第636話 成熟体の上限Lv


 うぅ!? 成熟体の上限Lv、もう今日到達が出来るかもってくらいまで迫ってるとは思わなかった!? もっとガッツリと先がある気がしてたのに!?


「これ、今日中に上限Lvになりませんかねー!?」


 ぐぬぬ! さっきの戦闘中には考えてる余裕がなかったけど、進化が近いんじゃ火への適応進化の使える時間が……。


「あー!? 火への適応進化に何か問題があるっぽい反応って、完全体までの進化が近かったからですか!?」


 ぎゃー! その可能性、十分過ぎる程あるよ!? 成熟体で使えるように増幅しても、完全体になったら使えなくなるよね!?


イガイガ : まさしくその通り!

G : 気付くのはもう少し先になるかと思ってたが、ランダムリスポーンがその機会を早めたか。

神奈月 : 使える期間がそう長くないから、増幅系アイテムの消費が……まぁ少し勿体ないタイミングではあったんだよな。

ミナト : だからと言って、増幅したのが間違いって訳でもないけどね。

サツキ : 使いたいものは、使いたい時に使うべきだしね!

富岳 : まぁ今の増幅系アイテムに所持数は、確か2個だったよな? それだけあれば、1種類だけ引き継ぐのは可能だから心配はいらん。


「それ、現状では1種類しか引き継げないって事ですよね!?」


 うがー! 今日の配信中にしか使えないのに、その火の適応進化の増幅をしちゃったの!? むぅ……これ、使えそうだと気に入っても、増幅系アイテムを手に入れなきゃ引き継げないよ!?


「完全体に引き継ぐのは……まぁどう考えても雷への適応進化の一択ですよね。むぅ……水への適応進化も引き継げないのは痛いですね……」


 水への適応進化も割と便利なのに、使えなくなるのって酷くないですかねー!? 次の進化階位に引き継ぐのに、1種類の適応進化に増幅系アイテムが2個必要っぽいけど……火と水の両方も引き継ぐなら更に4個もいるの!?

 ぐぬぬ! 増幅系アイテム、入手確率はかなり低いのに、あとLv7ほど上げる間にその個数は無理だよね……。


ミツルギ : サクラちゃん、ネタバレになりそうな小技……いや、アドバイスか? それはいるか?

G : っ!? 何を言う気だ!?

イガイガ : ……Gさん、ここは見守ろう。大丈夫だ、サクラちゃんなら俺らの予想を超えてくれる。

金金金 : 斜め下の方向にな!

G : ふっ、それもそうだったな。

真実とは何か : それが真実なのである!


「どういう納得の仕方をしてるんですかねー!? あ、ミツルギさん、そのアドバイスはお願いします!」


 このタイミングでのアドバイスは、ネタバレであっても聞いておいた方がいい気がする! 多分、適応進化の引き継ぎに関してだよね!?


ミツルギ : よしきた。水への適応進化だけどな? あれに関しては、下手に増幅するよりも、再び発生させた方が早い場合もあるぞ。

ミナト : 進化階位が上がれば死ぬ回数が多く必要にはなるけど、それでも増幅系アイテムの入手をするよりは早く終わる可能性が高いからね。

富岳 : 再誕の道標を設置してるから、湖に戻って……ん? そういや、あの湖のエリア名は何になっていた?

こんにゃく : え? そりゃ……あれ?

サツキ : あれ? 地味にエリア名の変更を忘れてる?


「そういえば、あの湖って名前を変えた覚えがないような気がします?」


 確か、湖エリアから出て割とすぐにヒマワリ達に襲われて……そのまま忘れ去ってた気がする! うーん、これから変更してもいいんだろうけど……よーし、こうしよう!


「忘れ去ってたのが最大の特徴になりそうですし、あえてそのままの名前にしておきましょう! 名付けないという名付けで!」


 忘れてたからこそ名付けられてないんだから、そのままの特徴にしてしまえばいいのさー! ……名前を考えるのが面倒だからじゃないよ?


咲夜 : まさかの命名放棄!?

ヤツメウナギ : まぁ他のエリアとの繋がりでどこかは分かるし、1エリアくらいなら、それでも問題ないか。

サツキ : これ、理由を付けてるけど、ただ面倒になっただけのパターンと見た!

