第2話 未知との遭遇
「だれですか?」
ってそりゃそうだ。知らない相手からいきなりLINEが来るなんて恐怖以外の何物でもない。でもよく返信してくれたな。運が良すぎる。たいてい駆け引きなど女性心理テクニックをマスターしていないと既読無視、既読スルーで一喜一憂するのがあるあるだろう。まあ絵文字もスタンプもないそっけない一言だけど。逆に僕のほうが君のLINEの返信速度に恐怖を感じているよと気持ちを落ち着かせた。
「LINEのID検索で知り合いのID検索してたら間違えてしまって笑よかったらこれも何かの縁だし仲良くしたいです!(可愛いスタンプ)だめですか?」
「いいよー」
そっけない返事だが、奇跡的に断られることはなかった。既読無視、既読スルーにならず、タイミングや運がよかっただけか。いま考えたら少し変わった子だったのかもしれない。
こうして無事LINEのやりとりに移行することができた。
当時まだ21の僕は恋愛経験も多くなく、彼女はいたことはあったけど短い恋で、どう女性と距離を詰めていいかテンプレートがわかってなかった。恋愛 LINE 落とす 押し引き 駆け引きなどで検索してみても最初に質問したり誘うのは男の方と書いてあって、盛り上がる会話をしてブロックされることなく、脈ありにもっていきたい。
対面だったらおどおどしてしまうけど、なんとかLINEだったら心地よい返信頻度とタイミングで会話を続けることができた。片思いの乙女かおれは。一喜一憂する必要はない。
そしてきっかけをつかんで、いよいよ電話をすることに。。
僕「もしもし」
まな「もしもーし。LINE楽しいね」
僕「実際喋るとおもしろくないかもよ笑」
まな「つまんなかったら電話切るね笑」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
まなは大人しそうな話し方だけど、どこか達観していて男に対して諦めていて何も期待していないような印象を感じた。
恋愛経験について聞いてみると驚きの答えが帰ってきた。
「私知らない人とも全然ヤッたりするよ?」
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