第598話 川を下って
火への適応進化が出来る場所が話題に出たけど、やっぱり火山かなー? んー、でもまぁそれはいいや!
「火山があるかどうかは、そのうち自分で確かめますねー! 今はマップの解放を優先です!」
がっつりと戦闘をするにはマップがあった方がいいし、戦闘よりもマップが大事!
という事で、川の水の中へ突入! うーん、増水してる分だけ、川の勢いが凄いねー。それに水が濁っちゃってるから、川の中の様子が全然分かんない!
ミツルギ : あ、エリアの話は深掘りはしないんだな。
ミナト : その辺は言い過ぎちゃうと、楽しみが減っちゃうとこでもあるしね!
咲夜 : とりあえず、セーフ?
G : いや、アウトじゃね?
神奈月 : サクラちゃんの温情対応なだけな気がする……。
富岳 : どういう場所か、もう完全に推測されちまってるしな。合ってるかどうか、言えんだけで……。
サツキ : さーて、サクラちゃん、ささっとマップの解放をしていこー!
水無月 : していこー!
「はーい! そのつもりなので、川の上を進んでいきましょう! 『水化』!」
ふふーん! これで川の水面に立つ事が出来るのです! それに、川の水が濁ってるのは決して悪い状態ではないよね!
「少し確認です! これ、水中から敵に見つかりにくい状態ではありますよね?」
うふふ、もしそうなら、濁ってる今なら水中から狙われにくいはず! つまり、今こそ川の水を進むには絶好のチャンス!
ミツルギ : まぁそれはそうなるな。基本的に交戦になるのは視認してからになるし。
ミナト : 視界が悪い状態だと狙われにくくはなるし、濁った水は戦闘回避に有効ではあるよー! ただ、絶対的なものではないから注意は必要だけどね!
咲夜 : 濁ってる時の方が活性化するのもいたよな?
G : ちょ!? それ、今言ったらダメなやつだろ!
イガイガ : 折角、サクラちゃんが油断していくとこなのに!?
咲夜 : あ、しまった!?
「ちょっと待ってください!? この濁った状況で、活性化する敵もいるんですか!?」
わわっ!? もう川の水の上まで移動しちゃったんだけど……これって、大丈夫なの!?
富岳 : まぁ単純に視界だけを頼りに動く敵ばかりじゃないって事だな。視覚だけじゃなくて、嗅覚や聴覚も使って索敵する敵もいるぞ。
ミナト : 川じゃないけど、分かりやすい例としてはサメが血の匂いに反応するとかそういう感じだね。川なら、まぁ水面に顔を出すワニとかもいるし?
「サメやワニ……って、この川、ワニはいましたよねー!?」
わわっ!? 前に行った、ここの上流のカラメル河川域で見た事あるもん! というか、泳いでたら襲われたよね!?
待って、待って、待って! 濁ってるから平気だと思ってたけど、全然平気じゃなさそうなんだけど!?
「っ!? 後ろに思いっきり『雄健なワニ』がいましたよ!?」
あ、でもLv45なら私と同じ……って、同じだったら襲ってくるから、全然安心出来る要素じゃなかったー!?
金金金 : 慌て始める狐っ娘アバター。なるほど、活性化するのは肉食系の種族か。
ミナト : うん、まぁざっくりと言っちゃえばそんな感じかな。
こんにゃく : そして、サクラちゃんを襲うべく、徐々に距離を詰めてくるワニ!
富岳 : さて、このまま戦うか、それとも距離を取るかの2択だが……どうする?
「これ、水中にまだ他の敵がいる可能性もありますよね!? うぅ!? 迎撃したいとこですけど、索敵が機能してない間は水中戦は避けたいですね!?」
だから、選ぶべきはここから離れる事だけど……折角、川の上まで来たのに、すぐに陸地へ引き返すのはなんか嫌ー!?
ぐぬぬ! 近付いてくるワニに向き直ったけど……完全に私を狙ってきてるね!? 何気に俊敏も高いみたいだし、これは厄介かも! 陸地に戻るとしても、それまでに攻撃されそう!
金金金 : 葛藤が見える狐っ娘アバター。さぁ、どうする!?
ヤツメウナギ : 戦闘を避けるなら、まぁ逃げの一択か。
ミツルギ : 問題はどう逃げるかだが……急がないと、ワニが迫ってきてるぞ!
水無月 : わー!? サクラちゃん、逃げるなら急いで!
