第585話 河川域の探索


 どうやら稲の敵がいるみたいだけど、まぁそれは遭遇した時に考えよー! 今は、マップの解放が最優先なのですよ!


「これ、土手の上を走っていくのが早いですかねー?」


 この周辺で一番高い場所だし、川沿いにずっと続いてるんだもんね! 本当なら河原で小石を拾いながら進みたかったけど、増水しちゃってて出来そうにないし……。

 完全に出来ない訳じゃないとは言ってたけど、それでも索敵がちゃんと機能するようになってからやりたいのですよ!


ミツルギ : まぁ進む場所としては、悪くはないぞ。

ミナト : 周囲より高い位置だから、見渡しやすいしねー。

神奈月 : 問題は上流に進むか、下流に進むか?

イガイガ : そこは下流一択じゃね?


「確かに上流へ行けば、カラメル河川域に戻るだけですもんねー! あ、そもそも次のエリアはどの方向に進みましょう?」


 ここの河川域まで進んでくるのは方向を決めてたけど、ここから先をどうするかは決めてないもんね! まだ進んでない方向は、下流になる東と、対岸になる北! うーん、悩む!


金金金 : 悩み顔の狐っ娘アバター。さて、これは例の時間か?

咲夜 : 今日のサイコロタイムに突入か!?

ミツルギ : いつものパターンなら、そうなるなー。


「あはは、まぁそれで決めるのはいいんですけど……先にマップを使えるようにはしたいですね? なので、マップの解放を済ませてからサイコロタイムにしましょう!」


 そのタイミングで、メンチカツの宣伝の2回目をやっていくのです! ……正直、まだ川から離れたくないしね! 対岸に進んで北だと、川から離れるパターンだもん!


金金金 : なるほど、そういうパターンか。

ミナト : それなら、土手の上を移動かな?


「はい、そのつもりです! とりあえず、今は下流を目指していきますねー!」


 対岸に渡るとしても、それで特に問題はないよね! という事で、出発……の前に色々と切れてるから再発動だー!


「『索敵』『見切り』『弱点分析』『看破』! そろそろ、ここでも戦っていきたいとこですね!」


 パッと見では大型な種族はあまりいないけど、結構草むらもあるからその辺は要注意かな? あと、水中にも色々いるだろうしね!

 ともかく、今はマップの解放を目指して移動開始! ふふーん、どんな敵が出てくるかなー?


水無月 : 河川域の敵は、基本的に水中の敵がメイン?

ミツルギ : まぁそっちがメインだが、陸にも小動物系や植物系が結構いるぞ。

富岳 : 多い訳じゃないが、大型動物系も出てくる事はあるな。


「やっぱりそうなりますよねー! あ、Lv43の『聡明なトリカブト』……これは相手にしたくないので、スルーしますね!」


 どう考えても、毒で危険な敵だー! うん、危険だから離れてしまおう! 何も遭遇した相手、全てと戦う必要はないもんね!


ヤツメウナギ : あー、まぁ確かに避けたい相手だな。

こんにゃく : 毒草系、それも知恵系統はマジでヤバいしな。戦わずに済むなら、その方がいい。

ミナト : 避けるのはありだけど……そのトリカブト、器用が高いよ? もう、攻撃範囲内かも?


「……え? わー!? 黄色い毒液が飛んできました!?」


 ぎゃー!? 黄色いのは麻痺毒だよね!? 見切りに反応が出たから、跳び退いて回避――


「わっ!? わわっ!?」


 うぅ!? 横に回避したら、土手の傾斜部分まで行っちゃった!? 着地が変な形になって、滑り落ちてる!?


「……ふぅ、なんとか転ばずに降りれました!」


 危なかったー! 危うく、ゴロゴロと転がり落ちて……あれ? なんだか、変に足元がグニグニとしてるような……?


サツキ : サクラちゃん、カメを踏みつけちゃってる!

こんにゃく : あ、スッポンか。

いなり寿司 : 滑り落ちた先にいたんだな。


「わー!? 『雄健なスッポン』ですか!? わわっ!?」


 噛み付かれそうになったから、慌てて回避! って、思ったより跳べないよ!?


「むぅ……足場が悪いですね!?」


 河川敷ではない側に降りちゃったから、地面が柔らかくて踏ん張りにくい! 水への適応進化のおかげで足が沈む事はないにしても、これはやりにくいね!?


G : 足場の悪い側へと回避してしまったか。

サツキ : サクラちゃん、急いで土手まで戻ってー!

