第697話 次の敵を狙いに


 ふふーん! 強くなってる完全体の敵を相手にするには、自分の強みを活かして、思い切り戦うのが大事なのは分かった!


「とりあえず、破壊した森の部分を通り抜けていきましょう!」


 次に倒す敵を見定めるのは、そこからやっていこー! 少なくとも、今の段階で破壊した部分には敵はいないもんねー!


サツキ : サクラちゃん、出発!

水無月 : 出発!


「はーい! 足元に気を付けながら、進んでいきますよー!」


 駆け抜けていきたい気分ではあるけど、ここは安全第一で歩いていこー! マップを見ながら、倒しやすそうな敵も物色するのです! 出来れば数体、一気に倒したいから……探すべきは固まってる敵か、一直線に並んでる敵!


「あ、少し先に一直線に並んでる敵がいますねー。ここからだと角度が悪いので、真っ直ぐまとめて狙える場所に移動です! あ、再使用時間も過ぎましたし、今度はこれでいきましょう! 『破壊の咆哮』!」


 うふふ! 次こそは、これをちゃんと敵に当ててやるのですよ! 移動しながら溜められるから、ありがたいよねー!


金金金 : 良い配置に敵が並んでるな。5体も直線上に並んでるのは、レアじゃないか?

ミナト : 3体くらいならそこそこあるけど、5体は珍しいねー。まぁ敵も移動するから、攻撃が出来る位置まで行った時に、そのまま並んでるかは運次第だけど……。

G : その周囲に他にも何体かいるから、逆に増える可能性もあるな。

ヤツメウナギ : その辺は完全に運か。

真実とは何か : 運こそ、真実なのである!


「あはは、まぁ運次第なのは仕方ないですね。でも、出来るだけ多くの敵を仕留めたいですねー!」


 だからこそ、出来るだけ溜めも長くしていくのさー! あ、そっか! 溜める時間は任意なんだから、直線上に多くの敵が並ぶのを待つって手もある気がする!


神奈月 : さて、残りの配信時間で、どこまでLvが上がるかな?

ミツルギ : あー、どうだろな? 今日は色々とやってたから、エリアボスの撃破のLvまで辿り着かない可能性もあるか……。

富岳 : 何とも言い難い部分だが……まぁ『縄張り』で近場の敵の位置が分かってるのは大きいぞ。実際、それを頼りに探してる訳だしな。

チャガ : 確かにな。『索敵』だけだと効果範囲の問題でリスクも高くなるが、既に居場所が分かっているのはかなりの恩恵か。


「あ、それはさっきも言ってましたね! ……今思ったんですけど、『縄張りへの帰還』って役立ちます?」


 あれ、縄張りを設置した事がある場所に戻るスキルだったよね!? もしかして、使い所って今みたいな場合じゃない!?


ミツルギ : 役立つかどうかで言えば……まぁ確実に役立つな。死亡リスクは高まるけど……。

こんにゃく : 戻った場所で、『縄張り』の再展開もセットだからなー。

ヤツメウナギ : まぁそれも、運用の仕方次第だけどな。

咲夜 : 『縄張り』で忘れちゃいけないのは、器用のスキルツリーにあるという事!

神奈月 : おっ、珍しくネタバレにならない範囲での有用な情報!

咲夜 : 珍しくとか言わなくてよくね!?


「おー! どう有用なのかは分からないですけど、役立つのは間違いないんですね!」


 そっか、そっか! ふと頭に浮かんだスキルだったけど、使い道ってあるんだね! でも、どう活かしたらいいのか、よく分かんないなー?


金金金 : ネタバレに繋がるかもしれんが、具体的にどう運用する? 正直、今のを聞いてる限りだと、袋叩きにされに戻るだけにしか思えんのだが……。

水無月 : それ、私も思った!


「確かに、戻って縄張りを再設置するなら、死んだ状況と大して変わりませんよね?」


 うーん、金金金さんがネタバレを懸念してるのも分かるけど、疑問の内容は私も気になる部分ではある! どうしよう? ネタバレでもいいから聞いて、『縄張りへの帰還』を解放する事も考えた方がいいかな?


サツキ : 悩み始めたサクラちゃん! 足が止まったよ!?

ミツルギ : ネタバレでもいいなら解説するし、とりあえず止まるのはやめとけー。止まるとしても、狙える位置まで移動してからだぞ!

イガイガ : その方がいいのは間違いないな!


