第576話 配信前の雑談


 今日は髪型は変えずにストレートに下ろしてるけど、桜の花びらモチーフの髪飾りを着けているのです! まぁかんざしの飾り部分の流用だけど!

 今回は目に見えて分かりやすいだろうし、どんな反応があるかなー?


ミツルギ : おーっす! おっ、今日は髪飾りをしてるのか。

ミナト : サクラちゃん、こんばんはー! あ、昨日のかんざしを改造したような感じだね。

サツキ : あー!? サクラちゃん、自分で髪飾りを作っちゃってる!?


「ふっふっふ! ちょっと手抜きではありますけど、どうですかねー! 昨日のかんざしと違って、正面からでもバッチリですよ!」


 姉さんの食いつき方は少し違うけど、そこはスルーで! 昨日、姉さんが送ってきた髪飾りの宣伝の件は、まだ考え中だもん! その辺、本当にしっかりと考えなきゃ……。


金金金 : くっ! うなじが……うなじがー!

水無月 : サクラちゃん、こんばんはー! あ、その髪飾り、いいね!

神奈月 : おーっす! ……なんで金金金さん、いきなり悔しそうなんだ?

いなり寿司 : うなじフェチは放っとけ。気にするだけ無駄だしな。

神奈月 : ……まぁそれもそうか。


「……あはは、流石に金金金さんの反応は想定してなかったですね」


 私としては、昨日のかんざしは配信としては失敗だったって思ってたんだどなー。折角、ああやって長い髪を纏めても、配信の中ではほぼ無意味だったもん!


金金金 : くっ! ならば、せめて他の髪型ってのはどうだ!? ほら、またポニーテールならすぐに出来るよな!? 実況外のプレイでやってた時もあるし!

ミツルギ : なんか必死だな!?


「ポニーテールですかー。まぁすぐにしようと思えば出来ますけど……今日はいつも通りの髪型の気分なので却下です!」


 折角、髪飾りを用意したんだから、他の場所は弄らないのですよ! 今日は桜の髪飾りを魅せていくのさー!


金金金 : ぐっ!? こういう時のサクラちゃんは手強いな!?

サツキ : そうなんだよね! 色々と弄らせてほしいのに、こういう時はよく拒まれるもん! 昔は色々と弄らせてくれたのに!

いなり寿司 : ……それってむしろ、サツキさんが過去にやり過ぎたから、拒むようになってるんじゃ?

サツキ : え、そうなの!?

金金金 : なんだと!?


「……あはは、まぁそれは……否定出来ないですね」


 何かと姉さんが着せ替えてきたり、髪型を弄ってきた事があるから、ウンザリしたってのは間違いなくあるもんね! そのおかげというか、そのせいで着物は自分で着れるようにもなってるし!


ミナト : というか、昨日そう言ってたような? サクラちゃん、自分で着物の着付けが出来るって言ってたしね。

富岳 : こんばんは。あー、サツキさんが何かやらかしてる話か?

ミツルギ : むしろ、過去にやらかしてた事が大々的に出てきてるって話?

富岳 : ……なるほど。

サツキ : がーん!?


「あはは、まぁそういう事になるんですかねー?」


 今思ったけど、『サクラ』の着せ替えへの抵抗がある理由って実はそこだったりするのかな? うーん、ないとは言えない可能性! 実際、ウンザリして、自分でかんざしの使い方や着物や浴衣の着付けを覚えちゃったくらいだし……。


「まぁその話は置いておくとして、今日は宣伝ありの日です!」


 ふふーん! まだホームページを見れるようにする巻物や試食データは出してないけど、準備は万端なのですよ!


ミツルギ : そういや今日は宣伝ありってなってたな。

サツキ : 今日はどれかなー!?

いなり寿司 : さて、今回は何が出てくる?

金金金 : というか、今の時間で宣伝してもいいのか?

ミナト : サクラちゃん、宣伝は18時を過ぎてからの方がいいと思うよ? 一応、配信そのものの開始は18時なんだしね。

神奈月 : まぁ今は待機時間だしなー。


「あっ!? 確かにそれもそうですね!?」


 そっか。もう普通に話してるから配信が始まってる感覚でいたけど、よく考えたら正式な配信の時間は18時からだもんね! ……うん、これは言われた通りな気がする!