いなり寿司 : 戻れとは言うけども、そこに待ち構えているのはトリカブトだがな。


「わっ!? わわっ!? 毒が飛んできまくってるんですけどー!?」


 ぎゃー!? この足場の悪さで、次々の毒を飛ばしてくるのは止めてー!? スッポンも足元から噛みついてこないでー!?


神奈月 : おー、トリカブトの毒がエゲツない程に飛んでくるな。

イガイガ : スッポンの攻撃も容赦がない。


「わー!? これ、回避が間に合わ……あ、これです! 『放水』! あ、やりました!」


 危なかった! 今の紫色の毒は回避し切れなかったけど、放水で叩き落とせたよ!


「これなら、土手の上まで突っ切れそうです! 『放水』『放水』『放水』!」


 ふっふっふ! 毒を避けるんじゃなくて、水で叩き落とすのですよ! これなら、なんとかいけそう!


ヤツメウナギ : おっ! 相殺しながら突っ込むか!

富岳 : 『放電』ではすり抜けるから出来ない方法だが、ちゃんと当てられるなら『放水』ではそれが可能だな。

サツキ : サクラちゃん、いっけー!

水無月 : いっけー!


「はい! ……尻尾に噛みついてるスッポンは、この際、無視です! 『放水』『放水』『放水』!」


 今の状態で、同時に相手にするのは無理! 今はスッポンからのダメージは無視して、トリカブトの撃破を最優先! 正直、戦いたくなかったけど、逃げてる背後から毒を撃たれたら堪んないもん!


「やった! 土手まで上がりました! 次は落ちないように、回避です! それでこれです! 『獅哮衝波』!」


 ふふーん、足場がしっかりしてたらこれくらいは回避出来るのですよ! でも、あんまり近付き過ぎたら回避しにくくなるから、距離を保った上で攻撃なのさー!


ミツルギ : 遠距離同士で攻撃か。まぁ迂闊に近付き過ぎると、毒草は危険だからな。

咲夜 : ほぼ全ての攻撃に毒があるしなー。毒が凶悪なモンエボでは、近寄らないのが正解。

ミナト : 生命と堅牢が弱点だから、耐久性は大した事ないよ! 慌てずしっかり回避して、着実に当てれば大丈夫だからね!

こんにゃく : 尻尾にスッポンが噛みついてる光景は異様だけどなー。


「そこは気にしてる場合じゃないんです! どんどんHPが減ってるのは危ないとは思いますけども!? というか、守護増強で多少はダメージが減るのを期待してたんですけど!?」


 全然ダメージの減り方が変わってないよ!? それでも堅牢を上げる前よりは遥かにいい状態ではあるとは思うけど、なんで!?


ミツルギ : あー、『守護増強』の効果は『移動制限がかかってる状態』に追加軽減だから、動ける段階の『獅哮衝波』は対象外だぞ?

富岳 : 割り増し分の軽減が反映されるのは、2段階目に入ってからだな。


「そうなんです!? わっ! わわっ!?」


 うがー! てっきり溜め攻撃なら全てに反映されるのかと思ってたけど、そういう微妙な違いがあったの!?


「わっ!? なんか今、一気にHPが減ったんですけど!?」


 待って、待って、待って!? 毒は回避したはずなんだけど、何が起きたの、今!?


G : あー、スッポンが別のスキルを発動したか?

ミナト : 多分、そうだろねー。最初は『噛みつき』で、今のは『強噛み』かな? 『強牙』相当のやつね!

富岳 : 噛みついた時のスキルの効果が切れて、通常攻撃で噛みついたまま、更に別のスキルで噛みついたんだろうよ。多分、もう一撃くらいすぐにくるぞ。


「噛みついたまま、そんなのありなんですかねー!? 早く、トリカブトを倒さないと尻尾を噛まれ続けて死にそうなんですけど!?」


 わっ!? わわっ!? うがー! それにしても屈強系統のスッポンの攻撃、痛過ぎるよ!? もうHP、半分を切っちゃってるんだけど!?

 うぅ……尻尾に噛みつかれてるのをどうにかしたいけど、それよりも先に飛んでくる毒をどうにかしないと!? 1発でも毒を受けたら、回避で動けば自滅だもん!


「早く、1段階目の溜めが終わってくれませんかねー!?」


 そうすれば、最大まで凝縮してトリカブトをぶっ倒すのですよ! あと少しだし、回避を頑張らないと!

  

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