「あ、それもそうですね! とりあえず、ちゃんと狙える場所まで行かないと、意味ないですし!」


 悩んで足を止めてる場合じゃなかった! 考えるのはいいけど、ちゃんと移動はしていかないとね! という事で、移動再開なのです!


チャガ : 『縄張りへの帰還』の運用方法か。ネタバレなしの範囲だと、どこまで言える……?

富岳 : 説明にある効果だけではない……くらいか?

ミツルギ : あー、それならなんとかネタバレではない範囲か? とはいえ、意味は分からんけど……。

金金金 : 確かに、さっぱり分からん! 何か想定してない効果があるっぽい程度には分かるが……そうでもないと、さっきの予想にしかならない気がするしな。


「あはは、まぁそうなりますよねー。何か説明にあった以外の、特別な効果があるのは予想出来る範囲ですし……」


 それが何かが分からないというのが問題なんだけど、それこそがネタバレ案件なんだろうね。うーん、これは思い切って聞いちゃうのもあり?


咲夜 : とりあえず、これは言っておこう! ノルマ達成は捗るな!

イガイガ : あー、まぁそれは確かに?

G : 間違いないな。最低でも1回、死ぬのはほぼ確実な運用方法にはなるし。

水無月 : え、そうなの!?

金金金 : ……なるほど。死んで、戻ってくるのが重要な鍵なのか。

チャガ : これも、ネタバレとしてはギリギリセーフな範囲か。

富岳 : かなりギリギリではあるが、要の部分は伏せているからな。まぁセーフの範囲だろう。


「……死ぬのが前提なのは嫌ですね。んー、でもそれって、死んで戻ってきて、縄張りを再展開する事に意味があるんですよね?」


 はっ!? 死ぬのが前提の運用方法なら、私が死んでもノルマって言われなくなるんじゃない!?


金金金 : 何かに気付いたような狐っ娘アバター。もしかして、運用方法が分かったか?

水無月 : 分かったの!?


「……あはは、まだ分かってないですねー。でも、死亡前提なら、ノルマじゃないですから!」


 うふふ! これは、ノルマと言われる状況を回避する為にも使える手段!


咲夜 : そういう解釈をする!?

G : 大丈夫だ、問題ない! サクラちゃんなら、それでも尚、予想外の死に方をしてくれる!

イガイガ : 揺るぎない信頼があるからな!

こんにゃく : ……どういう信頼のされ方? いやまぁ、言わんとする事は分かるけども。

いなり寿司 : 確かに、今までも縄張りだけで死んでる訳ではないからな。

神奈月 : 妙に説得力はあるんだよな、その意見。


「あのー、なんだかノルマと言われ続けるのは変わらなさそうなのは気のせいですかねー?」


 というか、そんな変な信頼はいらないんですけど!?


イガイガ : 気のせいじゃないから、心配無用だぞ!

G : そうなるな! いつでも俺らは、サクラちゃんの死にっぷりに期待をしている!


「そんなもの、期待しないでいいですから!?」


 うがー!? なんか、全く違う方向に話題が逸れていってるんだけど!?


ミナト : サクラちゃん、ストップ! 話題に気を取られて、通り過ぎてるよ!


「わっ!? 本当です!? すぐ戻らないと!? ミナトさん、警告ありがとうございます!」


 止まって、すぐにUターン! うん、通り過ぎた瞬間にミナトさんが教えてくれたから、すぐに目的の場所に戻ってこれた!


「とりあえず、『縄張りへの帰還』の話題は後にして、今はこっちに集中しましょう! ……あー、バラバラになっちゃってますね」


 ぐぬぬ!? さっき見た時は綺麗に一直線で並んでたのに、今はそうじゃなくなってるよ!? 今の状態じゃ、どれを狙っても当てられるのは2体……良くて3体かな?


ミツルギ : もう少し溜め自体もした方がいいくらいだから、少し待ちだな。

富岳 : 確かにな。サクラちゃん、破壊系統のスキルは光るのが特徴だが……十分な威力は、少し眩しいと感じるくらいが丁度いいぞ。

ミナト : 威力が上がるにつれて、光が強くなっていくからねー。光り方を目安に考えたらいいよー!


「あ、そういう特徴があるんですか! ……そういえば、確かにこれまで使った時も、少し眩しいくらいまで光ってた気もしますね?」


 そっか、そっか。大して気にしてなかったけど、そういう部分が目安になるんだね! 溜めのゲージも出てるけど、どこでどのくらいの威力になるかはサッパリだし、そういう目安があるのはありがたいよ!

 

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