第2話 夜空に咲く花
目を覚ますと、パトランプが回ったパトカーが3台A県警と制服に書かれた警察官が2人外に立っていた。
僕の車はパトカーに囲まれていた。
「怪我はありませんか?なければパトカーに乗ってもらえませんかね?」
眠気がまだ残ったまま僕は警察官に言われるがままにパトカーの後部座席に乗った。外には雪が、ちらついていて、外はいてつくような寒さだった。
「もしかしてお酒飲んでますか?」
と聞かれた瞬間に僕の心臓の高鳴りが猛烈に高まった。眠気は一瞬でどこかに飛んでいってしまった。
「数時間前に友人と飲みまして、あまり記憶がないですが…嗜む程度で、数時間寝たので大丈夫ですよ。」
初めての経験からか、僕の心臓の高鳴りは最高潮を迎えた。
警察官はビニール袋を取り出して、
「この袋に息吐いてくれるかな?」
「はい」
僕はストローのついたコンビニ袋ほどの大きさの、小さな透明なビニール袋にフーッと息をはいた。袋がしだいに大きくなった。
警察官が僕に数字の表示がある棒状のものを差し出してきた。
「0.75でてるよ、大分飲みましたね。」
「えっ!まさか、そんな飲んでないです!」
警察官に用紙を渡され個人情報を書き指で押印した。
「親子さん近くに住んでますか?」
「はい」
「連絡先教えてもらえるかな?」
警察官は両親に電話をし、現場に来るよう指示をした。
「じゃ、車の外に出てもらえるかな?」
「はい」
車から少し離れた道の端で警察官は僕に真っ直ぐ歩けるか指示をした、僕はまっすぐと歩く事ができた。再びパトカーに戻り僕は事故を起こした経緯を警察官に話しながら、両親を待った。
僕はやっと事の重大さに気付き、
警察官に尋問を受けながら、
これからどうなるのだろうかと、
絶望感のあまり少し涙が溢れた。
15分後自家用車を走らせ現場まで来た両親が到着し、僕が乗っているパトカーまで心配な面持ちで歩いて近づいて来た。
僕は外に出て両親にこう伝えた。
「酒飲んで記憶無くして、事故起こした。ごめん。
「そうか、どれくらい飲んだ?」
両親は初め冷静だったが、僕から検出されたアルコール数値を伝えるとこわばったような顔に変わった。
僕くは後悔の念と、これからの不安に押しつぶされそうで天を仰いだ、
少し涙ぐんだ目で見た大きなかたまりの雪はまるで白い花びらのように見えた。
今振り返ると美しい景色であっただろう。
しばらくして、手配した24時間営業のレッカー車が到着。
僕は両親の車の中でただ下を見て震えていた。
僕はまだこの時人生が転落し始めた事がわからなかった。
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