第640話 次に狙う敵
うふふ! 『鋭利化』のお陰で『出血』になりやすくなったみたいだし、『強獲牙』で捕まえると逃げようと暴れて『出血』の効果が増すのも分かった!
「組み合わせて効果が増すのは、かなり便利ですね!」
これなら『出血』の効果を増すスキルを解放するのも……って、今は完全体への進化の為に必要だから、進化ポイントは使えないんだった……。
金金金 : いきなりガッカリとした狐っ娘アバター。いきなりどうした?
ミツルギ : この流れ的には……『出血』効果を良くするスキルを取りたいけど、それが出来そうにないって気付いた感じか?
神奈月 : あー、そういうパターンか。
「ミツルギさん、正解です! え、なんで分かったんです!?」
姉さん辺りに当てられるのは分かるけど、まさかのミツルギさんだったよ!?
ミツルギ : まぁかなり表情に出てるしなー。
ミナト : 流れを考えれば、そう難しい予測ではないよね。
富岳 : 確かにな。サクラちゃんのアバターは表情豊かだし、ぶっ飛んでない方向性なら考えてる事は読みやすい。
サツキ : サクラちゃん、昔っからポーカーフェイスは苦手だもんね!
「それ、サツキさんもですよね!?」
家族で揃ってトランプでババ抜きをして遊んだりした時、最後まで残るのは大体私か姉さんが残ってたもん! 姉さんにだけは、そういう風には言われたくなーい!
いなり寿司 : やはり似たもの姉妹か。
イガイガ : サツキさんもポーカーフェイスが苦手なのは……まぁ容易に想像がつくな。
ミツルギ : そもそも、隠し切れずに姉だとバレて、ここで普通に配信を見てる訳だしな。
サツキ : あはは、そういう事もあったかも? まぁ気にしない、気にしない!
「……まぁいいですけど」
ポロッと配信だけでは知りようがない情報を言っちゃって、気付いたって経緯だったもんね。私も人の事は言えない気もするけど、姉さんは迂闊なのですよ!
「さーて、気を取り直して、次の敵を倒していきましょう! さっきのヘビの攻撃は、胃袋で回復が出来てる範囲ですし!」
胃袋のストック分が3分の1くらい減ってるけど、HPが減った状態でないのは大きいよね! うふふ、胃袋は胃袋でこういう部分が便利だよねー!
ミツルギ : 次の敵は……さっき見た『雄健なサソリ』か?
「近場に他にも反応はありますけど、まぁ進化系統的にはそれが無難ですかねー? あ、マップを見て敵が固まっていたら、その方向に溜め攻撃をぶっ放すのもありですね!」
最大まで『放火』を溜めちゃってたから、今は再使用時間に入っちゃって使えないしねー。それを待ってる間に、一気に仕留めるのもありなはず!
ミツルギ : なるほど、一網打尽を狙うのもありか。
ミナト : 縄張りで交戦状態になった敵はマップ上に表示になってるし、遠距離から狙い撃ちはしやすい状態にはなってるしね。いい具合に固まってる敵がいれば、一方的に仕留められるよ。
サツキ : サクラちゃん、大虐殺の開始だー!
水無月 : 開始だー!
「大虐殺って、言い方が不穏ですね!? まぁあながち間違ってはいませんけど……」
遠距離から大量に瞬殺を狙うんだから、決して間違ってるとは言えないよ!? でも、せめて殲滅とか討伐とか……あんまり変わらないかな? うん、まぁいいや!
「えーと、丁度いい敵はいますかねー?」
パッと周囲を見渡した限りでは、さっきのサソリくらいしか見えないんだけど……まぁ夜だし、小さい敵なら見えにくいのは仕方ないかも? ちょっと死角に入っただけで看破にも反応が出なくなるんだし、目視で見つけられないのはある程度は仕方ないよね!
という事で、マップを確認だー! これなら見えてない距離の敵でもしっかりと分かるし……。
「おぉ! いい感じに固まってる敵が、そこそこ遠くにいますね! 狙うのはこの敵達にしましょう!」
うふふ、丁度いい獲物を発見だー! ある程度は固まっているけど、一直線に並んでるような感じでもあるから、これはこっちだね!
「こっちでぶっ倒していきすね! 『獅哮衝波』! 2段階目くらいまで、溜めていきましょう!」
今は位置的に一直線で狙うには角度がズレてるから、出来るだけ多くの敵を巻き込めるように少し移動するのです!
ミツルギ : おー、いい感じに狙えるのがいるな。数としては……7体か。
富岳 : 少し東方向に回り込む必要はあるが、上手く一直線になりそうではある。……これだけ敵同士が近くても、動く様子がないなら群れか?
こんにゃく : あー、そうかも? 近ければ敵同士が戦う可能性が高いけど、その割には動きがなさ過ぎるしなー。
「あ、これって群れなんです!? 何の敵の群れか、分かったりします?」
荒野エリアでは、もうサイの群れには遭遇してるけど……それ以外に群れを作る種族って何がいるんだろ?
ミナト : んー、荒野にも色々といるからねー。ここから南西方向だと……ちょっと種類は絞れないかな?
咲夜 : 水場がある方向だと、植物が生えてる周辺で種類が増えてくるしなー。
神奈月 : ちょ!? それ、ネタバレ案件!?
咲夜 : あっ、ヤバっ!?
「え、この敵がいる先の方って水場があるんです!?」
わー! 少し前に話題に出てた部分だよね、それ! 出てくる敵の種類が増えてくるんだ!?
ミナト : ……ごめん、今のは私がちょっと迂闊だったかも。
咲夜 : ……俺も、すまん。
「あ、大丈夫ですよ! 今のは私がどういう種類の敵なのかを聞いたのが発端ですし!」
その返答の中で出ちゃった部分なら、下手に責められはしないよね! うん、今の流れだと仕方ない!
咲夜 : なんとかセーフか!?
イガイガ : ミナトさんが迂闊な発言をするのも珍しいけどなー。
ミナト : あはは、まぁそういう時もあるよ。えーと、ここまで言っちゃってるし、もう具体的な話も出しちゃって大丈夫?
「あ、はい! それは大丈夫です! 群れの種類が判別出来ない理由も気になりますし!」
こういう流れなら、もう聞いちゃった方がミナトさんも咲夜さんも気にしなくて済むよね! それに溜めが終わるまで時間はかかるんだし、その間の雑談としてもあり!
ミナト : それじゃもうネタバレありで言っちゃうね。その群れのもう少し先の辺りに小さな水場があるんだけど、その周辺は植物が結構あってね? その辺だと、草原で出てくるような種族なら結構出てくるんだよ。
富岳 : シマウマ、ライオン、ウシ、オオカミ……まぁ他にも色々いるが、何が出てくるかはその時次第だな。
ミツルギ : 荒野エリアの中に存在する、小規模な草原エリアみたいに考えてくれればいいぞ。
いなり寿司 : だからこそ、色々候補がいて、群れの種類が判別出来ないって事になってな? 知恵系統が率いている群れだと、『縄張り』の中心から離れていれば、他の敵との戦いを避けて下手に近付かないって事もあるから、特に判別が難しかったりもする。
「あー、そういう感じになるんですか。何の群れか分からないのは厄介ですねー」
うーん、見えないほど離れている状態だし、小規模な草原エリアなら種類を絞るだけの条件もないって事なんだろうね。荒野の中にある、荒野っぽくない部分なんだ?
サツキ : 今のサクラちゃんには無理なんだけど、そういう水場って面白い要素があるんだよねー!
神奈月 : え、そこに言及するのか!?
G : あー、あれか。まぁ実行はほぼ不可能だろうし、言うのくらいは問題ないんじゃね?
「え、何かあるんです!? 出来ない事ならネタバレになってもいいので、教えてもらってもいいですか!?」
こういう風に言われたら、出来ない理由も含めて気になるもんね! 2段階目の溜めに入ったばかりだし、この際だから思い切って聞いちゃえ!
サツキ : ふふーん! サクラちゃん、この先の水場の水はどこから来てると思う?
「えっと……川でもあります? でもそれは分かりやす過ぎますし……あ、湧き水ですか!?」
荒野でも川はあるみたいな事は言ってた気がするから、川の可能性とは思うけど、今のはそうじゃない気がする! だとすれば、こっちだよね!
サツキ : 正解! その湧き水から、地下水脈エリアに入れたりするんだよねー! まぁそこに行けるのは、魚とかに限定されるけど!
「え、地下水脈エリアとかあるんです!? あ、でも魚じゃないと入れないなら、確かに私には無縁ですね!」
そっか、そっか。そういう場所もあるんだ! え、でも待って? 小さな湖みたいなのは、今までも何ヶ所か見てきたよね?
あれ? 知らなかっただけで、もしかしてそういう入り口の近くには既に行ってたのかも!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます