第559話 何個、手に入るか


 ふふーん! 4個目の宝石、発見なのですよ! 途中からまともに探せてなかったけど、慌てて止まった場所で見つけたのはラッキーだね!


「……どうやって、採取しましょうかねー?」


 見つけたのはいいけど、そこが大問題! これ、届かない位置にあるけど……どうしよう? ジャンプすれば届かないかなー?


水無月 : サクラちゃん、今なら『放水』でいけるんじゃない?


「あっ、その手がありました!」


 ふっふっふ、今だからこそ使える手段があったー!


金金金 : あー、確かにあれなら壊せそうだが……実際、どうなんだ?

ミツルギ : これに関しては、もう宝石自体は発見済みだから言ってもいいやつだよな?

サツキ : サクラちゃん、裁定はいかが!?


「あ、はい! それは大丈夫です! 他の手段じゃ破壊し過ぎそうなので、それでいけるならそうしたいですし、教えてもらってもいいですか?」


 獅子咆哮や獅哮衝波じゃ、絶対に破壊し過ぎるもんね! 別に壊すの自体は気にしないけど、その余波で宝石を見失うのは困るもん! 今回に関しては、ミナトさんも多分教えてくれないだろうし!


ミツルギ : よしきた! 全くの溜めなしだと、威力足らずの可能性も……いや、縄張りを発動してるから、そうでもないか?

富岳 : 近接戦闘の構成になってるキャラで水への適応進化をしている場合は、溜めなしだと数発は必要になるが……遠距離攻撃が強いサクラちゃんなら、縄張りを使ってる今は一撃で済む可能性は高いな。

ミナト : まぁ実際、そこはやってみれば分かるよ! 一撃で破壊出来なきゃいけない訳じゃないしね。

チャガ : 『放電』ではこの手の破壊は無理だが、『放水』なら回数だけの問題だしな。サクラちゃんのマニュアル操作の精度なら、特に問題ないだろ。

いなり寿司 : 当てられないってのが、この場合で1番発生する問題だしな。

サツキ : その辺は、サクラちゃんなら問題なーし!


「あはは、確かにそれはそうですね!」


 放水は溜めなしなら連発が可能なんだし、壊れるまで繰り返せばいいだけだよね! それが分かったなら、やる事は1つ!


「それじゃ鍾乳石を破壊してみましょう! 『放水』!」


 宝石が埋まっている辺りにぶつけて崩すイメージで、放水開始!


「おぉ! ポキっと折れて、鍾乳石が落ちてきましたね! あ、砕けました? えーと、宝石は……」


 上に残ってはいなさそうだし……落ちた鍾乳石にくっ付いてるかな? あれ? どこにあるんだろ? 鍾乳石の見えてない側にあるのかな?


「あ、その辺に転がってました! ……随分と青いですけど、これはなんですかねー?」


 アクアマリンの水色に近い青よりも、深くて濃い青色だよね? えーと、青い宝石って何があったっけ?


サツキ : これはサファイアかな?

ミナト : 多分そうだねー。色が付いてるダイヤモンドとかの可能性もあるにはあるけど、まぁ素でその色はサファイアの可能性が高いかな?


「あ、サファイアですか!」


 そうそう、青い宝石はそれだー! 新たな種類の宝石が出てきたけど……ちょっと待って?


「あのー、ダイヤモンドでも色違いとかが存在してるんです?」


 なんかそういうのがあるってのは聞いた事はある気がするけど、モンエボの宝石ってそこまで種類が細かいの!?


こんにゃく : まぁぶっちゃけるなら……色違いは結構ある。

神奈月 : 正直、『サファイア』と『ブルーダイヤモンド』とか、アイテムとしての差は皆無だけどな!

イガイガ : 宝石の水増しと言われたりはしてるなー。装飾進化での見た目の変化も大差ないし……。

ミナト : あはは、まぁ些細な色合いや光の反射加減とか違ったりはするんだけどね? 原石じゃなくて既にカット済みの状態で出てくるから、差異が分かりにくい部分ではあるよ。

G : 実力派のサファリ系プレイヤーのミナトさんでもこういう評価になる要素だからな!


