第587話 生命の回復中に


 ふぅ……なんとかトリカブトとスッポンは撃破出来た! でも、スッポンは噛みつき過ぎなんですよ!


「全快するまで、少し休憩ですねー」


 流石にHPが尽きかけてるし、ここは回復を最優先で! まだマップが解放出来てないんだし、周囲には気を付けないと!


「……あれ? なんだか回復、遅くないです?」


 んー? 回復速度って結構上がってたはずだけど……なんでだろ? 目に見えて、最近の回復速度より遅いもん!


ミツルギ : それはさっき『自己修復』を使ったからだな。その反動で、しばらくは回復速度が落ちてるぞ。

金金金 : あー、そういやそんな効果もあったな。


「あっ! 確かにそういう効果、ありました!? というか、思いっきり『自然回復速度の低下』って出てますね!? ……どれくらいの間、遅くなるんですかねー?」


 ぐぬぬ、完全にその効果を忘れてたー! でも、その遅くなってる間ってどのくらいなのかが分かんないよ!? それっぽい時間の表示はないし……見落としてはないよね!?


富岳 : 具体的に言うなら、『自己修復』の再使用時間が過ぎるまでだな。

ミナト : 再使用時間が、そのままそのデメリットの発生時間になってるからねー。

神奈月 : 何気に連動しているのに気付きにくい部分。

真実とは何か : それが真実なのである!


「あ、そうなんですか! なるほど、確かにそれは気付きにくい気がします!」


 そっか、そっか! 別に時間のカウントが出る訳じゃなくて、一緒な時間でセットになってるんだね!


「それなら、もうすぐ『自己修復』の再使用時間が過ぎますし、問題はない感じですかねー? 確か『再生増幅Ⅰ』でも、非戦闘時なら結構回復しますよね?」


 回復系のスキルは、色々増えてるもんね! ……正確な効果の把握が正直怪しいから、この際だから改めて確認していこー!


ミツルギ : まぁ戦闘にさえならなきゃ、普通に移動してても十分に回復するぞ。

咲夜 : 戦闘になったら意味ないけどな!

イガイガ : ……またフラグになりそうな事を。

咲夜 : あっ!? しまった!?

富岳 : まぁこの辺は既に、サクラちゃんと同格かそれ以上の敵が出現してくる位置だ。HPが減っている間は、変に移動しない方がいいだろう。

サツキ : アイテムで回復って手段もあるよー!


「アイテムはさっきの戦闘中に結構使っちゃいましたからねー。ちょっと節約でいきたいですし、今は大人しく全快を待ちましょう!」


 マップの解放を急ぎたいけど、今日の私の目標としては死なない事! だから、強引に進みはしないのですよ!


「あ、そういえば今の進化ポイントってどれくらいあるんですかねー? 回復を待ってる間に、ちょっと確認してみます!」


 結構、進化ポイントは溜まってるはずだもんね! うふふ、下手に動けないなら、その時間を有効活用していくのさー!


いなり寿司 : 結構な量、あるんじゃね?

G : 昨日の洞窟で、配信中でも実況外のプレイでも結構な数は倒してるしな。

サツキ : 新たなスキルの確保だー! サクラちゃん、候補は!?

水無月 : 『鋭利化』が欲しいとか言ってた気がするけど、その方向?


「『鋭利化』も候補の1つですね! まぁ今の段階で何が解放出来るかにもよりますけど……」


 その為にも、今の進化ポイントの数の確認だー! えーと、今は……。


「おぉ! 進化ポイント、131もありますね!」


 うふふ、思った以上に大量だー! でも、これだけあっても使う時はあっという間だから要注意!


ミツルギ : おー、思った以上にあるな。こりゃ色々、解放出来そうだ。

ミナト : 確かにねー!

水無月 : ……そういえば、次の進化は大丈夫なの?


「うーん、私もそこは気になってるんですけどねー。成熟体の上限Lvが分からないので、何とも言い難いです……」


 質問すれば教えてもらえるとは思うけど、そこは聞きたくなーい! というか、皆さんの反応的にLv50が上限って訳でもなさそう?

