第3話
新聞を探してみるが、見当たらない。
「瀬梨、新聞はどこだ?」
瀬梨は、きょとんとしている。
「お兄ちゃん、うちは新聞取ってないじゃない。お兄ちゃんが言い出したんでしょ?」
「そうだったな・・・ごめん」
テレビもない。
おそらく、同じ理由だろう。
仕方なく、スマホを見る。
これは、いつも僕が使っている奴だ。
電源を入れると、普通に作動した。
そして、スマホのネットを見ると、コロナ問題が深刻化している。
瀬梨に尋ねようとして、言葉を飲み込んだ。
違いはないか?
ネットを見て回る。
大相撲は、まったく同じ顔触れだ。
両横綱が休場により、叩かれている。
Jリーグも、まったく同じだ。
テレビやラジオはどうだ?
番組表を検索してみると、いつもと変わらない。
漫画はどうだろう?
ネット配信している、キン肉マンを検索した。
同じストーリー展開だ。
「お待たせ、お兄ちゃん」
瀬梨が、目玉焼きを運んできた。
「ああ。ありがとう」
「どういたしまして。」
瀬梨は、微笑む。
「じゃあ、私は学校行くね。ちゃんと、鍵をかけてね」
「わかった」
瀬梨は、学校へ行った。
ちなみに、博也はいない。
とっくに出かけた。
昨日までとは、明らかに違う。
生きているはずの両親が、すでに他界していて、
逆に、この世に生まれなかった瀬梨が、存在している。
そして、完全に同居人となっていた弟の博也との、会話があった。
何かあるはずだ。
違いが・・・
ちなみに僕は、どこの高校だ?
これも同じか?
生徒手帳を見ると、これも昨日までと同じだ。
しかし、何かあるはずだ。
昨日までと違うことが・・・
僕は家に鍵をかけて、学校へと向かう。
その途中で、スポーツ新聞を買った。
これを見れば、昨日まで当たり前だった事との違いがわかる。
そう思った。
ホームで、電車を待つ。
電車が入ってきた。
しかし、入ってきた電車を見て驚く。
「あれ?この形式は確か・・・」
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