第5話 エミリとラブリ

「エミリとラブリは双子なのよ」



「な、双子、そうか。じゃァ」


「ええ、ラブリの霊がエミリの身体に宿っているの」



「霊…… やはりラブリは幽霊なんですか」



「そ、ラブリは結婚直前、彼氏とドライブの途中、暴走トラックに激突され亡くなったの」



「え、彼氏とですか……」


「うん、元々、その彼氏はエミリの家庭教師だったの…… そして、その彼氏はあなたにそっくりなのよ」

 スマホの画像を見せてくれた。

 ラブリと彼氏が写っていた。



「ン、僕に……」確かにそっくりだ。



「ええ、だから不動産屋に来た時はドキッとしたわ。彼氏が生き返ったのかと思ってェ」



「ああ、あの時ですか」

 そう言えば初対面の時を思い出した。

 ウララは僕の顔を見て驚いていた。



「最初はエミリが先生の事を好きだったの。でもエミリは奥手でシャイだから、なかなか交際まで進まず。

 後から積極的なラブリが」



「横恋慕したんですかァ」



「そう、ラブリは昔ッから優等生のエミリに劣等感コンプレックスがあったのね。

 それで…… エミリの大切な先生を」



「略奪愛かァ」


「ええ、この部屋は、二人の新居になるはずだったの」



「はァ~、そうか。だから、ラブリの霊が」



「ええ、それでラブリは双子のエミリの身体に取りいて」


「あのォ~…… エミリさんとラブリは」



よ」

 白鳥ウララが照れ臭そうに応えた。



「なるほど」やっぱり……。


 若作りしているが彼女の娘なのか。













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