「それでは、宣伝は18時になってからやりますねー! それまではのんびり雑談といきましょう!」


 という事で、宣伝は少し後回し! 雑談の話題、何がいいかなー?


富岳 : そういえば、サクラちゃんは17歳だったな? 今日から夏休みに突入か?

ミツルギ : あー、そうか。普通に高校に通ってたら、そういう時期だな。


「あ、そうなりますね! 待望の夏休みに突入です! 夏休みの課題が面倒ですけど……!」


 そういえば年齢は言っちゃってるんだし、そこから高校生って事は分かるよねー! ふふーん、私はちゃんと高校に通っているから、堂々と言えばいいのですよ!

 後ろめたい事は何もなーい! でも、課題はいらないと思うんだよねー。あれさえなければ、完璧なのに!


いなり寿司 : 学生の夏休みか。あー、ああいう長期休みが欲しいもんだ。

神奈月 : それは分かる! 学生だからこその、あの特権!

ミツルギ : だよなー。あ、そうなると、そろそろ庭が本格的に作れるのか?


「あ、はい! 大体のデザインは出来ているので、あとは実際に作っていくだけですね!」


 でも、元々予定にはなかった文化祭の件が増えちゃったから、そっちの作業時間が少し減っちゃうかも?

 んー、まぁなんとか頑張って作っていこー! 流石に毎日、文化祭の手伝いに行くって訳じゃないだろうしね!


金金金 : 遂に、庭の作成に着手か! さて、どんなのが出来上がるのやら?

水無月 : 出来上がり、楽しみにしてるねー! でも、あんまり無茶しないようにね!

こんにゃく : こんばんはー! 熱中し過ぎて、フルダイブの制限時間オーバーで配信がなくなるとかは無しで頼む!

ミツルギ : あ、その危険性があるのか!?


「……あはは、そこは気を付けます」


 うん、冗談抜きでそこは気をつけないと! 長期の休みでガッツリ使うと、フルダイブの制限時間に引っかかっちゃうもんね! 1度引っかかったら、1週間は1日6時間までに制限されちゃうもん! 何度か経験あるし……。

 えーと、3日連続で1日12時間以上にはならないように要注意! ぶっ続けで10時間の制限の方は……普通にご飯を食べるから、大丈夫なはず!


ミナト : フルダイブの制限、連休とかだと油断してると引っかかる時もあるからねー。

ミツルギ : 新作のゲームを連休でやり込もうとして……まぁやり過ぎて引っかかるんだよな。GWとか正月とかでやりがち……。

富岳 : 確かにな。俺もやらかしてたことはある。

咲夜 : おーっす! ん? フルダイブ制限のやらかし経験談?

水無月 : そんな感じ! サクラちゃん、気をつけていこー!

サツキ : あ、そっか。家庭用って、そういう制限があったっけ。

いなり寿司 : ……サツキさん、業務用のVR機器持ちか。

サツキ : えっ!? あ、うん! 仕事の関係でね!


「そういえば、業務用のだとフルダイブの時間制限って相当緩和されるんでしたよねー」


 姉さんは本当に仕事で使ってるから、その辺って気にしなくていいんだねー。でも、それってここで触れちゃっていい話題なのかな? 駄目だったとしても、既に遅い気がするけど!


富岳 : 業務用のVR機器は個人所有の憧れがあるものではあるが……まぁリアルで何をやってるかの詮索はなしか。

ミナト : 業務用と医療用を兼用してる人もいるからね。まぁサツキさんはそうではない気がするけど?

サツキ : あはは、その辺は気にしない、気にしない! ほら、サクラちゃん! もう18時になるよー!


「あ、確かにもう時間ですね! それじゃ今日の配信を始めていきましょう!」


 確か医療用と業務用のVR機器って、基本的には同じものって聞いた気がするけど……姉さんは普通に業務用だよね! まぁ深掘りするとややこしい事になりそうだし、時間にもなったんだから今日の配信を開始なのですよ!

 うふふ、まずはお肉屋さんのメンチカツの宣伝から! 美味しいかなー? 美味しければいいなー!

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