いなり寿司 : あー、そういうパターンか。

こんにゃく : まぁ数エリア前のを、今更考えるのが面倒になる気持ちも分かる。

ヤツメウナギ : 確かに面倒ではあるよなー。


「あのー、サツキさん? 間違ってはないんですけど、それはわざわざ言わなくてもいいんじゃないですかねー?」


 皆さん、普通に面倒な気持ちは理解してくれてるけど、姉さんにそれを暴露されるのはなんか複雑な気持ちになるんだけど!?


サツキ : 気にしない、気にしない! えっと、富岳さん! 何か言いかけてたとこだよね!?

富岳 : あぁ、そうだったな。あの湖には既に再誕の道標を設置してあるから、死んで戻れば条件を達成するのはそう難しくもないぞ。

ミツルギ : だから、水への適応進化に関しては増幅しての引き継ぎはやめとけってアドバイスだ。


「あ、そういう流れになるんですね。……確かに増幅系アイテムを2個手に入れるよりは、そっちの方が確実な気がします!」


 適応進化を発生させる為の死の回数は増えるみたいだけど……まぁそれでも溺死は、凄まじい勢いでHPが減るもんね!

 それこそ、既に1回はやった事がある適応進化なんだから、実況外のプレイで済ませちゃえばいいやつだー! うん、そうしよう!


「アドバイス、ありがとうございます! 水への適応進化は、もう1度やる方向で考えておきますね!」


 うふふ、これは確かに聞いておいて正解の内容だった! でも、問題は……火への適応進化が、完全体には引き継げない事かも……。


金金金 : 目を輝かせていたと思ったら、急に落ち込んだ様子の狐っ娘アバター。懸念材料は、火への適応進化か。……さっき、初めて使ったばっかだもんな。

水無月 : 結構便利な感じだったのに、もうちょっとで使えなくなるのは……確かに残念だよね。


「……そうなんですよねー。全然使えなさそうなら気にもしないんですけど、これはこれで雷への適応進化とも違った感じで面白いんですけど……」


 だからこそ、使える期間が今日だけの可能性が高いっていうのが残念過ぎるのですよ!?


咲夜 : そこがあれだ! 今日中に増幅系アイテムを2個手に入れれば解決!

イガイガ : 咲夜さんが言及した事で、その可能性は皆無になった気がするな?

G : 物欲センサーも最大限、働きまくってきそうだしな。

咲夜 : 俺のせいなの!?

ミナト : 咲夜さんのせいかどうかは置いておくとしても……完全に運任せにはなるから、絶対に大丈夫とも言えないかな。でも、サクラちゃん? 進化直後に揃えておかなければならないって訳でもないからね?

サツキ : 遅れてからでも、使えるようにすれば良いんだよ!

こんにゃく : 確かにそうだよなー。増幅系アイテムの数が揃い次第、増幅するのでも問題はないか。

真実とは何か : それが真実なのである!


「あ、それもそうですね。別に後からでも、増幅は出来るんですよね!」


 そっか、そっか。永久に使えなくなる訳じゃないんだよね! そもそも成熟体の途中で手に入れたんだし、増幅したのだって昨日だもん!


神奈月 : というか、引き継ぐ話をする前に、完全体への進化条件を満たす方が先じゃね?


「あはは、それはそうですね! えーと、そもそも完全体への進化に必要な進化ポイントと、今の進化ポイントはいくらですかねー?」


 心配する順番はこっちが先! 少なくとも、絶対に引き継いでおきたい雷への適応進化は可能なんだしね! そっちすら足りないならすぐに対応が必要だけど、そうじゃないもん!


「えーと、今の進化ポイントが22で、完全体への進化に必要な進化ポイントは100ですか! 残り78なら、上限Lvに到達するまでには足りますかねー?」


 多分だけど、変に使わない限りは足りる気がする!


富岳 : Lv上昇時に4入手、Lv1を上げるのに適正Lvの相手なら大体3〜4体の撃破で、1体から2入手だから……まぁ普通に届く範囲だな。

ミナト : 格上ばっか倒して、進化ポイントの入手が極端に少ないって場合以外は大丈夫だね。

ミツルギ : 今の段階で、上限Lvが分かったのはよかったかもな。使わずに置いておいた方がいいのが把握出来た上で、それなりに上限Lvまでの余裕もある。


「……あはは、その代わりに死にまくりましたけどねー。まぁ結果オーライって事にしておきましょう!」


 そのおかげで、上限Lvになる直前まで気付かないなんて事にはならなかったんだしね! 今回、何度も死んだ意味はあったのです! ……そういう事にしておこー! 私の死はノルマじゃないもんね!

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