第564話 そろそろ時間切れ


 ふふーん! 今の一撃で、一気にLvが上がったねー!


「一網打尽の撃破は気持ちいいですね!」


 ドサっと大量の進化ポイントも手に入ってるし、やったー! 一時はどうなる事かと思ったけど、いい結果になったのですよ!


金金金 : 満面の笑みの狐っ娘アバター。まぁ今のは気持ちいい撃破だよなー。

こんにゃく : カウンターを使ってきた敵がいなかったのもよかったな。

ヤツメウナギ : まぁカウンターがあっても、堅牢のステータスが高くなってるし、大量にこない限りは大丈夫だったろ。

ミナト : 縄張りでのステータス上昇もあるから、ここまで一方的な環境なら……あ、でも全部を仕留められた訳ではないね。


「……え? あ、確かに生き残りが――わっ!? わわっ!?」


 下を覗き込んだら、目の前が思いっきり赤く染まったよ!? 咄嗟に後ろに跳び退いたけど……すぐに壁にぶつかっちゃった!? って、わー!? なんか凄い音がして、崖に……魚がぶつかってる?


「……えーと、溜め攻撃が残ってました? Lv40の『雄健なナマズ』が……あ、ここ、クリスタルがあったんですね! 思いっきりナマズが砕いてますけど!」


 全然意識してなかったけど、私のいるちょっと上の方に宝石があるっていうクリスタルがあったー! ナマズがそこに突っ込んで、砕いちゃったみたいだけど……。


「えーと、このナマズ、頭が壁に突き刺さってますけど……どうしましょう? まだ生きてはいますけど……瀕死ですね?」


 なんというか、壁にあるクリスタルへ頭が刺さってるとか間抜けな光景だー!?


ミツルギ : 堅牢系統で、生命も弱点になってないから耐久性は高いナマズだな。まぁ仕留めてしまえばいいと思うぞ。

サツキ : そこまで弱らせたのはサクラちゃんだし、思いっきりやっちゃえ!

水無月 : やっちゃえー!


「それもそうですね! えーと……攻撃、届きますかねー? 『強爪撃』!」


 解放したものの、まだ使えてなかったこれを使うチャンスなのです! 少し上の方だけど、ジャンプすればなんとか届く範囲!


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


 ふっふっふ! 間抜けなナマズは、一撃で撃破完了なのです……って、あー!?


「わっ!? わわっ!? そういえば、ここの足場って狭いんでした!?」


 ぎゃー!? ジャンプした先、着地出来るだけのスペースがないよ!? 待って、待って、待って!?


イガイガ : 完全に前方不注意……。

咲夜 : 何かやる気はしてたけど、言わなくてセーフ!

G : おー、流石はサクラちゃんだな。


「『放水』! あ、踏ん張れな……ぐふっ!? わわっ!?」


 あ、放水を足場にするには『水化』がいるんだった!? うぅ……足場に届かなくて、崖を転がり落ちちゃってるよ!? わわっ! もう水がすぐ目の前――


「……思いっきり落ちました」


 うがー! 盛大に水飛沫を上げて、また湖の中に落下したー!?


金金金 : 洞窟内の湖に落ちるライオン、再び!

サツキ : サクラちゃん、大丈夫!?


「あ、はい! 特に朦朧とかにもなってないので、大丈夫そうです!」


 落ちる時に岩壁に何度かぶつかってダメージは受けてるけど、それは大丈夫な範囲! まぁそれでもHPの半分くらいまでは弱ってるから、なんだかんだで飛んできてた水でダメージは受けてたんだねー。

 それでも前ならもっとダメージを受けてただろうし、堅牢のステータスが上がった恩恵は大きいのさー! あと、『守護増強』も!


ミナト : 周囲の足場はしっかり確認しようね?

富岳 : 咄嗟に『放水』を足場にしようとしたのは悪くはないんだが……『水化』が使えない状況では意味がないぞ。


「……そこは反省ですね」


 反論の余地がないくらい、今のは完全に私の不注意だったー! ぐぬぬ、放水を使った足場自体は良さそうだけど、一緒に『水化』を使わなきゃ効果が出ないのは欠点だー! うん、便利なのか、不便なのか、よく分かんない!


「えーと、『水化』は……再使用時間はまだ過ぎてないですか。んー、どうやって上まで戻りましょう?」


 そろそろ配信時間も〆なきゃいけない時間も近付いてきてるし、のんびりもしていられないよねー? でも、湖の中で〆るのも微妙な気がする!


