【驚愕】ついに出会えた、LINEのID検索で!?

ひらりーまん

第1話 暇人の戯れ

 僕が大学三年生で、ちょうど就活中だった頃、君とはSNS(LINE)を通じて知り合った。


 暇を持て余していた僕は、当時はやっていた“ひまチャット”みたいな出合い掲示板で、めんどくさいと思いながら可愛い子と出会えないかなと模索していた。


 でも無料登録しやりとりできるそのアプリは、安かろう悪かろうを体現していて、出会いにつながることはもちろんメッセージの返信速度は遅いし未読無視、既読無視があるあるでやりとりに一喜一憂していた。駆け引きや話題、頻度をどうしようなんて悩むよりも前の段階の、つまりテクニック不足だ。


 「どんだけつまらないんだ!」と怒り気味にスカイブルーの背景のアプリに不平不満を言っていた僕。しかし、今考えればタダで簡単に出会えると信じているお前のほうがどうかしてるぞ、とアドバイスしてあげたい。


 ひまチャットの構造として、アプリ内でやりとりして、ある程度したらLINEのIDを教えてもらってLINEへ移行するというのが一般的だった。(これは今のマッチングアプリも同様だろう)


 


 そこで僕は考えた。


「待てよ、これってID検索でテキトーに入力すれば誰か当てはまるんじゃね?」と。非常に無謀な挑戦だったが僕は本気だった。しかし、今考えたら倫理上、またコンプライアンス上問題があるので決しておすすめはできない。


 IDを打ち込むだけの日々をちょうど3日半続けていたそのとき、歴史は動いた。


 なんとヒットしたのである。しかも“まな”と表示されたアイコンには明らかに女性と思われる後ろ姿の写真があった。背景もきれいなインスタ映えスポットだ。


 おれは神か。と自分で自画自賛してLINEで一言を送ることにした。しかし、待てど暮らせど返信は返ってこない。。やっぱりそんな簡単なはずはなかったと方を落とす僕。


 ・・・という展開を想定していたみなさんには申し訳ないが、送信から1分でという速度で返信があった。


 


 


「だれですか?」


 


 


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