第556話 今度こそ


 さっきのアクアマリンは再誕の道標に変わってしまったけど、今度のダイヤモンドはそのまま宝石として手に入れたいよね!


「それじゃ、いきますよー! 普通の宝石として手に入ってください!」


 若干の不安はあるけども、いざ前脚をダイヤモンドに向けて伸ばすのです!


「あっ、普通にダイヤモンドになりました!」


 やった、やった! うふふ、2度ある事は3度あるにはならなくて……って、今日の採取は2回目なんだから、それは違うよね!


金金金 : 満面の笑みの狐っ娘アバター。今回は物欲センサーに勝ったな。

サツキ : やったね、サクラちゃん!

水無月 : 今度はちゃんと手に入ったね!


「ふっふっふ、そうですね! これで宝石系アイテム、1個入手です!」


 水への適応進化にする為に2個消費しちゃってるから、最低でもその分は欲しいよねー! とりあえず、水への適応進化を保存して、雷への適応進化に戻す事は出来るのさー!


G : くっ! 今回は順当に手に入ってしまったか……。

イガイガ : ここは、続けて再誕の道標になるべきとこだろ!

こんにゃく : その言い方はどうなんだ? いやまぁ、気持ちは分からなくもないが……。


「素直に喜んでるのに、それって私が普通に拾ったらおかしいみたいじゃないですか!?」


 うがー! あ、でも配信的には失敗続きというのも、美味しいとこではありそうな気はする? むぅ……でも、こういうアイテムはすぐに手に入る方が嬉しいし、悩ましいとこなんだけど!


金金金 : 複雑な心境が顔に出る狐っ娘アバター。まぁ、悔しがりながら捜索を続けるサクラちゃんという光景も見たくはあった。

真実とは何か : それが真実である!

咲夜 : 俺のネタバレよりも酷い事を言ってねぇ!?

ミナト : んー、五十歩百歩な気はするよ?


「……それは確かに、ミナトさんに同意です」


 別に咲夜さんみたいにフラグにはなってないし、ある意味では私の反応に対する要望だけど……はっ!?


「もしかして、Gさんとイガイガさんの欲望が、私の物欲センサーを上回りましたか!?」


 これ、欲と欲のぶつかり合いだー! 適当に言ってみたけど、実際どうなんだろね? 


ミツルギ : ……まぁ実在しないものだから理屈としてはおかしいけど、心境的にはそういう解釈も出来そうではあるか。

富岳 : あー、確かにな。思い通りに進まないという意味では、ある意味では同じなのかもしれん。

サツキ : はっ! それならGさんとイガイガさんは、どんどん欲を出していこー!

神奈月 : いいのか、それで……。

イガイガ : なんか予想外の方向に話が進んだんだが!?

G : わっはっは! いいだろう、その欲勝負、受けて立つ!

咲夜 : 欲勝負って何!?

ヤツメウナギ : さぁ?


「ふっふっふ、いいでしょう! それなら、私が次の宝石系アイテムを普通に手に入れられたら勝ちですね!」


 変な流れになってるのは分かるけど、折角だし思いっきりこの流れに乗っちゃえ! 


水無月 : サクラちゃんが乗っちゃった!? え、どうなるの!?

サツキ : どうせなら、みんなで好きな展開を予想しまくっちゃえ! 私は、このまま順当に宝石が手に入って、サクラちゃんが笑みになるで!

ミナト : んー、それなら私は、鍾乳洞の範囲では普通の宝石が2個ほど、あと1個は再誕の道標にしとこうかな?

いなり寿司 : なんか無茶苦茶な事になってるな!?

神楽 : おー、少し離れてたら面白い事になってる! それじゃ、私は宝石1個で!

チャガ : ……こうやって言い出してて収拾がつくのか、これ?

富岳 : さぁな? さて、俺は宝石1個と増幅石1個くらいにしとくか。

G : ならば、俺は再誕の道標が2個に、増幅石が1個だ!

イガイガ : あえて大穴で、増幅石が3個でどうだ!

真実とは何か : 果たして、この中に真実はあるのか!?


