第633話 今日もいつもの
うがー! まさか、進化が終わってすぐに殺されるなんて思ってなかったー!? ぐぬぬ!?
「……色々、納得いかないんですけど!」
確かに、今までだってエリア切り替え直後に襲われる事はあったけど! タカがエリアボスだった事もあるけども! 堅牢を鍛えたのに、即死ってなんで!?
金金金 : ほらな? サクラちゃんはこういうところで予想を超えてくる。
G : ……確かにな。今回、切り替え直後にエリアボスの襲撃は、完全に警戒外だったのも大きいか。
富岳 : まぁその辺を気にせず、色々と進めてたからな。鳴き声がしてた時点で、警戒はすべきだったか。
チャガ : おっす。……あー、今日は早くも死んだのか?
ミナト : 多分だけど、エリアボスのタカの溜め攻撃が直撃でねー!
チャガ : 夜なのにタカが出たのか? あー、だったらほぼ確実にエリアボスだな。
咲夜 : 何はともあれ、今日のノルマはこれで達成!
「だから、私の死亡はノルマじゃないですけど!? ……ちなみにですけど、なんで即死になったんです?」
溜め攻撃って言ってるけど、今の堅牢でも即死は防げないの!? いくらなんでも、今回のは理不尽過ぎませんかねー!
ミツルギ : あれだ、あれ。『獅哮衝波』の2段階目か、3段階目に相当するくらいの溜め攻撃の直撃の可能性が高い。
ミナト : そこまで溜められるだけの時間的猶予は与えちゃってたからねー。
サツキ : あっ!? 命名してたり、進化してたりで!?
ミナト : そうそう、それでだね。ちなみに進化の時に上空へ飛ばされた時、チラッと見えてたよ? その時には既に看破の効果は切れてたし、一瞬ではあったけどね。
「え、あの進化中に見えてたんです!?」
待って、待って、待って!? 私が進化の時に光の球になって打ち上がってた時、タカが見えてたの!? ……演出やサムネイル用のスクショを撮ってるのに気を取られ過ぎてたかも?
こんにゃく : 相変わらず、よく見てるよなー。そんなの、俺は気付かなかった。
ヤツメウナギ : あー、まぁ今回のは色々とタイミングが悪かっただけだな。サクラちゃん、どんまいだ!
富岳 : 昨日のデンキウナギといい、今日のタカといい、流石に初見では対応が難しい類いではあるからな。モンエボは死んでなんぼのところもあるし、気にし過ぎても仕方ないぞ。
「……まぁそれもそうですね。とりあえず、ランダムリスポーンをしてしまいましょうか」
そろそろ時間切れでランダムリスポーンになりそうではあるけど……あ、勝手にそうなっちゃった。うん、まぁそうするつもりだったんだし、別にいっか!
「えーと、とりあえず現在地は……あー、マップが解放されてないから……って、この状態は危ないですよね!? 『索敵』『見切り』『弱点分析』『看破』!」
ぎゃー!? パッと見ただけでも、周囲に色々いるー!? すぐにでも対処しやすいようにいつものセットを発動したけど……。
「……あはは、敵がいっぱいいますねー。これ、サイの群れですか……」
他にも敵はいるけど、この状態はどうしよう? どう考えても、同じ種族で集まってるのは危険――
「ちょっと待ってください!? この『雄健なサイ』って『Lv60(上限)』って出てますけど、成熟体の上限って……わー!? 気付かれました!?」
待って、待って、待って!? ちょっと重要情報を見つけたけど、この状況は悪過ぎるよ!? えっと、えっと!?
「あ、麻痺させればいいですね! 『雷纏い』! ……あれ?」
なんで発動しない……って、今、火への適応進化になってるんだ――
「ぐふっ!」
ぎゃー!? 慌てて変なミスをしちゃって、見切りの反応で真っ赤に染まってたのに、回避し切れなかった!?
金金金 : 適応進化の切り替えに、適応出来ずにミスって焦る狐っ娘アバター! これだよ、これ! この予想外の事態こそ、見ている醍醐味ってもんだ!
G : ……確かにな。いくらミス要素を潰そうとも、それを上回って何かが起きるのがサクラちゃんか。
イガイガ : いやー、面白い状況になってきた!
「私的には!? 全然! がはっ!? 面白くない!? ですけどね!? ぐふっ!?」
ぎゃー!? 体勢が立て直せないまま、どんどん攻撃されてるんだけどー!? なんとか踏ん張って吹き飛ばされずにはいるけど、これは厳しいよ!?