「本当に微妙な差異っぽいですね!? そうなると、これが『ブルーダイヤモンド』って可能性もあるんですか……」


 うーん、まぁ適応進化の保存に使えるって部分は変わらないだろうし、どっちでもいいのかも? 装飾進化はどこかでしてみたいけど、それが出来るだけの数の余裕はまだないし……。


「とりあえず、サクッと採取しちゃいますねー!」


 なんか深く考えても意味がない気がするし、ササっと触れて採取――


「あー!? むぅ……『再誕の道標』になっちゃいました。元は、サファイアみたいですけど……」


 うがー! 洞窟内で手に入れた宝石の4個中、2個が再誕の道標に変わっちゃったんだけど!? なんか変化率、高くないですかねー!?


金金金 : 不満そうな狐っ娘アバター。まぁ、気持ちは分からなくもない。

G : ふぅ、楽しそうな表情もいいが、そういう表情もやはりいいな!

神楽 : あ、そういう楽しみ方をしてるの!?

神奈月 : まぁGさんってオンライン版では、そういう人だしなぁ……。

こんにゃく : 嬉々として、害虫で嫌がる人へ近付いていく人だしな。

咲夜 : そういや、あの集団って少し前からゾンビやスケルトン化するパターンを試してるって話じゃなかった?

こんにゃく : 嫌がらせパターンが強化されてるんかい!? あの手のアイテム、入手はまだそんなに容易じゃないのに……。

G : わっはっは! それの何が悪い! 俺の使っている種族は、どれも真っ当に運営が用意している種族や手段に過ぎん!

真実とは何か : 悲しい事に、それが真実なのである……。


「……あはは、何がどうなってるのかはよく分かりませんけど、色々あるみたいですねー」


 Gさんが害虫でプレイしているのは今までも何度か話題に出てたから分かるけど、ゾンビやスケルトンとかってあるんだ? あ、そういえば何日か前にそういう話題も出てた気がする?


「さてと、駄目だったものは仕方ないので、切り替えて次に行きましょう! 今度は雑談に気を取られずに、しっかりと探していきますよ!」


 という事で、気分を切り替えて移動を再開だー! まだまだ手に入る可能性はあるんだから、チャンスはまだあるのさー!


サツキ : 宝石探しの移動、再開だー!

水無月 : 再開だー!

イガイガ : さて、最終的に何個見つかるのか?

ヤツメウナギ : それは終わってみてからじゃないと、なんとも言えんなー。


「あはは、確かにそうですよねー! 鍾乳洞の奥にも進みたいので、予定通りのルートを軽く通りながら探すだけになりますし……結構、見落としそうな気もします?」


 正直、移動しながら全部をしっかり見つける自信はなーい! ここにあったサファイアだって、ほぼ偶然みたいなものだったし!

 皆さんの入手の予想も、あの時から追加で1〜3個くらいだったから……本当にそのくらいで落ち着く可能性はありそうかも? んー、でも最終的にどうなるかは、終わってみないと分からないよね! とにかく、出発なのですよ!


「あ、そういえば、宝石って鍾乳洞の奥の方でも手に入ったりします? まだどういう場所なのか、分かってないですけど……」


 洞窟の中でも、全然出ない場所とかってあるのかな? 少なくとも、私が最初に入った時の洞窟にはなかったし!


ミツルギ : あー、それはどういう洞窟になってるかによる。場所によっては、全然ない事もあるぞ。

富岳 : 逆に……いや、これはネタバレ案件か?

ミナト : んー、どういう場所かの話になるから、確かにネタバレ案件かも?


「ネタバレ案件になるなら、下手に聞き過ぎない方がいいかもですねー。まぁ出ない場所がある事が分かれば、今は十分です!」


 この鍾乳洞の奥がそうなのかは分からないけど、それは行ってみれば分かる事! 配信時間中にそこまで進めるように、適度に宝石を探していこー!

 それで縄張りで交戦状態になってるまま、近付いてこれてない敵がたくさん待ち受けている鍾乳洞の奥へと進んでいかないとね!


「ふふーん! 鍾乳洞を抜けるまでに、あと何個、見つかりますかねー?」


 可能な限り沢山欲しいけど、それもやってみるまでは分からない! でも、頑張って探していくのですよ!

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