第5話 切ったのが私だとバレました。
私は先ほど書いた、紙を持って、きた道を戻っていた。このお城広いしまだまだ色んな場所があるんだろうなと思う。私から見たらきらきらな世界でもきっと現状はもっと深刻なのだろう…
「ツキノ様、どうかされましたか?」
心配してくれたのだろうグレンさんが声を掛けてきた。所詮私はエルメルトのものではないし変なことを口に出してはいけないであろう。それきっと最善策だ、そう信じる。
「大丈夫ですよ。それよりお城が広くて私、迷子になりそうですよ」
「ツキノ様はゆっくり覚えればいいんですよ。」
優しく、大丈夫だと言ってくれた。まだあって間もないのになぜか安心する。すると、私が今歩いている廊下に自分たち以外の足音がする。足音は前からだ少し下を向いていたのを真っすぐ前に向けるといたのはライナさん、クラウスさん、クリスタさんがいた。
「あ!ツキノ様、やっと見つけられましたぁ。ちゃんと仕事終えてきました」
三人とも仕事が終わって、私の部屋に戻ったけれどいなかったからこっちまで探しに来てくれていたらしい。本当に優しいなとても心強い…この三人もやっぱり魔法が使えるのだろうか?
「ライナさん、クラウスさん、クリスタさんに聞きたいのだけど三人とも魔法は使える?」
「はい、私は騎士様ほどではないですが少しほど…」
「私たちは、ダウナー様から聞いたと思いますが、騎士になるには魔法も必須ですので使えます」
やっぱりか、魔力を持ってても使えない人って村人とかかな?まだ私は、エルメルトの初歩的の初歩しか理解できてないんだなと改めて思う。もっと図書館で調べなきゃいけない。そういえば、星宮さんは今どんな感じなのだろうか?
「グレンさんたちは、聖女様が今どんな状況か知っていたりしませんか?」
そう話すと、五人とも全員が何とも言えないような顔をしていた。えっと多分順調じゃないのかな~気まずい話をしてしまった。
「す、すみません。こんな話しちゃって」
「あ、いやお気になさらず。それよりツキノ様が言っていた聖女様のことですか、私たちの反応で分かるようにあまりいいとは言えませんね…」
「本当にそうです!ツキノ様の侍女でよかったと改めて思う。」
みんながうんうんと大きく頷いているが
「いや、私そんな人柄良いつもりないよ?」
「何言っているのですか!!ツキノ様は優しすぎるぐらい人柄がいいです!」
そうなのか…でも自分が思っているのと他人が思っていることって違うって言うからそうなのかな?クリスタさんがグレンさんをちらちらとみていると思ったらグレンさんに声を掛けようとしていた。どうしたんだろう?
「あ、あのダウナー様お聞きしたいことがあるのですが」
「なんでしょう?」
「えっと、つい最近までダウナー様は髪が長かったじゃないですか。いつ誰にそんなにかっこいい髪型にしてもらったのですか?」
おっとやっぱり気になるよね、顔が見えないぐらいの長さだった人が切って整えたら超イケメンなんだもん。そりゃあ知りたくなる。
「あぁ、そのことですか。髪はツキノ様に切ってもらいました。腕がとてもよくてよかったです」
グレンさんがそういった瞬間、四人一斉に私を見た。これはもしや四人とまとめて切らなければならないのか…?
「「「「ツキノ様、私たちにもお願いします!」」」」
ですよね、そうくるよね~でも髪切るの嫌いじゃないし切ってあげようかな。
切ってもいいけどいつがいいかぐらいは聞いとかなきゃ
「勿論、いいですよ。いつがいいとかありますか?」
「「「「ないです!と言うか今すぐやってもらいたいです!」」」」
みんなハもってる、そんなやってほしいのかな?
「じゃあ、部屋に戻った時暗くなかったら順番に切りましょう。順番は、部屋に着く前に四人で決めといてくださいね」
そう一言言うと間もあけずに
「「「「わかりました!」」」」
そう言って、決めるための話し合いが歩きながら始まっていた。そんな光景を見て私は、日本にいたときと似てて懐かしくなる。ここで生きてられるようにならなきゃ…
「早くひとりになっても生きれるほどの知識をつけなければ、きっともう日本には戻れないのだから…」
いつの間に声に出てしまっていたようだ、しまったと思ってももう遅かった。グレンさんがこっちを見ていたから、私は心配を掛けさせないようにグレンさんに向かって笑顔を向けた。
「ツキノ様、裏庭へ寄って行きませんか?」
裏庭か、今日はいい天気だし見たいかも。
「はい!見たいです裏庭。」
「まだ少し歩きますが大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ」
「では、行きましょうか裏庭」
そう言って裏庭方向に変更して歩き始めると
「ツキノ様お願いする順番決まりました。」
「それじゃあ、切るとき教えてもらえますか?」
「分かりました。」
みなさん髪の毛きれいだし羨ましいかも…裏庭って言っても何があるのかな?
そんなことを思いながらみんなと裏庭へ向かう。
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