第560話 鍾乳洞を抜けながら


 うがー! 再誕の道標に変わったサファイアを見つけてから、次の1個が全然見つからないー!?


「あぁ!? もう1周、回り終わっちゃいました!?」


 ぐぬぬ、移動しながら色んな方向を見て探すのって、やっぱり難しいよ!?


ミツルギ : サファイア以降、全然見つからなかったな。

サツキ : まだ大丈夫! ここから鍾乳洞の真ん中を突っ切って、奥へ進む時に見つかる可能性はあるよ!

富岳 : その可能性は残ってはいるが……それを無事にサクラちゃんが見つけられるかどうかが問題だしな。

G : ぶっちゃけ、ここまでで何個かスルーしてたしな!


「え、そうなんです!? なんで教えて……って、今は教えてもらわない状態で探してたんでした……」


 うぅ……やっぱり私だけじゃ、どうしても見落としが出ちゃうんだー!? あったのが分かったら、なんだか惜しくなってきたよ!?


ミナト : あった位置は覚えてるから、案内も出来るけど?


「……いえ、今回はこれでいいです! あんまり寄り道をし過ぎると、鍾乳洞の奥へ行く時間が無くなりそうですし! あ、実況外のプレイで探すのもありですかねー?」


 もう平原に戻って進めるだけの時間は残ってなさそうだし、洞窟から出ずに探すのもありなのかも? 少なくとも、まだ何個か宝石があるのが確定なら、やる価値はありそうだよね!


ミツルギ : あー、まぁ確かにそれもありか? 洞窟から出なければ、どれだけ時間が経っても再構成はされないしな。

いなり寿司 : この洞窟ならLv40までの敵は出るし……それもありかもな。

神奈月 : 平原を抜けるのは、別にその後でも問題はないか。

サツキ : ここで、宝石系アイテムを大量入手だー!

水無月 : 大量入手だー!

チャガ : 今日の実況外のプレイの内容は、それで決定か?


「あはは、それじゃそうしましょうかねー? あ、ここから鍾乳洞を抜けるまでの間に宝石があれば、教えてもらってもいいですか? そこで手に入った数によってどうするか考えます!」


 自力じゃ限度があるのはよーく分かったし、最低限の必要数はなんとか確保出来たもんね! ここからは、教えてもらうのを解禁でいこー!


ミナト : あ、教えるのは解禁でいいんだね? それならサクラちゃんが自力で探すのは、ここまでで終わりかな。

富岳 : ダイヤモンドを手に入れてからがサクラちゃんの自力での入手のカウントだから……アクアマリンが1個と、『再誕の道標』になったサファイアが1個か。

こんにゃく : まぁ悪くはない結果か?

ヤツメウナギ : だなー。まだここから見つけられる可能性も含めて、鍾乳洞での入手総数としては悪くない。

神奈月 : 多いって訳でもないけど、少なくはないしなー。あと、まだ奥にもあるし?


「あ、それほど悪い結果ではないんですか!」


 うふふ、それなら洞窟探索をしている成果もあったって事だね! なんだかんだで、宝石系アイテムが2個と再誕の道標が2個だもん! 欲を言えばもっと欲しいけど、それでも決して悪くはなーい!


「さーて、それじゃ鍾乳洞を抜けていきましょう! みなさん、ここからは宝石があったらどんどん教えて下さい!」


 ふふーん、これで更に追加になればいいもんね! 見落としはあったみたいだけど、それでも自力で何個かは見つけられたから満足なのですよ!


金金金 : ご機嫌な表情の狐っ娘アバター。なんだかんだで、ここまでの結果には満足のようだな。

ミナト : そうみたいだねー。あ、サクラちゃん、左の上の方にあるよ。ちょっと遠いけど、前にある水場の少し奥の方!


「え、もう見つけたんですか!? 水場って、そこそこ離れてますけど……流石はミナトさんですね!」


 言われた方向を見てみても、どこにあるのか分かんない! えーと、とりあえずその近くっぽい水場を目指して進んでみよー!


咲夜 : おし! もう終わったし、書き込んでも大丈夫だな! 結局、誰も当ててはいないか?

イガイガ : いや、音声なしの方で宝石1、再誕の道標1は当ててる人が何人かいるぞ。音声ありの中ではいないが……。

チャガ : そうみたいだが……ぶっちゃけ、当たったからと言って何もないけどな。

真実とは何か : それが真実なのである!


