第685話 どう進むか
思ってる以上に完全体が強かったけど、その理由はよーく分かった! 完全体への進化の条件を満たすなら、どこか1つは必ず第12段階まで解放がされてるんだもんね!
でも、その条件は私も一緒! 勝てない敵ではないのですよ!
「さーて、それじゃ気を取り直してマップの解放を進めていきましょう! 目的地は、東の端の海ですね!」
ふふーん! 既にそこは決めてるから、迷わずに進んでいくのです! えーと、出来るだけ周囲が見渡せるように、拓けてる場所を進むとして……。
「……この辺、森を避けようとしても、背の高い草むらが多いですね。また何か踏んじゃいそうですし……」
むぅ、転びにくくなるっていうスキルが欲しくなってくるよね。確か、堅牢のスキルツリーにあった『移動守護』ってスキル!
金金金 : 悩み顔の狐っ娘アバター。何か考え中か?
「いえ、また何か踏んじゃいそうですし、『移動守護』が欲しいなーって思いまして。あれがあれば、転ぶ事はなくなりそうですし!」
悪路も通りやすくなるって話だったから、選択肢としてはありなはず!
G : サクラちゃん、それだけはダメだ!
イガイガ : そうだ、そうだ!
ミナト : いつもの2人の反応は置いとくとして……大真面目な話として、少なからずデメリットはあるとは言っておくよ。あれ、崩れた体勢をシステムで強制的に動かすやつだから……わざと体勢を崩して回避しようとした時に勝手に補正が入っちゃって、逆に動きが制限される場合もあるからね。
富岳 : プレイヤースキルが高いほど、逆に邪魔になってくるスキルではあるからな。
ミツルギ : 便利なスキルではあるんだが、一定以上の実力者だと解放を避けるスキルでもあるぞ。
「え、そんな要素もあるんです!? まぁ私にはあんまり関係ない要素な気もしますけど!」
確かにミナトさんや富岳さんなら勝手に動くのは邪魔になるって事はありそうだけど、私には関係ないのですよ!
神奈月 : あー、サクラちゃんは今回は『移動守護』の解放を目指していく感じか?
金金金 : その前に、器用のスキルツリーの第15段階の解放じゃね? 進化ポイント、あと1だよな?
サツキ : まずはそっちが先かなー?
咲夜 : 悩まずにどんどん決めると、サイコロタイムもなくなるぞ!?
「あ、それもそうですね。色々考える前に、そっちを片付けましょうか! 低くなってきてるステータスも補いたいですし、何を解放するかはその後に考えましょう!」
今日は宣伝ありの日なんだし、サイコロタイムもどこかで用意しなきゃだもんね! 行き先はもうサクッと決めちゃってるから、解放するスキルツリーまであっさり決めちゃうのも駄目だよね。
「さーて、問題は見通しの悪い場所をどう通るかですね? こういう背の高い草むらは、下手すると沼になってますし!」
沼に完全に嵌ったら、死んでの脱出しかなくなるって聞いたもんね! 今日の配信こそ死なないのを達成したいんだし、警戒していかないと!
紅葉 : へぇ? 沼とかあるのかい?
水無月 : うん、あるよー!
ヤツメウナギ : 迂闊にその上に進むと、嵌まって身動きが取れなくなるやつだ。
イガイガ : くっ! サクラちゃん、正しく警戒し始めてる!?
G : 遂に、まともに学習されたとは!?
「その驚き方、なんなんですかねー!? 水への適応進化が使えれば安全なんでしょうけど……まぁ今回は迂回していきましょうか」
草むらを吹っ飛ばして確認って手段もあるんだろうけど、その先に本当に沼があれば、結局避けるしかないもんね。どっちにしろ迂回する事になるなら、最初から迂回にしようっと!
「あ、効果が切れてました。再発動しときますねー。『索敵』『見切り』『弱点分析』『看破』!」
という事で、改めていつものセットを発動! この辺のスキルは結構使ってるけど、スキルLvが上がってくれる気配がないよねー。まぁ困ってないから、別に良いけど!
「あのー、今、チラッと『頑健なカメ』が草むらの奥へと入っていきましたけど……やっぱり、この草むらの先って沼です?」
なんか岩って感じの見た目だったから看破が切れててカメって認識してなかったけど、看破では思いっきりカメって出てたもん! 移動、凄く遅かったけど!
