第638話 マニュアル操作の放火
ふふーん! レンコンを食べて胃袋は満タン! サボテンやサソリが食べられるって話も聞いたし、荒野を駆け抜けていくのですよ!
「今日中に成熟体の上限Lvへの到達を目指して、やっていきましょう!」
到達点は見えてるんだし、ここからの目標はそれだよね! エリアボスのタカも倒したいけど……まぁ結果的に同じとこが目標だー!
サツキ : どんどん敵を倒していこー!
水無月 : 倒していこー!
「はい! そのつもりです!」
うふふ、今の場所は縄張りで敵を集めちゃった結果、ぽっかりと敵が存在してない状態になった場所だし、そこから離れればいい感じに丁度いい敵がいるもんね!
「さてと、ちょっとこれを溜めてみましょう! 『放火』!」
マニュアル操作にして、『放電』や『放水』を溜めた時みたいにこっちもやってみるのですよ!
「おぉ! 火の球が出来ていますね! どんどん大きくなってます!」
わー! こういう風な溜め方になるんだ! 目に見えて大きくなってるから……あんまり溜め過ぎると、邪魔になりそうな予感!?
ミツルギ : 『放火』は溜めれば溜めるほど、攻撃範囲が広がるぞ。
富岳 : そのままぶつけてもいいし、火を広げるようにする事も可能だ。まぁ燃えるものがある場所では、予期しない火事が発生するから要注意だがな。
「あはは、確かにこれは当てるつもりがない場所にも当たりそうですねー! でも、荒野では燃えるものも少ないみたいなので、問題はなさそうです!」
見た感じ、燃えそうなものって少ないもん! まぁ全く植物がない訳じゃないけど、火事の心配はいらない範囲だよね!
「さーて、それじゃ溜めながら出発です! 見つけた敵に、この火を叩き込んでやりましょう!」
うふふ、折角なんだから、この機会に全力で火への適応進化を使いまくるのですよ!
ヤツメウナギ : 進むのなら、ここから北か? 縄張りで畏怖の気迫に引き寄せられた敵はそっちに多いだろ。
こんにゃく : まぁマップに赤い印は出てるし、敵の位置が分かる方がメリットだな。
「あ、それもそうですね! Lvも多少は上がりましたし、先手を取れば有利です!」
今の位置は、死んだ場所よりも入ってきた方に近いから、極端なLv差はないくらいのはず! 多分、丁度いいくらいな気がする!
ミツルギ : まぁ『放火』は範囲攻撃にもなるし、この状況では割といい選択肢だな。
サツキ : 思いっきり敵を焼いちゃえー!
G : 一般生物のサソリも巻き込んで、回復アイテムにしてしまえ!
「あはは、まぁそういう機会があればそれもありですかねー? とりあえず、溜めながら出発です!」
という事で、荒野を駆けていこー! マップを見る限りでは、少し走らないと敵はいなさそうだしね!
「それにしても、荒野は殺風景ですねー?」
今は夜だから、見通せる範囲は昼よりは狭いんだろうけど……それでも本当に物が少ない!
イガイガ : まぁそれが特徴なエリアだしなー。
神奈月 : そうそう! 場所によっては痩せ細った木とかも生えてはいるけど、まぁそれでも数は少ないぞ!
咲夜 : 多い場所もあるにはあるけど……って、これはネタバレ!?
ミナト : んー、それほどネタバレでもないとは思うけどね。
咲夜 : 今回はセーフか!?
イガイガ : まぁ内容的にはそうなるか。
G : 少し想像すれば、すぐに思い当たるような内容だしな。
「そういえば、荒野にも水場はあるって言ってましたもんね。水場の周辺だと、違った景色もありそうです!」
まぁ少なくとも、今いる場所からはそういうのは見えないけども! オアシス的な場所、見つけられたらいいんだけどねー。
咲夜 : そうそう、そういう場所!
富岳 : ここに荒野だと……あー、流石に場所までは言及しない方がいいか。
ミナト : それは確かにね。そういう場所に辿り着くかは、サクラちゃん次第って事で!
「あはは、まぁそれはそうですね! どこにあるかは、実際に辿り着くかどうか次第になりそうです!」
場所を聞いて、そこに向かっていくのは何か違うもんね! 探索した結果、その途中で辿り着くかどうかになりそう! ……見てみたいけど、辿り着けるかなー?
「あ、そうしてる間にヘビを発見です! Lv53の『雄健なヘビ』ですか!」
一旦止まって、もうちょっと確認していこー! えーと、結構火の球が大きくなってるし……これ、もう最大まで溜まってる? あ、まだ溜められそうかな?
「よーし、折角なので放火は最大まで溜めていきましょう! 出来れば複数の敵を巻き込みたいんですけど……ヘビ以外はどうですかねー?」
パッと目に留まったのが看破に反応したヘビだったけど、他の敵も確認だー! 近くに他の敵はいないかなー? ちょっと見回してみよー!
ヤツメウナギ : ちょっと距離はあるけど、マップを見た限りでは近くに5体くらいいるな。
ミツルギ : 絶妙に離れた位置か。一気に焼くには、ちょっと距離があり過ぎるな。
ミナト : あ、『雄健なサソリ』が視界に入ったね。この辺にいるのは、縄張りに反応したけど、移動が遅かった個体ばっかりかな?
富岳 : まぁ縄張りに反応して尚、端に残っている個体だからな。ヘビもサソリも、どっちも『俊敏』が弱点になっている。
金金金 : あー、そうか。端にいるって事は、襲いに集まるのが遅かった個体になるんだな。
「そういう傾向があるんです!? あ、『雄健なネズミ』もいましたけど……確かにこれも弱点に『俊敏』がありますね?」
逆に、どれも屈強系統で進化してるの特徴だけど! でも、移動速度が遅いってのは色々とありがたいかも?
「あ、少し確認です! 今溜めてる『放火』って、触れたら勝手に『放電』みたいに攻撃になっちゃいます?」
『放水』はそういう性能はなかったから、ここは気になるよね! もし触れたらその場で火が襲いかかっていくなら、今思いついた方法は使えないし!
ミツルギ : ライオンの身体に溜めてる訳じゃないから、攻撃しても『放電』みたいに流れていく事はないぞ。あれは『放電』固有の効果だからな。
富岳 : 『放火』のマニュアル操作の場合は、火の球そのものに触れられない限りは大丈夫だ。まぁ『放火』の場合は、意図せず触れられたら爆発するがな。
「爆発するんです!? それはそれで、要注意ですね!?」
そっか、そういう性能の差ってあるんだね。まぁ意図せず触れられたら、どういう状況になるかは分かった!
ここまで移動してくる間で分かったけど、この『放火』のマニュアル操作での溜めは私が少し見上げた辺りに勝手に付いてくるみたいなんだよね。動かそうと思えば動くけど、意識して動かそうとしなければ、そうなるみたい!
「それじゃ、ちょっと敵を一ヶ所に集めてきますねー! そこから一網打尽で、焼き尽くしてしまいましょう!」
うふふ! 折角の溜めた火、1体だけに使うのは勿体ないもんね! 移動が遅いのなら、1撃当ててから、距離を取れば大丈夫!
金金金 : ほくそ笑む狐っ娘アバター。なるほど、そういう狙いか。
こんにゃく : おー、敵を集めて一網打尽はいいな!
ヤツメウナギ : 確かに狙いとしては悪くない。
いなり寿司 : まぁ溜めた『放火』は広範囲攻撃になるし、1体だけに使うのは勿体ないか。
「そういう事ですね! とりあえず、一番距離のあるネズミからです!」
他のスキルが使えない状態だから、通常攻撃にはなるけど……ダメージ目的じゃないからね! 一気に距離を詰めていくのさー!
咲夜 : ……これ、狙い通りにいくのか?
イガイガ : 咲夜さんがそう言うと、狙い通りにはいかなくなるな!
G : さて、どうなるか?
真実とは何か : 真実はまだ分からない!
咲夜 : ちょ!? え、予定通りにならなかったら俺のせいなの!?
ミナト : サクラちゃん、慎重にねー! 移動が遅いだけで、油断していい訳じゃないから!
「あ、はい! そこは気を付けます!」
咲夜さんが何やら不穏な事を言ってるし、本当に注意しないとね! ともかく、今はネズミまで一気に距離を詰めるのですよ!
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