第605話 エリアボスの元へ


 デンキウナギが『麻痺耐性』を持ってるかどうかって話題が出てきたけど、どうもネタバレ案件らしくて、聞くかどうかが悩むよ!?


「……あ、聞くかどうかになるって事は、そもそもそれだけ特殊って事ですよねー?」


 私はてっきり麻痺耐性はあると思ってたけど……実際はそうじゃない可能性が高いのかも? はっ! よく考えたら、『放電』と『雷纏い』と『麻痺耐性』は別々のスキルだよね!?


金金金 : 何かに気付いたような狐っ娘アバター。まぁ確かに、特殊じゃなければネタバレ案件にはならないか。

水無月 : それはそうだよね!


「ほぼネタバレになってる気がしますし、もう聞いちゃいましょう! デンキウナギって『麻痺耐性』はないんです?」


 もしそうだとしたら、私としてはすごーくありがたい話だよね! 麻痺が効くかどうかって、勝敗に大きく影響するもん!


ミツルギ : まぁほぼネタバレみたいなもんだったしな。察しの通り、デンキウナギ自体は『麻痺耐性』を持っていないぞ。

富岳 : デンキウナギ自体はプレイ可能な種族じゃないから、あくまで推測にはなるけどな。まぁ知恵系統でなければ、それなりに麻痺が効くのは実証されている。

ミナト : 『麻痺耐性』はあくまで適応進化の産物で、デンキウナギは元々電気を発する種族だから持ってないっていうのが通説だねー。


「あー、そういう理由になるんですか。そう言われると確かに納得ですね!」


 自分の放つ電気は平気でも、他から放たれた電気はダメってのも間抜けな気はするけど! でも、私としてはありがたい事実なのですよ!


咲夜 : 待て、待て、待てーい! ほぼネタバレになってたのに、そっちへの言及は皆無なのは納得いかんのだが!?

イガイガ : きっかけの金金金さんは、オフライン版は未プレイなんだから仕方ないんじゃね?

いなり寿司 : 完全にスルー出来る流れでもなかったし、サクラちゃんが反応してたら結果は同じだぞ。

G : これには関しては不可抗力だな。

サツキ : うん、間違いなくそうだよね!

咲夜 : うぐっ!? 味方が誰もいない!?


「あはは、まぁそういう時もありますよ! 咲夜さん、ドンマイです!」


 ミナトさんとミツルギさんが反応した部分は多少の影響はあるんだろうけど、あの内容なら私も気にしてただろうしねー。未プレイの金金金さんはネタバレのしようがないから、今回は本当に不可抗力!


「ふっふっふ! それにしても、良い情報を聞きました! デンキウナギに麻痺が効くなら、雷纏いを使えるようになってから挑むべきですね!」


 配信時間的にも……うん、そのくらいの余裕はある! もう少しで19時半で、20時の10分前を終わらせる目処で考えても大丈夫だよね!


ミツルギ : あー、でもデンキウナギは、他の種族より効きにくくはあるからな? 全く効かない訳じゃないってだけだぞ。

富岳 : それに今回はエリアボスだからな。普通の個体よりも効きにくい状態ではあるし……弱点に知恵があれば、効かないからな。

ミナト : あのデンキウナギ……弱点構成は見れてないねー。

咲夜 : 嘘だ! それは絶対に嘘だ! 俺でも看破の情報は見てたのに、ミナトさんが気付かないはずがない!

イガイガ : なんか必死だな、咲夜さん。

G : ネタバレ案件だったのに、特に問題にならなかったのがよっぽど気に入らなかったようだな。


「……あはは、咲夜さん、無理にネタバレを引っ張り出そうとしなくてもいいですよー?」


 ミナトさんが確認出来なかったっていうのは確かに不自然ではあるけど、これってわざと教えないようにしてるだけだよね?


ミナト : えーと、咲夜さん? 一応言っておくけど、私もずーっと配信画面から目を離さない訳じゃないからね? エリアボスなのを見た時に通知があって、そっちに気を取られて、本当に詳細は見てないからね? 視点を戻した時には、既にサクラちゃんが巻き付かれて、死ぬ寸前だったしさ。

サツキ : あ、そういう事はあるよね! うん、それは分かる!

咲夜 : ……え、マジで見てなかった!?

チャガ : まぁ普通にある話だな。そりゃ2時間の配信で、一切目を離さない方が難しい。

真実とは何か : それは紛れもない真実なのである!


「……あはは、そういう事もありますよね! 確かに、他の事に気を取られる事もありますよ!」


 ……うん、全然そういう可能性は考えてなかったけど、当たり前の事だったよ! ミナトさんなら絶対に見落とす事はないって思い込みがどこかにあった!


金金金 : 目が泳ぎまくっている狐っ娘アバター。咲夜さんもだが、サクラちゃんもそういう事態は全く想定してなかったな?


「ま、まぁそこはいいじゃないですか! あ、いつの間にかHPは全快してますし、そろそろ出発していきますねー!」


 うん、この話題は続けるだけ無意味だから、強引に打ち切って次へ進むのですよ! あのデンキウナギがいる場所まではまだ距離もあるから、しばらく縄張りの中を通っていこー!


「色々切れてるので、それらも再発動ですね! 『索敵』『見切り』『弱点分析』『看破』!」


 うん、これでよし! この辺のスキルは必須なのですよ!


サツキ : サクラちゃん、出発だー!

水無月 : 出発だー!

金金金 : まぁ特に追求する意味もないし、別にいいか。ところで、縄張りを出るまではもう戦闘はなしか?


「あ、それはどうしましょうかねー? 中途半端に弱らせた敵も多いですけど、完全に逃げちゃってますし……」


 マップを見た限り、近くに敵がいる気配は全くなーい! でもLv的に経験値は美味しくなくなってきてるし、今は無理に戦わなくてもいいかな?


ヤツメウナギ : ボス戦をする為には、Lv上げか?

チャガ : もう挑めるLv帯ではあるが……縄張りを使って周囲の敵を追い払いたいなら、もうLv1〜2は上げたいとこだな。

ミツルギ : だなー。今展開してる縄張りを出て、同格くらいの敵を倒すのがいいんじゃね?


「それもそうですね。それじゃ、走りやすい土手まで上がって、縄張りを出るまで走っていきましょう!」


 ふふーん! とりあえずの行動方針は決定! 河原よりは土手の方が走りやすいだろうから、まずはそっちに移動なのですよ!


「うーん、何か食べられる一般生物でもいませんかねー? 胃袋のストック分を回復しておきたいんですけど……」


 キョロキョロと周りを見渡してみるけど……全然何も見当たらなーい!


神奈月 : まぁ『畏怖の気迫』を発動中だしなー。

イガイガ : 一般生物すら逃げ出しているのだから、当然な状態だ!


「あ、そういえばそうなるんですか。んー、まぁそれは仕方ないですね」


 オフに戻してもいいんだろうけど、今は進化ポイントよりもLv上げの為の経験値が欲しいしねー! まぁ最悪、胃袋のストック分は回復アイテムを使えばいいや!


「さーて、土手の上まで到着です! ここから駆け抜けていきますよー! 『疾走』!」


 雨が降った影響も薄れてきてるのか、土手も乾いてきてるし、走りやすくなってるね! 現実よりも昼夜の変わり方が早いんだし、天候の影響も抜けやすいのかも?


「あ、そういえば、そろそろ夜になってくる頃合いですね。何気にまだ今日のサムネイル候補が撮れてないので、夕焼けを撮りたいです!」


 ちょっとずつ日が傾いてきたし、デンキウナギと戦う頃が丁度夕焼けくらいかも?


サツキ : 結構時間が経って……うん、足が痺れてる! フローリングの上での正座、痛い! いつもより痺れるのが早いよー!?

いなり寿司 : ……そういや、サツキさんは罰で正座中だったな。

富岳 : もうあれから30分以上は経ってたか。


「あはは、気付けば時間って結構経ってますよねー! まぁサツキさんは自業自得なのでいいとして……どんどん駆け抜けていきましょう!」


 とりあえずは、縄張りを抜けるところから! その後はLv上げをしつつ、エリアボスへとリベンジなのですよ!

 ふっふっふ、デンキウナギに麻痺が効くのも分かったし、首を洗って待っていてください!

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