金金金 : 『頑健なカメ』……これ、堅牢系統か?
咲夜 : まさしく、その通り! カメで堅牢系統は、攻撃が通りにくいから相手にしたくない……。
いなり寿司 : まぁカメが出るのは基本的には水場だから、近くに水場がある可能性は高いな。
ミナト : 陸棲のカメもいるから、必ずしも水場とも限らないけどね。今のがどっちなのかはネタバレになるからはっきりとは言わないから、気になるならサクラちゃんが自分で確認してね?
「……むぅ、そこは教えてもらえないんですか。まぁ沼なら沼で、やり方はありますね」
ふふーん! 根本的に水を含んでいる場所ではあるんだから『放電』は流せられるし、遠距離攻撃もあるもんね! 避けて迂回しようかと思ったけど……ここは、さっき失敗した『破壊の咆哮』のリベンジってのもありかも!
「よし、決めました! 今のカメ、仕留めてしまいましょう! その為にも、邪魔な草を排除ですね! 『獅子咆哮』!」
ふっふっふ! これで草むらを吹っ飛ばして、先の様子を確認するのです! それで沼があったなら、『放電』と『破壊の咆哮』で遠距離から攻めまくるのさー!
咲夜 : ちょ!? あのカメ、堅牢系統なんだけど!?
神奈月 : 避けたくなる個体に、わざわざ挑むのか。
金金金 : あー、でもどの程度の硬さかは気になるとこではあるよな。エリアボスならまだしも、通常個体で全然ダメージが通らないって事はないだろ。
こんにゃく : ……なるほど。確かにそういう考え方もありか。
「まだ完全体の個体、同格のはほとんど見てませんしねー! この先、堅牢系統だから全て避けるって訳にもいかないので、ここでどれだけ通じるかの実験です!」
どの系統で進化していても、何かしらの秀でた点があるんだしね! 今は堅牢系統がどういう風に厄介か、それを確認するべき時なのですよ!
ミナトさんが陸棲のカメがいるって話題に出したんだから、沼じゃない可能性もありそうだしね。私がカメを見たのは陸の部分だったんだし、草で全体がしっかりと見えた訳じゃないけど……沼じゃないなら、近接で『出血』を入れれる可能性もあるもん!
サツキ : サクラちゃん、ファイトー!
水無月 : ファイトー!
「はーい! 頑張って仕留めていきますよー!」
とりあえず、今は草むらを吹っ飛ばす為に『獅子咆哮』を溜めるのです! そもそも私自身が完全体に進化してるから、溜め攻撃の威力の変化も見ておきたいよね!
「あ、そういえば『放電』って……そんなに威力が変わった気がしませんね?」
んー、ウサギ相手に麻痺は入ってたけど……ダメージの入り方は普段とそんなに変わらなかったんだよね。なんなら、躱されてもいたし!
ミツルギ : 変わらないという実感があるなら、強化されてる証だぞ?
神奈月 : 強化されてるからこそ、これまでと同じ感覚のダメージが出てる訳だしな。
富岳 : 敵のステータスも底上げされているんだから、強化が追いついていなければ、同じ感覚のダメージは出ないぞ。敵の生命自体、増えてるんだからな。
ミナト : 総ダメージが増えてるからこそ、同じ感覚になるんだしね。
「あ、言われてみればそうなりますよね!?」
そっか、そっか。威力が上がってなければ、HPが増えてる敵に与えるダメージ量は減ってる風に見えるよね! HPはゲージで表示されてるだけで、実際の数値が出てる訳じゃないんだし!
進化前と同じくらいの減り方になるなら、ダメージ総量は増えてるんだ! うふふ、やっぱり私の進化系統である器用との相性はバッチリなんだね!
咲夜 : というか、威力が凶悪に上がってるのは実況外のプレイで乱獲してたんだから、分かってたんじゃね?
「あ、それもそうでした!? 確かに、あれは凶悪になってましたね!」
完全体を相手にし始めたから感覚が狂ってたけど、威力自体が盛大に上がってたのは実感済みだったよ! うふふ、その上がった威力が完全体相手にどれだけ通じるのか、それを試さないとね!
もう少しで『獅子咆哮』の溜めも終わるし、草むらを一掃するのと同時にカメに一撃入れるのさー! それで堅牢系統相手に、どれだけダメージが入るのかを確認だー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます