第608話 スキルの組み合わせ
まさか、お米が散弾用の弾だとは思わなかった! ……もしかして、根本的に食べられるアイテムですらないのかも!?
「ともかく、今は撃破が優先です! 『放電』『放電』『放電』!」
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
うふふ、また1体撃破! 獅子咆哮でかなり弱ってるし、撃破自体はそう難しくないのですよ!
「あと2体ですね! 1体は埋まったままですけど……あー!? HPを回復してます!?」
飛んでくるお米が多かったからよく見れてなかったけど、片方の旺盛なイネが思いっきり回復中だー!? ぐぬぬ、生き残った上に、他のイネが戦ってる間に自分だけ回復とか卑怯じゃないですかねー!?
ミツルギ : まぁ生命系統だと、よくある光景だな。
いなり寿司 : 割と隙だらけなんだけど、乱戦になってると対処し切れんからな。
チャガ : 攻撃的に反撃してくるか、防御的に回復していくか、その辺は進化系統によって変わってくる部分でもある。まぁ今更な話ではあるが。
真実とは何か : それが真実なのである!
「まぁ確かに今更な話ではありますよねー! もうほぼ全快されちゃってますし、弱ってる方から確実に仕留めます! わっ!?」
弱ってる方、思いっきり攻撃的だけどねー! でも根で移動してきてる割に動きが遅いから、回避自体は割と余裕!
「あ、この稲の弱点、俊敏じゃないですか! 移動が遅い訳ですね!」
ふっふっふ! 屈強と知恵も弱点だし、これは私の敵じゃないね! お米の散弾は射程が短いみたいだし、根で走ってる植物に追いつかれはしないのですよ!
「……あ、動きが止まりました? あ、根を下ろして……って、なんか嫌な予感がするんですけど!?」
さっきまで穂を振りまくってたのに、この動きの変化は危険な気がするよ!? 多分、溜め攻撃に移ってるよね!?
イガイガ : おー、多分あれか!
ミツルギ : まぁ多分、あれだろうなー。
ミナト : あれ以外の可能性もあるにはあるけど、あれの可能性が高いよねー。
金金金 : 『あれ』だけで言われても分からないんだが!?
「金金金さんに同意です! まぁ多分、溜め攻撃だと思いますし、これで潰しましょう! 『咆哮』!」
他の可能性があるっぽいのが気にはなるけど……うん、萎縮になったし、キャンセルも出来たはず!
「ふっふっふ! 勝手に植わって、身動きを取れなくしたのは失敗ですね! 『連突撃』!」
根を地面に張ってる状態なら、多分だけど吹っ飛ばないよね! 思いっきり連続で突撃しちゃえー!
「……あれ? 手応えがあまりないです……?」
え、待って、待って、待って!? 確実に当たった筈なのに、なんで……。
「って、根本から倒れてます!?」
これ、2発目はどう攻撃したらいいの!? 地面に向かってやったら、頭をぶつけるよね!?
咲夜 : あー、うん。植わってる草花系の種族にやると、よくあるやつ!
水無月 : え、そうなの?
ミナト : 根が千切れ飛ぶ程の威力なら、それこそ本当に根が千切れて吹っ飛ぶんだけどねー。半端な威力だと、根本から倒れちゃって攻撃にしにくくなるよ。
ミツルギ : 動きを封じてなければ、普通に起き上がってくるんだけどな。ただ、今は萎縮で動けないから……。
富岳 : 今のサクラちゃんの行動パターンは、『連突撃』を使う際にやってはいけないものではあるんだが……まぁ実体験が出来て良かったかもな。
いなり寿司 : とりあえず、他の攻撃に切り替える為にも『連突撃』は使い切っとけー!
「やっちゃいけない動きなんです!? むぅ、釈然としないですけど、とりあえず使い切ります……」
うがー! やっちゃいけない組み合わせとかってあるんだ!? ぐぬぬ、組み合わせたら強い効果もあるけど、その逆もあるって事なのかも?
サツキ : サクラちゃん、ドンマイ!
水無月 : ドンマイだよ!
「……うぅ、何もない場所に向けての突撃は、なんか虚しいです!」
でも、そうしないと他のスキルが使えないし……うがー! 完全にやらかしたー!
金金金 : 今の場合、『体当たり』や『突撃』だったら問題なしか?
ミツルギ : 単発なら倒れてしまっても問題はないから、まぁそうなるな。
神奈月 : でも、草花系の種族だと手応えが薄いから、根を張ってる時はあまりお勧めではない!
ミナト : 一応、ダメージ自体は入るけどね。でもヒマワリくらいの大きさじゃないと、ライオンの体格だと勢いが上手くダメージになってくれないんだよね。
咲夜 : 実は根で歩いている時の方が効きやすい!
真実とは何か : それが真実なのである!
「……根を張ってる草花系の種族に、突撃はしない方がいいんですね。覚えておきます!」
むぅ……根を張ってるからこそ、攻撃が連続で当てやすいと思ったのに、実際は真逆だったよ!? 根で歩いてる時には問題ないみたいだから、そこら辺は要注意だね!
「よーし、連突撃は使い終わりまし……って、わわっ!?」
萎縮の効果が切れて、またお米を飛ばしてきてた!? なんとか見切りの反応を見て回避が間に合ったけど……。
「あー!? 今度は回復を始め……って、回復させませんよ! 『爪刃乱舞』!」
うがー! 体当たり攻撃がダメなのは分かったから、ジャンプして押し倒して、爪で思いっきり引っ掻いちゃえ! うりゃりゃりゃりゃー!
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
「ふぅ……とりあえず、これで巧妙なイネの撃破は完了です!」
変なミスがなければもっと早くに倒せた気もするけど、まぁ無事に倒せたからよしとしよー! さーて、あとは旺盛なイネが1体だけ!
「……あれ? もう1体、植わってた場所にいませんね?」
少し目を離した間に、どこかに行っちゃった? はっ!? 溜め攻撃を仕掛けてくる可能性もあるし、すぐに見つけないと!
ヤツメウナギ : あっ!
こんにゃく : あー。
咲夜 : あっ!
サツキ : おー!
G : なるほど、そうきたか。
ミナト : あはは、まぁそういう時もあるよね。
「思いっきり、根で走って逃げてますね!? 逃してたまりますか! 『疾走』!」
残り1体なのに、仕留めずに終わりってのはなし――
「って、速くないですかねー!? 気付くのに遅れたので距離は開いてますけど、距離が縮まらないですよ!?」
そこの稲、待てー! ぐぬぬ、俊敏系統で進化してる訳じゃないのに、なんでこんなに速いの!?
金金金 : 弱点が、屈強と器用……。あー、スキル基準なら堅牢が弱点だし、この構成だと攻撃手段が乏しい?
いなり寿司 : 知恵も高いし、生き残る事に特化してる個体だろうな。
咲夜 : こういうタイプのは、経験値が美味い! 逃げるの、速いけど。
サツキ : サクラちゃん、これは逃しちゃ勿体ないよ!
「経験値が多い個体なら逃したくないですけど、追いつける気がしないんですけど!? 追いつくどころか、どんどん離されてますし!」
ぐぬぬ! 私のライオンだって決して移動速度は遅くはないはずだし、疾走まで使ってるのに追いつけないよ!? これ以上、速度を上げようと思ったら縄張りを使うしかないけど……あ、待って!?
この辺、もうエリアボスのデンキウナギに近い気がする!? えっと、デンキウナギの印は……うん、これだ! 多分、これならなんとか縄張りの中に入るだろうし、Lv49まで上がったんだからいけるはず!
「稲を捕まえられるか分かりませんけど、もうデンキウナギとの勝負も始めちゃいましょうか!」
疾走をやめて、ズサっと止まる! 使ったままじゃスキルの発動が出来ないもんね! 再使用時間も過ぎてるから、すぐに出来るのですよ!
ミツルギ : おっ、このままボス戦へ突入か! まぁ縄張りの範囲内には入りそうだしな。
ミナト : まだデンキウナギのいる位置まで距離はあるから、そこまでの間にイネを仕留められればいいかも?
「倒せたらいいんですけどねー! 『縄張り』発動です!」
ふふーん! これでもう後には引けないけど、デンキウナギへのリベンジは開始なのですよ! 露骨に私の方に向けて、デンキウナギの赤い印も近付いてきてるしね!
「さーて、デンキウナギが来る前に、あの稲を仕留めましょう! 『疾走』!」
美味しい経験値が得られるかどうかは、分かんないけど! あ、散らばったお米は放置してきちゃった!? うーん、まぁ今更どうしようもないから、稲を仕留めるのを最優先でやっていこー! その後、デンキウナギへのリベンジだー!
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