第3話 待つ日々

売れてない俳優にとっての最たる苦悩は、『俳優』でいるよりも『一般人』である日のほうが圧倒的に多いことである。

周りの仲間でも『俳優』である自分を保つために、週6でアルバイトをしている者もいる。もはやどちらが副業なのか疑問を感じずにはいられない。売れない俳優あるあるである。

少ないアメのために、割合の多いムチに耐えている仲間の話を聞くととても切なくなる。しかも、その副業の選択肢もかなり狭い。前々日ないし、前日に「明日仕事決まりました!」とマネージャーから連絡がくることも度々あるので、できる仕事が『突然休に対応してくれる仕事』に限られているのである。私の周りの仲間は、コールセンターや居酒屋、デリバリー配達のように慢性的に人手が不足している仕事に落ち着いている者が多い。たまに自営業をやっている者もいるが、それはそれで息のつく暇はなさそうである。

『待つ日々』がいかに苦しく、安定で、心を蝕むものであるか、この悩みをGoogleで調べたけども、どこにも対処法は書いてなかった。

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