第4話 未来

未来は誰にでも平等にやってくる。

私のブレイクスルーがこのまま死ぬまで一生スルーされることも十分あり得る。そういう星の下に生まれてきた属性の人なのかもしれない。

35歳。

サラリーマンなら、そこそこ勤続を重ね、経験を積んで、それなりの立ち位置が確立されている年代であろう。

そして一般的には結婚。運が良ければ子どもを授かって、ローンでも組んでマイホームを購入。『家族』『親』として生きていくことにシフトチェンジする頃であろうか。

幼い頃、なんとなく予想していた『当たり前の未来』が一応俳優である身としては、果てしなく遠いものに感じる。そういう未来を自分に置き換えたところで、それは私にとって『幸せな未来』なのかと疑問に思ってしまう。なんて不幸な頭だろう。

結婚することも独身を貫くこともどちらの選択もとても難しい。みんなどういう基準でどういうタイミングで意思決定しているのか、Googleで調べたけども、性別や性格や育ってきた環境や現状は人それぞれなので、私みたいにちょっと欠落した人間に当てはまる答えはなく、あまり参考にならなかった。

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