第584話 川のすぐ側へ
川へ向かって進んでるのはいいんだけど、足場が悪いのが地味に気になる! これ、どういう事なの!?
「あちこちに水溜まりがありますけど、雨でも降ったんですかねー?」
地形の話とは言ってたけど、なんだかそれだけとも思えない気がしてきた! 何気に曇り空だし、雨が通り過ぎた後な気がする!
ミナト : んー、確かにそうかも? 東の方に雨雲が見えるし、普段ならどこも足場が悪いまではいかないはずだからね。
ミツルギ : 水捌けが悪い場所だし、雨が降ったら水溜まりも出来やすいからなー。
イガイガ : ある意味、通常以上に水への適応進化をしててよかってタイミングかもしれない。
真実とは何か : それが真実なのである!
「あ、確かにそれはあるかもしれないですね! 足場が悪くても、滑って転びそうではないですし!」
うふふ、水由来の滑りやすさには影響されない状態っていいものだね! 川の中へ進めたらいいなーって思ってそのまま維持してたけど、意外な形で役に立った感じ!
富岳 : 雨雲というより、雷雲みたいだな。こりゃ、場合によっては川も増水してるか?
こんにゃく : あー、あり得そう。
「え、増水してる時とかあるんです!?」
まさかの増水の可能性!? あ、でも雨が降った後なら川が増水するのは当然な気もするよ!?
ミナト : どの程度の量が降ったかによるねー。もの凄く増水してる時もあれば、少し増えてる程度の時もあるから。でも、水中が濁ってる確率はかなり高いかな?
神奈月 : 濁った水、戦いにくいんだよなー。敵から襲われにくくはなるけど、こっちも敵を見つけにくいし……。
咲夜 : こういう時に役立つのが『索敵』だけど……マップがまだ未解放か。
「……あはは、とりあえず最優先でマップの解放ですかねー? あと、土手に上がって川の水量も確認ですね!」
増水して川の流れが早くなってたら戦いにくそうだし、その辺の確認は大事! どっちにしても、今は移動が最優先だね!
ヤツメウナギ : まぁ最優先はそうなるか。
サツキ : どんどん進んじゃえー!
水無月 : 進んじゃえー!
「はい! そうします!」
ふふーん! まぁどんどん進んで近付いていってるし、もうちょっと進めば辿り着くもんね! 水溜まりや、変わった形の湖も、迂回せずにそのまま通ってしまうのですよ!
「三日月型の湖は、これで水面を駆けていきましょう! 『水化』!」
そんなに広くない湖だけど、水面をスーッと滑って移動! うふふ、水への適応進化は大活躍だー!
ヤツメウナギ : なんだかんだで大活躍だな、水への適応進化。
富岳 : まぁ水場だとかなり便利だからな。とはいえ、現状で雷雲が近くにあるのは……少し不安要素ではあるか。
「あれ? なんか不安な要素ってあるんです?」
雷雲は私にとっては最強の武器になるよねー? 私のライオンって落雷は効かないんだし!
金金金 : 不思議そうな狐っ娘アバター。あぁ、確かにこれは不安要素だな。
ミツルギ : この反応は……確かに不安要素か。
水無月 : 不安要素って……今のサクラちゃんだと、落雷で死ぬから?
「……え? あ、そういえば今は水への適応進化になってますから、落雷で死にますね!?」
ぎゃー! 雷への適応進化をしてない状態なんだから、前みたいに落雷を引き起こして周囲の敵を殺すなんて出来ないよ!? むしろ、普通に私が死ぬよ!? なんで、そこを見落としてたの!?
金金金 : 慌てる狐っ娘アバター。どうやら完全に落雷で死ぬ可能性を除外していたらしい。
真実とは何か : それが真実である!
G : くっ、なぜ気付かせた!?
神奈月 : サクラちゃんって妙に何かを見落とす事、多いよなー。
「……あはは、まぁ今気付いたからいいとしましょう! どっちにしても、雨がこっちに来ない限り大丈夫でしょうし、通り過ぎた後みたいなので心配はいらないはずですよ!」
こっちに向かってきてるなら心配は必要だけど、通り過ぎた後なら危険性はないよね! 今日は死なないつもりなんだから、変なとこで死ぬリスクは避けないと!
「そうしてる間に湖を渡り終えましたね! 水化解除で、土手を駆け上がっていきましょう!」
もう目の前まで来てるから、後は駆け上がるのみ! それほど高い場所じゃないし、すぐに上って……。
「おぉ! 川が見えました! 河川敷も見えますし、思ったよりは増水してないですね!」
元々は河川敷の一部らしき場所が水に呑まれちゃってる感じはするけど、それでもかなり河川敷が広がって……って、ちょっと待って!?
「あのー、小石が採集出来そうな河原が見当たらないんですけど……もしかして、増水した川に呑み込まれてます?」
待って、待って、待って!? 私の目的の1つが、そんな形で潰されるの!?
ミナト : んー、まぁ増水したら真っ先に水の中になっちゃう部分だしね。
こんにゃく : 思ったほどの増水ではないし、この程度なら川に入って採集が出来る範囲じゃね?
チャガ : 出来なくはないが、流されやすくはあるぞ? あぁ、でも水への適応進化をしている最中なら大丈夫か。
ミツルギ : どちらかというか、敵からの攻撃が心配だな。この程度の増水なら、普通に攻撃を仕掛けてくるぞ。
「……それは嫌ですねー。そうなると、先にマップの解放が必須ですかねー?」
看破じゃ見通せない水中の敵がいるんだろうし、索敵でマップに表示させるしかないよね! んー、でも結構な川幅があるし……そもそも、かなり蛇行してる?
「これ、マップ的にはどういう形状なんです? 川で細長いマップですかねー? それとも、蛇行してるみたいですし、それなりに横幅もあります?」
うーん、マップの全体像が分かんない! 他のエリアとの繋がりと、実際のエリアの広さって微妙に食い違いがあったりするもん!
ミツルギ : さて、蛇行している川も見えたし、エリア特徴の説明といきますか。
ミナト : それもそだねー。今、サクラちゃんがいる場所は『自然堤防』って呼ばれる地形ね! 土手とも言うけど、氾濫した川が運ぶ土砂が積もり積もって出来た場所になるよ。
富岳 : それで、三日月型の湖は『三日月湖』と呼ばれる、川が氾濫した時の名残だな。まぁ元『川の一部』な場所だ。
「あ、どっちもなんか聞き覚えはあります!? 川が氾濫した時の影響なんですか!」
こういう地形って、リアルの川でもあるよね! そこそこ川幅のある川で、河川敷のあるとこにある土手ってこんな感じ! 『自然堤防』も『三日月湖』も、多分授業で聞いたやつ!
ミツルギ : それと水溜まりが多かった妙に地面が緩い場所は、『後背湿地』って言うんだよ。川の水が溢れた時に水が一気に流れ出る場所だから、水捌けが悪い場所だ。
チャガ : 今回はそれに雨が重なって、余計に悪い足場になってた感じだな。
G : 今のリアルでは川の治水工事やら埋め立てやらで無くなってるが、昔は水田が多く作られたって場所だな。
水無月 : 蛇行してる川の部分で多くある地形なんだよね!
「あ、『後背湿地』もなんか聞き覚えがありますね! なるほど、地理の勉強になるってそういう感じなんですか!」
いざ聞いてみれば、どれも聞き覚えがある話だー! うん、確実に授業で習ってるやつ! そっか、そっか。そういう地形って事なんだ!
「あのー、水田地帯って事は……もしかして、稲の敵とかいたりします? あ、これは質問で!」
ちょっと思い付いた可能性だけど、ありそうな予感がしてきた! だって、ヒマワリ畑があったくらいだもん!
咲夜 : 質問という事なら答えようとも! ずばり、その稲の敵はいるぞ!
金金金 : おっ、いるのか!
ミツルギ : まぁ敵限定の種族で、プレイは出来ない種族なんだがな。器用系統なら、米粒を飛ばしてくるのが特徴的な敵だぞ。
「お米を飛ばしてくるんですか!? ……なんか、それを集めて炊いてみたくはありますね!」
火なら、火への適応進化を使えばいけないかなー? あ、でも増幅が出来ないままだよ!?
金金金 : そういや、オンライン版では少し前に米が見つかったんだっけか?
神奈月 : 探し回ってたのが、ようやく発見って話だったよなー!
富岳 : 竹で炊飯してる奴が出てきていたっけか。まぁオフライン版じゃ器がないから、炊飯は無理だがな。
ミナト : お米はビックリするほど見つかってなかったけど、昨日の大型アップデートで追加されたっぽいんだよねー。いくら探しても見つからない訳だよ!
「あ、お米を炊くのはこっちじゃ無理なんですか……。ちょっと残念です……」
出来るなら少しやってみたかったけど、出来ないものは仕方ない! でも、稲の敵はちょっと見てみたいかも!
まぁその前に、マップの解放が最優先だよねー。んー、ここまで進んできた間に見つけた敵は私よりLvが下だったからスルーしてきたけど、そろそろ戦闘もしていかなきゃ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます