第14話 赤晶石の剣

【アイテム】

魔力鉄の剣・KQ6・アカリ


僕が鍛冶錬成で作った剣は鉄の剣ではあるが、いきなりキングクオリティのレベル6という、初めて作るにしては予想以上の品質にびっくりしていた。


ってか、鍛冶錬成では品質が2段階落ちるのではなかったのか?


それとも品質の段階は4段階ではなくて、僕がゲームから離れてから増えて、もっと多いのかもしれない。


そう考えれば、しっくり来るな……


「とりあえず、ハリッサはこの魔力鉄の剣を試してみてよ。それによって微調整していくからさ」


「分かった!」


ブオンッ!

ブオンッ!

ブオンッ!


ハリッサは魔力鉄の剣を右手に持つと、いろいろな角度に剣を振るい、剣の具合を試している。


ハリッサが言うには、あれからもステータス画面も開かず、レベルが上がるアナウンスも聞こえないらしいが、2ヶ月前よりも明らかに剣を振るスピードが上がっている気がする。


もしかしたら、僕は勇者だからステータス画面を開けたりするけど、現地の人にはステータス画面って開けないのか?


「剣の具合はどう?」


「凄く良い!」


ハリッサは笑顔で嬉しそうだ。


「調整する場所はある?」


「う~んと、長さをちょっと短くして……」


ハリッサは真剣な表情で剣の形状に要望をいろいろ出してきたので、僕も真剣にハリッサの話を聞き、希望に添えるようイメージを固めていく。


「あと今回はレッドミスリルで剣を造ろうと思っているけど、大丈夫かな?」


「何が違うの?」


「多分、形状は変わらないけどハリッサに関係するのは硬さと重さかな」


あとはミスリル製の武具は魔力伝導率が高いとゲーム設定であったから、魔法剣士の剣や魔法使いの杖に向いているとされていたけど、魔法が今のところ使えないっぽいハリッサには必要の無い情報だろう。


「重くなるの?」


「いや、鉄よりもミスリルの方が軽いから、多分軽くなるかな?」


試してないからはっきりしないが、塊の段階でミスリルの方が鉄より軽いから多分軽くなるだろう。


やはり、ハリッサはまだ子供なので刀身を短くしているとはいえ、もっと軽い剣の方が良いのかな?


「出来れば、この剣より重い方が良いかな……」


「えっ、逆に重い方が良いの?」


ハリッサは僕が思っていた事とは逆に、重い剣を希望していたみたいだ。


う~ん、剣を重くするっとどうやるんだ?


ゲーム内では武器の重さは形状と素材で決まっていて、重さにより攻撃速度が変化したり攻撃力が変わったりはしていたが、重さを変えたければ素材を変えるか形状を変えるしか思いつかなかった。


そして、今回は形状も素材も決まっているから……どうする?


「試しに刀身の厚みを変えた武器を何本か作ってみるから、使ってみてもらおうかな」


「うん、分かった!」


僕は刀身の厚みだけを変えた武器を何本も作る事にした。


レッドミスリルならば2ヶ月かけて大量に掘ったから、何度でも試せるし出来る事なら全てのレッドミスリルを消費する位、鍛冶錬成をしてスキルを上げたいと思っていた。


【アイテム】

赤晶石の細剣・KQ4・アカリ

赤晶石の剣・HQ7・アカリ

赤晶石の剣・KQ1・アカリ

赤晶石の剣・KQ3・アカリ

赤晶石の大剣・KQ4・アカリ

赤晶石の大剣・HQ8・アカリ


試しに6本の剣を鍛冶錬成してみた。


刀身の厚みを変えただけで名前が細剣、剣、大剣と3種類の名前に変わった。


赤晶石というのはレッドミスリルの事で、何故かゲーム時から素材の時と武器の時で名前が違う事が多々あった。


そして、品質はハイクオリティが出現したので、最低限2種類の品質が存在することも分かった。


ちなみに、武器の品質がハイクオリティ以上の場合、製作者の名前が武器に刻印されるという仕様はゲーム時と同じなのかもしれない。


鍛冶師は、この製作者が刻印されるという仕様により、下手な作品は販売しなくなる傾向があり、高品質な武具は積極的に販売して鍛冶師の名前を宣伝してもらう人がいっぱいいた。


まあ、僕はほとんど知らない人には販売せずに、一部の知り合いにのみ武具を販売していた。


これは僕がゲームをしている楽しみがお金稼ぎではなくて、スキル上げとレベル上げだたからだ。


そのスタイルは今のところ異世界に来ても変わらないと思っている。


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