「おー、皆さんも乗ってきてますね! というか、個数は多くないですけど……入手数としてはそんなものなんです?」


 種類はともかく、1〜3個の予想が多いよね? あ、でも既に2個は入手済みだから、そこまで少ない訳じゃないのかも?


ミツルギ : あー、まぁ鍾乳洞ではそんなもんだ。目安として、3〜5個程度ってとこだな。

ヤツメウナギ : 0個の時もあれば、10個なんて手に入る事もあるけどなー。まぁその辺は頻度は低めだし、埋まってる場所の配置にもよる。

富岳 : 見つけられるかどうかって部分も割と大きいぞ? あとは、届くかどうかか。

ミナト : んー、こういう流れになったなら、ここからは私は変に探さない方がいいかな? どういう場所にあるかは伝えたし、あとはサクラちゃんが自分で見つけてみて?


「あ、はい! 分かりました!」


 ふふーん! 絶対的な基準ではないみたいだけど、ある程度の目安はあるみたいだね! 3〜5個が手に入りやすい個数の目安なら、あと1個は期待出来るよ! まぁそれも運次第なんだけど……。


サツキ : そういえば、咲夜さんは予想しないの?

咲夜 : ……やめとく。なんか、ここで言えば当たる気がして……ちょっと怖い。

G : おっ、ビビったか、咲夜さん!

イガイガ : フラグを立てには来ないのか。

咲夜 : 正直、異常に当たり過ぎてて自分でも驚いてるからな!?


「あ、そうだったんです!? まぁ確かにすごい当たり方してますもんねー!」


 うん、本当に言った瞬間にそれが現実になるなんて事もあったし……ここで万が一でも当たると、怖いかも?


「まぁ無理に予想を出す必要はないので、大丈夫ですよ! それじゃ、しばらくは継続して宝石探索をしていきましょう!」


 ふふーん、鍾乳洞の奥にはまだ行かないのですよ! そっちはそっちで気になるけど、折角滑らない状態で探索出来るんだから、有効活用しないとねー!


ミナト : サクラちゃん、今日は時間的に洞窟探検で終わる可能性もあるけど……それはいいの? 配信時間、もうかなり経ってるよ?


「あ、〆を考えたらあと30分くらいですか!?」


 わー!? 洞窟に入る前が19時前だったけど、いつの間にやら19時半が結構近いよ!? むぅ……確かに洞窟の入り口はマップの中央付近だったし、平原に戻って進まないと今日中には厳しいかも?


「んー、まぁ今日は洞窟探検でいきましょう! ここも初めてくる新エリアなのは間違いないですし、まだ奥もありますし!」


 それにここの洞窟のLv帯は、入り口のあった平原エリアと同じって言ってたもんね! 縄張りの効果は出てるんだし、洞窟内でもLv40は目指せるはず!


ミナト : そっか、そっか。それなら問題ないね!

サツキ : 今日はひたすら洞窟探索だー!

水無月 : 探索だー!


「それで決定です! まずは、鍾乳洞の中で宝石系アイテムを見つけませんとね! えーと、どこにありますかねー?」


 とりあえず方針は決まったから、次の宝石を歩き出すのさー! あ、色々といつものスキルが切れてるけど……んー、まぁ今は不要だし、再発動は別にいいや!


「ここからはミナトさんの手は借りられないので、なんとか自分で見つけないとですねー! とりあえず、崩れている鍾乳石の辺りを調べていきますね!」


 さっきのダイヤモンドみたいに、瓦礫の下にあればいいんだけど……んー、何個か押し退けてみても、それっぽいのは見当たらない! うーん、さっきがあっさり過ぎただけかな?


ミツルギ : あー、これは……アドバイスはありか?

富岳 : いや、状況的には無しだろ。

ミナト : ここでの基本的な探し方は、もう伝えるしねー。ここから見つけられるかは、サクラちゃん次第だよ。


「ここで皆さんに探してもらうのは違いますもんね! さーて、頑張って探していきますよー!」


 ふふーん! 1個は再誕の道標になっちゃったけど、3個目の宝石が見つかればいいなー! 可能なら、そのまま宝石として手に入れたいよね!

 

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