第9話 最強の魔法使い
◇◇◇
明日香にちょっとした魔法をかけ、僕は再び空に浮かぶ。うまくいけば、全部夢の中のできごとだったと思うだろう。
「時空魔法……僕の、失われた時間に…!」
◇◇◇
三年後、僕はなぜかアイドルグループ『マジカルプリンス』略して『マジプリ』のリーダーとして活躍していた。しかも、なぜか一部熱狂的なファンもついており、割と売れている。
キメゼリフは
「君に今夜、魔法をかけてあげる」
らしい。いや、死にたい。なんで!?何でそれ選んだの!?
「だって和也は私の最高の魔法使いだもん」
隣では明日香が笑っている。
「和也がアイドルやってたなんて知らなかったけど、超絶美少年だったからもしかしてって思ったんだぁー。写真みてすぐにわかったよ!」
ネット社会の恐ろしさと明日香の根性に震える。あれから僕は結局事務所に引き止められ、細々とアイドル活動を続けていたのを明日香に発見されてしまった。
そして、ある日明日香が投稿した「私の魔法使い」という一枚の写真がなぜかバズったらしく、すっかり、魔法使いキャラとして定着してしまったのだ。
「僕は明日香だけの、魔法使いでも良かったんだけど?」
「もちろん、和也は私だけの特別な『魔法使い』だけどね。大好きよ!私の魔法使いさん!」
明日香こそ、僕の心を惑わせる最強の魔法使いなんだけど。
異世界最強の賢者だった僕も、異世界伝説の聖女だった君には永遠に勝てそうにない。
聖女として異世界召喚されたけど、最低最悪なこの世界は救いません! しましまにゃんこ @manekinekoxxx
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