じことを繰り返し、村田が何かを言い出そうした瞬間「えー」と言おうとした瞬間またもや、
「おまえたち、ここでなにをしている」
三人は、先生の様子がおかしいことに気づいた、先ほどから同じことしか言わない先生に逃げようと目を合わると、
「逃げるぞ!」
村田のその合図で、三人は全力で先生から逃げた。
ある程度、先生から距離を取れたのかを確認するために後ろの方を見ると、先生のからだが突如膨らみ始めると、服の袖から井戸からでていた手と似たものがこちらに向かって来た、
「ヤバい、全力で逃げるぞ!」
そう村田が言うと、他二人はそれに呼応し全力で走り始めるが「あっ」村田がそう声を上げると水の手に捕まった。
「やだ、死にたくない、助けてくれ会田!」
その声が、最後の言葉だった、会田は水の手に振り上げられ叩き潰されていた、愛野はそれを見ると足が止まり「い、いや、いやぁ」と叫ぶと、愛野に向かって手が飛んでくると、そのまま愛野は捕まり、「ひっ」と、声にもならない声でそのまま頭を引っこ抜かれ、頭の下は体ではなく骨のようなものが見えていた。
***
「し、死にたくない」
その一心で、会田は下を向きながら全力で走っていると、もうすぐ家に着こうとした瞬間、突然何かにぶつかった、
「痛っ、誰だよそこに突っ立っているのは」
と言いながら、目の前を見るとそこにいたのは、先程死んだと思われる二人がそこにいた、「お、お前達」と二人に近づくと、二人の手が会田のお腹に添えられた瞬間、体が思いっきり吹っ飛んだ。
上空から、町の景色を見ている、会田だったが、その景色を見るのはすぐに終わった。
運が良かったのか、会田は生きていた、しかし、 そこはあの井戸の場所だった、
(に、逃げなきゃ)
そう思って、足を上げ、体をお越し、一歩を立とうとした瞬間、後ろの方からたくさんの人間から見られるような視線を感じて後ろの方を振り向くと。
そこにいたのは、動画で見た女性を中心に、担任の先生に、先程の大人の三人と、村田と愛野がそこにいるのを見た瞬間、鋭い何かが会田の眼球を貫き、「痛い、見えない、痛い」痛みで逃げることを忘れた瞬間、足を何かに捕まれた瞬間、会田は物凄い勢いで井戸と思われるものに引き込まれて行った。
***
「なあ、知ってるかこの町の中心にある呪いの井戸今度行こうぜ」
一人の少年がそう言うと、その友人の一人が、
「会田って、そういうの好きだったっけ?」
と、返され
「あぁ、最近行ってよ、良いところだったから皆に教えてやろうかと」
「いや、いいよ」
会田は、誘うも断られると、
「俺の誘いを断るのか?」
その後、その小学校では度々子供が消えていった。
村八分にされた女の幽霊 クラットス @schrott
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