「あ、確かに当てたら何かあるって話でもなかったですっけ? んー、何かした方がいいです?」


 音声なしのコメントを見ている余裕はないんだけど、折角なんだし……あ、でも終わってから言うのもどうなんだろ?


サツキ : サクラちゃん、待ったー! そういうのは後出しはなしだよ!? サクラちゃんからのご褒美があるなら、お姉ちゃんは最初から全力で当てにいったよ!?

いなり寿司 : 何故、実の姉が一番食いついている?

ミナト : サツキさんだからじゃない?

真実とは何か : それこそ、真実なのだ!

富岳 : まぁサツキさんの反応はアレだが、後出しはやめといた方がいいのには賛成だな。

こんにゃく : それは確かになー。


「あ、やっぱりそうなりますよね。サツキさんの反応は本当にアレですけど……流石に後出しはやめときます! 当ててくれた人、ごめんなさい!」


 うん、やっぱり何かをするなら、初めに言っとかないとね! 姉さんが変に食いついてきてるのはどうかと思うけど、内容自体はその通りだもん!


サツキ : なんか、私への反応が酷くない!? あ、当然だって納得しないでー!?

いなり寿司 : いや、どう考えても当然な反応だろ。

神奈月 : 旦那さんにも当然だと言われているのか!?

水無月 : サクラちゃん、今のってやるとしたら、何をする気だったのー?


「えーと、そうですね? 正直、全然考えずに言ってましたけど……出来る事って、そもそも少ないですし……」


 うーん、ちょっと軽い気持ちで適当な事を言い過ぎちゃったかも? 私が出来る事と言えば、配信内で何かリクエストに答えるくらいなものだけど……。


「あ、この狐っ娘アバターの髪型のリクエスト権とかどうですかねー?」


 極端に変な髪型でなければ、そういう方向でやるのも――


サツキ : サクラちゃん! すぐに何か他のをやろう! 今すぐに!

いなり寿司 : ちょ!? サツキさん、食い付き過ぎだろ!?

金金金 : ほほう? サクラちゃんへの髪型のリクエストとな? それは実に良いではないか。

富岳 : サクラちゃん、それはやめとけ。予想以上に食いつきまくってる人がいる……。

ミナト : 凄い勢いでの入れ食いになってるし、自重した方がいい内容だね。


「……あはは、そうみたいですし、やっぱりやめておきますね」


 姉さん、食いつき過ぎだー!? 金金金さんもなんか反応が怖いし、これはやらない方がいいやつ! 

 わー!? 音声なしのコメントをチラッと見てみたら、そっちでも反応が凄い!? ……あのー、プロの方々の反応が一番多いのは気のせいですかねー? うん、気のせいだという事にしておこう! ……そもそも衣装を着せ替えようと狙われてる時に、これは危ない内容だったー!


「ミナトさん、宝石はこの辺ですかねー?」


 多分、言ってた水場は目の前にあるこれだと思うけど……ここから左上になるのかな? でも、それっぽいのは見当たらないよ?


ミナト : その近くではあるけど、今は視界から外れてるね。正面に見えてる上から下がってる大きな鍾乳石の右側に回り込んでくれる? あるのは結構上の方だよ!


「えーと、こうですかね? 上の方……上の方……あ、ありました!」


 角度的に見えてなかっただけで、少し回り込んで見上げれば見つけられたー! これ、よくあの距離から見つけられるよね!?


咲夜 : ミナトさん、これってどうやって見つけたんだ? 結構な距離はあった気がするんだけど……。

ミナト : ん? それなら鍾乳石の表面が水で濡れてるでしょ? でも、宝石の部分は少しだけは光の反射の仕方が変わるから、それで見分けるんだよ。光源の水場が近かったから分かるやつだけど。

咲夜 : サラッと、無茶苦茶な内容が飛び出した!?

ミツルギ : まぁいつもの事だけどな。サクラちゃん、サクッと採取しちまえ!


「あ、はい! そうします! 『放水』!」


 ササっと水を叩きつけて……落ちてきた宝石に触れていくのですよ! 色合い的には深い青だから、サファイアかな? あ、やっぱりそうみたい!


「今回は『再誕の道標』にならずに、サファイアを入手です! この調子で、鍾乳洞を抜けていきますよー!」


 ふふーん、教えてもらう事にしたら、早くも入手出来たのさー! 洞窟では宝石系アイテムがたくさん手に入るのは本当だね! これで3個目だー!

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