第02話 見微知著

 下から見上げる「魔女」の顔は幽鬼のように蒼白く、細筆で引いたような輪郭をしていた。月夜に映える銀髪はふわりとした癖毛。整った顔はあたかも人形のよう――


 ぺちっ。


っ」


 ――額を叩かれた。


「人形とは失礼ね。わたくし、生きてましてよ?」

「す、すまん」

「素直に謝罪を述べられる心根こころねは評価に値しますわね」


 いや待て。


 ちょっと待て。

 ……俺は今、声に、出してたか?

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