少女はりんごを拾った。始まりはただ、それだけだった。りんご、と言われたときに何を連想するかは人それぞれだろう。赤い、美味しい、パイにコンフィチュール、タルトタタン。しかし、転校生の市川知佳の学校には“りんご様”と呼ばれる祟り神が存在していた。女学生の怨霊とも呼ばれる“りんご様”は、いかにして祀られるに至ったか?点と点が繋がり線となり、過去が連綿と繋がり現在へと影を落とす。日常的な学園生活と、非日常的な祟り神の存在。隣り合う境界線上を綱渡りするような、青春を一幕をぜひご一読あれ!