第11話
ラトロワ王国では戦勝パレードが盛大に行われた。スリザリー征伐の最大の功労者であるシメイ・エルサイムは大手をふって、凱旋した。論功行賞により、シメイ・エルサイムの領地が加増され、カエサルの姪がシメイの息子の婚約者になった。オータム・ストーンは領地が加増、爵位も上がった。ムッシュ・アルタイルも領地を加増及び安堵され、正式にラトロワ王国の家臣となった。他の者にも領地加増、爵位の昇格等が言い渡された
スリザリー王国元王太子のフルート・スリザリーは王都で人質として一生暮らすことになった。そこから歳月が経ち、フルート・スリザリーは成人し、ラトロワ王国の貴族としてスリザリー侯爵家として再興することができた。その後、現国王であるウルスラ・ラトロワから宴に招かれた。そこでスリザリー王国の音楽を聴き、元スリザリー王国の臣下たちは涙を流したが、フルートは笑顔で拍手を送るのであった。その姿に奇妙に思ったウルスラは尋ねた
【ウルスラ・ラトロワ】
「スリザリー侯爵、故郷が恋しくないのか?」
【フルート・スルザリー」
「いいえ、故郷にいたときは皆がピリピリしていたので正直居心地が悪うございました。今が一番幸せです。」
フルートは笑顔でそう答えた。するとフルートの近くにいた臣下が耳打ちをしていた
【フルートの臣下】
「いいですか、墓参りできないの残念ですとお答えするのです。」
【ウルスラ・ラトロワ】
「スリザリー侯爵。」
【フルート・スリザリー】
「はい。」
【ウルスラ・ラトロワ】
「本当に故郷が恋しくないのか?」
【フルート・スリザリー】
「ただただ、墓参りができないのが心残りです。」
【ウルスラ・ラトロワ】
「ほお~、そこの者に耳打ちでもされたのか?」
【フルート・スリザリー】
「はい!この者の言ったことをそのまま答えました!」
あっけらかんと答えるフルート、愕然とする臣下・・・・
【貴族A】
「ふふふ、バカだな。」
【貴族B】
「どっちみちスリザリー王国は滅びたな。」
【貴族C】
「逆賊クレイムもこの男には苦労しそうだ、ハハハ。」
周囲から呆れられ、嘲笑されたが、ウルスラは・・・・
【ウルスラ・ラトロワ】
「そうか(賢い奴だな、バカのふりをして、分をわきまえているな。)」
その後のフルート・スリザリーはラトロワ王国に忠勤を果たし、末代までスリザリー侯爵家を繁栄させるのであった
時が戻り、所変わって、ここはシャルロットがいる修道院、シャルロットは神の像に祈りを捧げていた
【シャルロット・ラトロワ】
「神様、戦争が終わりました。ですが多くの血が流れました。私は生涯独身を貫き、死んだ者たち、生き残った者たちのために尽くしたいと思います。」
シャルロットはその誓い通り、生涯独身を貫き、戦争で死んだ者たちの冥福を祈り、世のため、人のために尽力し人々から【聖女】と崇められたのである
本人の気持ちとは別に・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます