第601話 リベンジに向けて
ふふーん! 戻ってきたよ、私の雷への適応進化! これなら忌まわしきあのデンキウナギの攻撃も凌げるはずなのですよ!
「ちょっと予定は狂いましたけど、やる事は変わりませんね! それじゃ、敵を倒しながら川を下っていきましょう!」
目指すは、倒すべきエリアボスのいるデンキウナギ! その為にも、これをやっていくのです!
サツキ : サクラちゃん、出発!
水無月 : 出発!
ミツルギ : あー、結局縄張りは使うのか?
こんにゃく : サクラちゃん、そこはどうするんだ?
「使うつもりですね! 水中の敵を一方的に攻撃していきます!」
うふふ、今の私のライオンの堅牢なら恐れるものは何もなーい! という事で、発動していこー!
「それじゃいきますよー! 『縄張り』展開からの『畏怖の気迫』オフで!」
オンにしたままだと、格下の敵が逃げちゃうからね! ……縄張りが一気に展開されて、一瞬だけ敵が逃げたけど、オフにしたらすぐに止まった!
うん、デンキウナギがいる場所までは結構距離もあるし、縄張りの中に巻き込みはしなかったよ! Lv50になったら、デンキウナギを巻き込んで再展開かな?
ミツルギ : ……ある意味、ここからが本領発揮か。
富岳 : 耐久性をかなり得た、遠距離攻撃特化の育成だからな。しかも、最強格の雷への適応進化持ち。
ヤツメウナギ : ……近寄れば雷纏いでの麻痺もあるし、敵に回したくないパターンだな。
「あはは、確かにそれはそうですね! んー、一気に仕留めちゃいたいので、こうしましょうか! 『放電』!」
うふふ! 水に流れて威力が拡散しちゃうのは分かってるから、ここで思いっきり溜めていくのですよ! 最大威力で、一気に電気を流しちゃおー!
G : 溜めた放電を一気に放つ気か!?
いなり寿司 : あー、縄張りでのステータス強化があるし、エゲツない威力になるな。
神奈月 : この視界の悪さだと、攻撃された敵も反撃しにくかったりするしな。水の外からの攻撃だと尚更に……。
金金金 : あー、なるほど。何気にこの川の濁りは、そういう部分にも影響するんだな。
「ふっふっふ! 状況が私の味方をしていますね! どこからの攻撃か分からないまま、死に絶えて下さい!」
そして、私の経験値と進化ポイントに変わるといいのですよ! Lv50までしっかり育てて、万全な状態でデンキウナギを倒しに行きたいもんね!
「……それにしても、溜めると時間がかかりますねー」
バチバチッとどんどん電気は溜まって派手になっていってるけど……待たなきゃいけないのが欠点だよねー。うーん、やっぱり放電を使うなら連発の方がよかったかな?
ミナト : どうしても溜め攻撃には時間がかかっちゃうからね。良くも悪くもそこが特徴だし……私は待ってるよりも、別の手段で戦いたいなー。
金金金 : そういや、少し前にそういう話が出てたな? でも、オンライン版では上級者でも溜め攻撃は結構使ってねぇか?
ミナト : オンライン版は動きを強制的に止められないし、溜めながらでも攻撃は出来るからだね。威力自体に文句はないし!
チャガ : あっちは、発動コストが重くなる代わりにスキルの同時発動も可能になってるからな。オフライン版とは運用方法が変わってくるぞ。
ミツルギ : その辺の仕様、オフライン版の不満から改善してるんじゃないかって話だよな。
咲夜 : 上級者じゃなきゃ、溜めの間は大人しく待ってるのは変わらんがな!
真実とは何か : それが真実なのである!
「おー、オンライン版でも溜め攻撃があるんですね! 溜めてる間でも自由に動けるのは大きい気がします!」
まぁ今溜めてる放電なら普通に動けるけど……下手に何かを踏み付けて誤発動で台無しは嫌だから、大人しく待ってるけど!
あ、そっか、溜めてる間に動けるようになっても、それを生かし切れなきゃ大人しくしてる方が無難になるんだね。うん、まさしく今の私の状態だー!
サツキ : サクラちゃんは一網打尽に出来るかなー?
富岳 : 確実に全部を瞬殺……とはいかないだろうが、まぁ生命や堅牢が低い相手なら結構仕留められるはずだ。今の状態での放電の最大の溜めなら、拡散してもそれなりの威力になるしな。
咲夜 : 溜めれば溜めるほど、麻痺確率も上がるしな!
「……え? 麻痺の確率って上がるんです!?」
待って、待って、待って!? その情報、初めて聞いた気がするよ!?
ミツルギ : あっ、何気に出てなかった情報か。
G : 咲夜さん、何やってんの?
咲夜 : てっきりとっくに出てるもんだと思ってたんだよ!?
富岳 : ……まぁそういう事もあるか。サクラちゃん、詳細を聞いておくか?
ミナト : 放電を連発する事はよくあるけど、最大まで溜める事はほぼないもんねー。
「あ、詳細はお願いします! どのくらいまで麻痺になる確率が上がるんですかねー?」
知恵のステータスの高さで麻痺になりやすくなるのは分かってたけど、まさか溜め時間でも変化があるとは思ってなかった!
富岳 : 相手の知恵のステータスとの差にもよるんだが……まぁ今は弱点に知恵が出ているパターンで説明するぞ。この場合なら、よっぽど自分の知恵が低過ぎない限り、最大まで溜めた放電での麻痺確率はほぼ確定だ。
ミツルギ : 川で拡散した場合は……ここだと、まぁ体感で3割程度か?
ミナト : 知恵が高い個体には弾かれるけど、それ以外にはその程度だね。ただ、今のサクラちゃんは縄張りも展開してるから、その分だけ割り増しにはなるよ。
富岳 : 知恵が特に高い個体以外は、まぁ半分くらいは麻痺になるだろうな。生き残らなかった個体も含めてだが。
「凶悪ですね、それ!? 今の状態って、そこまで凄いんですか!?」
何気に溜めてる今の放電、そんなに強力なんだ!? 普通に放電を使っても広がりすぎて威力が出ないと思ったから溜め始めたけど……予想外にも程があるよ!?
ミツルギ : 『縄張り』も『放電』も、スキルの系統としては同じ『器用』だからな。相性自体はいいから、組み合わせて使ったら相乗効果で強力になるぞ。
真実とは何か : それが真実なのである!
「……あはは、まぁよく考えたらそうなりますよねー!」
それなら、もっと縄張りを強化するのもありなのかも? いくつか強化用のスキルのあったし、その辺の効果を一度確認しておいた方がいい気もしてきた!
「というか、最大まで溜めれば何体も一気に倒せそうなのってのが正直、ちょっと意外だったんですけど! 川の水で広がって、もっと威力が下がるかと思ってました!」
水の中から出てこれる敵ばっかじゃないから、出てきた敵を仕留めつつ、後で一網打尽に……とか考えてたんだけど!
ヤツメウナギ : あー、そうか。ずっと使ってると、変化って気付きにくいもんだしな。
いなり寿司 : まぁ単純な話で、進化階位が高ければ高いほど、基礎性能が上がってはいる。
ミナト : 同じスキルLvでも、未成体での雷への適応進化と成熟体での雷への適応進化は効果に差があるからね。増幅してる分だけ、強力にはなってるよ?
「そんな効果、あったんです!? あ、でも、増幅してるんですから、威力は上がってて当然ですか……?」
そういえば、そもそもの溜める最大時間も伸びてるような気もするね? 前ならもう既に最大まで溜め終わってた気がするんだけど……。
富岳 : まぁ敵も強くなってるし、効果が顕著に現れるのは盛大に溜めた場合だから実感しにくくても仕方ないけどな。
ミツルギ : 地上で戦ってると、水での拡散度合いの変化ってのも気付きにくい部分ではあるし……『縄張り』のと併用ともなれば尚更に。
金金金 : なるほど、確かに中々条件が揃わなさそうだし、実感しにくいか。今、その機会がやってきたって事になる訳だな。
サツキ : サクラちゃんがそれを実感するのは、これからだー!
「あはは、そうみたいですね! あ、最大まで溜まったみたいですし、盛大にぶっ放しましょうか!」
うふふ、思わぬところで強化になってたみたいだし、その成果を見ていこー!
「放電、いっけー!」
目に見えて今までよりも激しく放電しまくってるのを、思いっきり川の中へと放つのです! これで……。
「わっ!?」
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<サクラ【巧妙なライオン【雷】】が成熟体:Lv46に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを4獲得しました>
待って、待って、待って!? 川に電気が迸ったと思ったら、今ので何体倒せたの!? あ、他にもプカーっと水面に浮かんでる魚も結構いるよ!?
「……す、凄い威力ですね!?」
それでも生き残って、私の方へと近付いて来る反応があるね? これ、なんだろ? まだ水中にいるけど……ワニ辺りかな?
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