金金金 : それなら、普通にミナトさんが見つけてた陸に上がる場所に向かえばいいんじゃね?

ミナト : 対岸にはなるけど、ここではもうサクラちゃんより強い敵はいないんだし、移動自体は楽だしね。


「あ、それもそうですね! それじゃ、対岸まで走っていきましょう! 『疾走』!」


 ふふーん! 今は水への適応進化になってるし、水中での移動は普通と同じ感覚で出来るのですよ! いぇーい! 水の中を突っ走れー!


金金金 : 水中を駆けるライオンと、逃げ惑う敵達! ……まだ結構な敵がいるんだな?

ミツルギ : まぁさっき殲滅したのは、縄張りで寄ってきてた格上の敵だけだしな。

神奈月 : 『放電』で無差別に範囲が広がってた訳じゃないから、まぁ生きてて当然ではある!

サツキ : サクラちゃんのお通りだー! 雑魚どもは下がれー!

水無月 : お通りだー!


「ふっふっふ! その通りですね! 私に道を開けなさーい!」


 うふふ、こうしてただ逃げ回るしか出来ない敵を追い回すのもちょっと楽しい! しかも湖の中だから、逃げ切れずにいるもんね!


「これ、実況外のプレイで全滅させちゃいましょうかねー? 進化ポイント、更に大量に手に入る気がします!」


 まだここでは宝石も探せてないし、今日の実況外のプレイはそれにしよっかなー? 〆た後に洞窟を脱出するだけじゃ勿体ない気がする!


イガイガ : おっ、それもいいんじゃね?

いなり寿司 : 状況としては中途半端ではあるし、ありだと思うぞ。

富岳 : クリスタルから宝石の入手もまだしてないし、脱出にはまだ早いだろうな。

咲夜 : この流れ、今日は桜の木の育成はないパターンか!?


「あー、桜の木も育てたくはあるんですけどね……。とりあえず洞窟で引き続きやってみて、それで時間が残ればですかねー?」


 桜の木もやりたいけど、元々はライオンで実況中ではやり切れなかった事をやるつもりだったし! うん、別に変な脱線をしてる訳じゃないのです!


サツキ : それはサクラちゃんが自由に決める事だしね! 思った通りにやっていこー!

真実とは何か : その結果、どういう真実が待っているかは……今は誰も知らない。

咲夜 : 果たして、今日の実況外のプレイはどうなる!? というか、そろそろ配信の時間も終わりが近いのか。

G : だから実況外のプレイでの話が出てるんだろうが……さて、どうなるのやら?


「あはは、それはやってみないと分からない事ですしねー! あ、陸地に上がれる場所まで辿り着きました!」


 ふふーん! 徐々に浅くなっていく水の中から陸地まで駆け上がって、ズサっと止まるのです!


サツキ : サクラちゃん、陸に到着!

水無月 : 到着! わー、こうして改めて見上げてみると……高いね?


「そうですよねー。私、どのくらいの高さから落ちたんでしょうかねー?」


 見上げてみても、上の方が暗くてどのくらいの高さがあるのか分かりにくいよ!? ……相当な高さみたいだし、落下して死亡にならなくてよかった! って、あれ?


「あのー、ちょっと質問です! ここくらいの洞窟内だと、ランダムリスポーンになっても結構簡単に同じ場所に戻れますよね? 落下しまくって死んでの、適応進化とか狙えます?」


 ちょっと思いついた方法! 実際にやるかどうかは別として、出来るかどうかが気になった!


ミツルギ : その手段は普通にありだぞ。まぁ、今みたいに下に出た場合は戻るのが大変だけどな。

サツキ : この場合の適応進化って、何になるんだっけ?

富岳 : 堅牢系統の強化の適応進化だな。まぁそれで適応しても、この高さでは普通は大体死ぬんだが……特殊なスキルが手に入りはする。これ以上はネタバレ過ぎるから、避けとくぞ。


「どういうスキルなのかは気になりますけど、まぁネタバレならこれ以上聞くのはやめておきますねー! さてと、それじゃ今日の配信の〆をしていきましょうか」


 今から〆れば、慌ただしくはならないくらいの時間! ステータスやスキルの表示をやっちゃった後に、軽く雑談して終わりくらいだね!

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