 うーん、でも皆さん、揃って気付いててもスルーしてくる事ってあるもんね。ぐぬぬ、反応を判断材料にするのが難しいよ!?


サツキ : サクラちゃん、大丈夫! 足りなくなれば、足りるように稼ぎに行けばいいだけだから!

富岳 : まぁネタバレ禁止な以上、言えるのはその程度だな。流石に上限Lvは言わない方がいいんだろ?


「あ、はい! そこは聞かないつもりなので、言わないようにお願いします! まぁサツキさんの言う通り、足りなければ稼ぎに行けばいいだけですね!」


 という事で、進化ポイントは遠慮なく使っていこー! その為にも、まずは候補を挙げていかないと!


「とりあえず、最優先で『鋭利化』は解放しておきましょうか!」


 これは『出血』を狙いやすくなるんだから、持っておいて損はなーい! うふふ、毒はどうしてもアイテムを消費するけど、『出血』はそうじゃないもんね!

 さーて、それじゃ屈強のスキルツリーを開いて、いざ解放だー!


<『屈強』第5段階:スキル『鋭利化』を解放しました>


 いぇーい! 進化ポイント10消費で、『鋭利化』をゲットなのですよ!


ミツルギ : 今回は迷う余地なく、すぐに確定したな。

G : いやいや、迷うのはここからだぞ?

イガイガ : そうそう。まだまだ進化ポイントは残っているから、選択肢を出して悩むのはこれからだ!

咲夜 : そして、その後はサイコロタイムへの突入!

ヤツメウナギ : まぁいつもの流れだな。


「あはは、まぁ確かにそうなる気はしますね! さーて、それじゃ候補を挙げていきましょう!」


 メンチカツの宣伝もあるから、サイコロタイム自体はどこかでやらないといけないしねー! それが新しいスキルを選ぶのでも、いつもの事だから問題なーし!


「えっと、屈強のスキルツリーを開いてますし、このまま見ていきましょうか!」


 生命に切り替えて順に見ていってもいいけど、既に開いてるんだからこのまま見ていけばいいや!


「んー、とりあえず『鋭利化』の先にある第6段階の『鋭爪撃』を見てみましょうか!」


 その更に先にある『鋭爪刃』も気になるけど、まずは順番に!



『鋭爪撃』:アクティブスキル

 少し力を溜めて爪で切り裂く。確率で『出血』効果を与える

 Lv上昇により、『出血』効果の確率の上昇。



「おぉ! スキル自体に『出血』効果があるのはいいですね!」


 うふふ、かなり有力な候補になる気がする! あ、でも溜め攻撃なんだよね……。うーん、強力だとは思うんだけど、そこがちょっと不安要素……。


金金金 : 笑みを浮かべた後、悩み顔になった狐っ娘アバター。何か不安要素でもあったか?

いなり寿司 : これで悩むとしたら、溜め攻撃な部分だろうな。

イガイガ : まぁ溜め攻撃は強力な分、どうしても隙は出来るからなー。


「そうなんですよねー! これ、使い勝手ってどんなものですかねー!?」


 近接攻撃での溜め攻撃って使った事がないもん! 地味にその辺は不安だよ!?


ミツルギ : 質問という事なら答えるけど……正直、自分で使ってみた方が早いぞ? まぁその上で言うなら、かなり強力ではある。

富岳 : 大前提として、それなりに生命か堅牢は必要になるぞ。溜めてる最中は、どうしても無防備になるからな。

神奈月 : その分、効果は強力だ!

チャガ : 近接の溜め攻撃の攻撃範囲は、ライオンが飛びかかれる範囲になったりするぞ。その場所からは動けないが、方向は変えられると思っていたらいい。

ミナト : 動き回れないから、不便なんだよねー。私はあんまり溜め攻撃は使わないし。

咲夜 : ミナトさんは、使わなくても強い人なだけだから!?


「あ、そういう感じなんですか! ふむふむ、堅牢を強化した今なら意外と大丈夫そうですね?」


 少し前なら全然ダメだった気もするけど、溜めてる間を凌げるなら問題なさそう! んー、まぁ他にも色々見てから考えよ! まだ今は候補の1つだね!

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