夜空に咲く花

小林グミ

第1話 衝撃

ドスンという重い足への衝撃とあばらと背中ぎ挟まれたような感覚で目が覚めた。


僕はしばらく気を失っていたようだ、


その日は、浮気相手のあゆみと居酒屋で酒を飲んで彼女の住むアパートに行き何度かプレイをしたあとからの記憶がない。


彼女と行為の記憶だけは鮮明に残っていた。

下着の色、雪のように白い肌や、温もり、乳房に絡む体液や、喘ぐ声、


しかし、そのあとは、目をつむったように記憶がない。


いつもなら、彼女の家に泊まるはずだが、僕はなぜか車に乗っていた。


そして僕は車をガードレールにぶつけてしまったようで、車のクラクション部分からはエアーバックが飛び出している。萎れたエアーバックを触ると小麦粉のような白い粉が手についた。


どうやらハンドルの下に膝を強く打ったようで車から出る時に右足に強い傷みを感じたが、そのまま右足をかばいながら、外にでて、車を確認してみると、


車は沿道にたまった雪に突っ込んでいて、前輪部分が大破し、ボンネットからは白い煙が上がっていた。


ガードレールはかなり曲がっていたが、雪がクッションになってなんとか僕は助かったようだ。


その日は1月15日の深夜2時。北国A県の2月は外にいるにはあまりにも寒すぎて、車に戻って暖まろうと考え運転席に戻ってエンジンをかけた。

そのままアパートに帰りたくなり、車を動かそうとしたが、車は前輪部分が大破していたため車を動かす事はできなかった。


そうだ、助けを呼ぼう!


僕は同じ街に住む家族に電話しようと慌ててスマートホンを手にした。


しまった充電がない!


僕はいつもそうだ肝心な時にいつもヘマをする・・・


今いる場所はA県のM市から少し離れた田舎の旧道。すぐそばには国道がある。


アパートまではかなりの距離だ。


周りには数軒民家があったがコンビニなど人がいるような場所はなかった。

どうすれば良いか考えているうちに、


深夜に車内の温まった暖房は心地よく感じ、

かなりの眠気がさした。

僕は作曲家として仕事をしているため、連日

徹夜の疲れが出たのか疲労感も手伝って、

車の座席を下げそのまま眠ってしまった。


「コンコン」


という音で目を覚まし、座席から置きて窓の外を見ると帽子をかぶった人がたっていた。


「A警察ですけど、お怪我ありませんか?」

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