「分かってますけど……うぅ! 危険ですけど、一旦陸地に戻るしか……って、この手がありました!? 『放水』『放水』『放水』!」
ふっふっふ! 湖の水面で使った、自分に放水をぶつけて滑っていくやつ! 一気に加速して、川の水面を滑っていくのさー!
水無月 : おー! それが使えたんだ!?
サツキ : サクラちゃん、ナイス回避!
こんにゃく : あー、滑って移動はいいんだが……後ろ向きで大丈夫か?
いなり寿司 : ワニから目を離せなかったのは分かるが、進行方向が見えてないのは危険な気がするぞ?
「それはそうですけど!? この状態から、どうやって向きを変えたらいいんですかねー!?」
うがー! 下流の方を見て進まないと、色々危険な状態だよね!? でも、もう結構な勢いが付いちゃってるし……。
「……あのー、通り過ぎた後に、盛大にワニが噛みつきを空振りまくってますけど……ちょっと、凶悪過ぎませんかねー!?」
待って、待って、待って!? 何体いるの、このワニ達!? 今、4体目が私の通った後で噛みついてきたよ!?
「わっ!? 突撃してきてるブラックバスもいます!? これ、下手に速度が落とせないですね!? 『放水』『放水』『放水』!」
後ろ向きで進んでるのは、前が見えなくて不安だけど! でも、これだけ攻撃されまくってたら、その様子が確認出来ない状況も不安だよ!?
ミツルギ : まぁ雨で濁ってるから、活動する種族に偏りが出やすくはあるしなー。今は見えてないけど、ナマズとかウナギとかも活発化してくるぞ。
富岳 : 水面を滑ってるので、サクラちゃん自身が居場所を教えまくっている状態でもある。まぁある意味、狙われて当然ではあるな。
真実とは何か : それこそ、真実なのだ!
「嫌な真実ですね!? 『放水』『放水』!」
うがー!? 濁った川の水面は安全だと思ったのに、全然安全じゃなかったー!?
むぅ……前が見えてないけど、川の水面なら障害物はないよね!? もう、このまま行けるとこまで行っちゃえー! かなりの速度は出てるし、それでも問題ない――
「……え? なんで、いきなり麻痺に!?」
待って、待って、待って!? 私が放電を使った時みたいに水に電気が流れたような感じがしたんだけど……。
「わわっ!?」
麻痺したせいで、バランスが保てなくなって水の中に入っちゃった!? 今、一体何が起きたの!?
水無月 : え、今の……何が起きたの? サクラちゃんが、麻痺した?
金金金 : 電気が流れていたようだが……あー、なるほど。そういう事か。
サツキ : 『巧妙なデンキウナギ』が出てきたね!
ミナト : あらら、これは嫌な相手が出てきちゃった?
「ちょっと待ってください!? このデンキウナギ、エリアボスじゃないですかねー!?」
待って、待って、待って! 濁ってる視界が悪い中で、細長くて大きな影が見えて、かろうじて看破が機能してるから分かるけど! このタイミングでエリアボスが出てくるの!?
ぐぬぬ! 何気にLv50では上限にはなってないから、成熟体の上限Lvがまだ上なのは分かったけど……身動き、取れないんですけど!?
「わわっ!? 巻き付かないで……って、雷纏いですか!? わー!?」
待って、待って、待って!? 麻痺が回復したと思ったら、首に巻き付かれた状態でバチバチって電気を放ち始めて、また麻痺になったんだけど!?
ミツルギ : ……あー、こりゃ厳しいな。
いなり寿司 : 全身でライオンの首を締め上げながら、『雷纏い』での麻痺を維持か。こりゃ確実に殺すコンボだな。
ミナト : んー、凶悪な組み合わせだね。可能な限り、相手にしたくない相手かも?
金金金 : ミナトさんが、そういう評価を下す個体か!?
咲夜 : デンキウナギって、麻痺にしてくるレア個体だしなー。
G : 水中では特に危険な個体なんだが……普通なら、周囲の敵に袋叩きにされる個体でもある。ただ、今回のはエリアボスなのが最悪だな。
富岳 : 周囲の敵ごと、殺しにきてる状態だからな。
「それ、最悪過ぎませんかねー!? あ、窒息!?」
待って、待って、待って!? 麻痺で動けない状態なのに、そこに追加で首を絞められて窒息とか生き残れ――
<サクラ【巧妙なライオン【水】】が死亡しました>
<死亡した為、リスポーンとなります。リスポーンの手段を選んでください>
……あっという間にHPが尽きて、死んじゃったよ!? 今のデンキウナギ、どう対処すれば生き残れたの!?
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