サツキ : サクラちゃん、落ち着いてー!
ミナト : 焦ってたら、余計に状況は悪くなるよ! 出来る事はあるから、まずは冷静にね?
「冷静に……なら、これです! 『身構え』!」
ふぅ、これでダメージはかなり抑え……あ、これって動けないから、駄目じゃない? ぎゃー! 疾走で思いっきり逃げるべきだった気がする!?
ミツルギ : あー、これは二度目の死も時間の問題か?
富岳 : だろうな。いくら『身構え』でダメージを軽減しようが、状況が悪過ぎる。格上が5体相手は、流石に厳しい。
神奈月 : この状況、ミナトさん的にはどう切り抜けるつもりで言ったんだ? 正直、『身構え』でなくても詰みだよな?
ミナト : え、サイの攻撃は直線的な動きになる事が多いし、サイズも大きくて数もいるんだから、背中を足場にすれば抜けられるよね?
咲夜 : サラッと言うけど、相変わらずの無茶な手段!? サイの背中が脱出ルート!?
神奈月 : ……そういう発想、ありなのか。
「このサイの群れが動きまくってますし、そんなの、無理じゃないですかねー!? ぐっ!?」
うぅ……身構えでダメージは減らせてるけど、それでも次々と体当たりしてきて、思いっきりHPが削られまくってる!? このままじゃ、完全に何も出来ないままHPが尽きちゃうよ!?
水無月 : ……ここから、どうにか出来たりするの?
富岳 : 正直、格上5体の群れに囲まれた状態は厳しいな。
こんにゃく : せめて、群れじゃなければ違うんだが……。群れは知恵系統の個体が率いてて、ちゃんと連携してくるのがな……。
チャガ : 別々の個体なら敵同士の潰し合いも狙えるが、今はこのサイの群れはそれも難しい。群れを率いてる『聡明なサイ』を仕留められれば連携も乱れるが……。
ヤツメウナギ : この状況で1体狙いは、ぶっちゃけ不可能だな!
「このまままた死ぬしかないんですか!? ぎゃー!? どんどんHPが削られてます!?」
待って!? 本当に待って!? 連続で突撃してくるサイもいれば、明らかに攻撃を溜めてるサイもいるんだけど!? うぅ!? これ、身構えが解除になった瞬間、殺される気しかしないよ!?
サツキ : サクラちゃん! ミナトさんが言ってたように、一か八かでサイの背中に逃げるのをやってみよー!
「出来る気はしませんけど、それしか方法はなさそうですね!」
狙うべきは、身構えが解除になった瞬間! 一か八か、ミナトさんが言ってた手段で、この状況から脱出を狙うのみですよ!
「っ! 今です! おぉ! 意外とサイの背中、乗れるもんです……あっ!?」
ぎゃー!? 身構えが解けた瞬間に突っ込んできたサイの上に乗れたはいいけど、サイ自体が動いてて、そのまま駆け抜けられなかった!? うぅ、盛大に転んじゃった……。
「……これ、もう無理ですね。ぎゃー!?」
立ち上がる間ももらえずに、思いっきり吹っ飛ばされたー!? うん、これはもう諦めよう! 私には、この状況からの脱出は無理!
金金金 : もう抵抗を諦めた狐っ娘アバター! ライオンが吹っ飛ばされまくってんなー。
いなり寿司 : まぁこれは諦めるよな。
イガイガ : イージーでこういう状況に陥いるのも珍しい気もするけど、これでこそサクラちゃんか!
G : 色々と珍しいもんを引き当てるもんだよなー。
富岳 : ハードやヘルなら、こういう状況もよくあるんだがな。確かにイージーでは珍しいか。
チャガ : この手の群れを相手にする場合はある程度の下準備は必要だし、いきなりランダムリスポーンで放り込まれたら厳しいよな。
「今の状況、ハードやヘルで出てくるような内容なんです!?」
それ、どう考えても無理だよね!? うぅ……ランダムリスポーンで飛ばされたからこそ、そういう状況が作り上げられてるって気も――
<サクラ【巧妙なライオン【火】】が死亡しました>
<死亡した為、リスポーンとなります。リスポーンの手段を選んでください>
うん、本日2度目の死亡……。……あはは、そういう日もあるんだねー。
むぅ……死なないって目標が未達成どころか、もう2回も死んじゃった……。次は変なとこにランダムリスポーンにならなきゃいいんだけど、なんか嫌な予感がするよ!?
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