第8話 生身の彼女

僕もシャワーを軽く入るつもりが、間違えて頭まで洗ってしまい、彼女に笑われた。


 どうやらラブホテルでシャワーに入るとき洗うのは、体だけでいいらしい。


  


 二人でベッドに横たわる。


  


 僕「元カレのこと、忘れられない?」


 まな「そりゃ簡単にはね。大好きだったし。でもホストだったから、将来性はなかったかな笑。」


 僕「ホストだったんだ!そりゃモテるよ!やっぱりモテる男に惚れられたいもん?」


 まな「いやーそういうわけでもないんだけどね。自分が好きになったら、その人がモテるかどうかなんて関係ないよ。」


 僕「でも、モテない男は最初から眼中に入ってないじゃん?笑」


 まな「んー、そうかも笑。」


 僕「女って残酷だな笑。」


  


 会話が途切れたので、軽くキスをする。


 少し薄い唇は思ったより柔らかく、優しい香りがした。


 女性は頭を撫でられるのが好きという情報を入手していた僕は、


 キスをしながら彼女の髪を優しく、ゆっくりと撫でてあげた。


 軽く頬を触ろうと手を下に移動させると、


  


 まな「眉毛は触らないでね。消えちゃうから。」


 と切実なアドバイスを頂戴したので、顔の上半分には極力触れぬよう注意をして、首筋へと進んでいく。


  


 彼女の肌は白い。そしてきめ細やかにすべすべだ。


 これは動画の中では味わえない、貴重な感触だ。


  


 胸や下半身に手を進めていく。


 彼女は人形のように抵抗なく、ときには吐息を交えて僕を受け入れてくれる。


  



 彼女の中は、率直に言うと、今までで一番気持ちよかった。


 そう思えた子は、彼女が初めてだった。


 これが僕の、ある意味では本当の、童貞卒業だったのかもしれない。


  


 行為が終わってからたくさん話をした。


 今回初めてセックスで気持ちいいと思ったこと。


 彼女の肌、身体はきれいでまるでAV女優のそれ以上だと。


  


 彼女は「大げさだよ」と笑っていたが、きっと喜んでいたように思う。


 やはり、誰かに褒めてもらえるのは、嬉しい。


 人間の本能だ。


 ”こうやって大切な人の承認欲求を満たすことって幸せなんだ”


 ってそのときふと思った。


 最も僕たちは出会って間もない関係だけど。


  


 出会い方なんてどうでもよくて、そこから二人がどうやって関係を築いていくかのほうが、よっぽど大切だよなって思ったりもした。


  


 まな「私整形したんだよね」


  


 余韻に浸っていたぼくは彼女の声で我に返った。


  


 僕「え、整形?」


  

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