第537話 ライオンの攻撃で
敵のライオンが溜めてる間に、果物を食べて回復を急げー! 距離があって放電が躱されて当たらないならもっと近付かないと駄目だけど、今の状態は弱り過ぎ!
「これ、敵のライオンは獅哮衝波を溜めながら近付いてきてる可能性ってありますかねー!?」
大急ぎで果物を食べながら、そこは確認しておくのです! かなり距離は空いてるけど、あれを使ってたらこの程度の距離は普通に射程範囲内だもん!
咲夜 : 大急ぎで果物を食べるライオン! てか、そういう攻撃の可能性はあるな!?
ミナト : んー、移動しながらの場合って判断しにくいんだよねー。でも、可能性は十分あるかな?
ミツルギ : 溜めが終わってからじゃないと『見切り』には反応が出ないしな。まぁあの広範囲攻撃だと、反応があっても厳しいが……。
「やっぱりその可能性はあるんですね!?」
でも、絶対にそうとも言い切れないみたい! うーん、甘く見て殺されても嫌だから、ここは使われているという前提で考えていこー!
神奈月 : その状況で回復に集中しても大丈夫か?
いなり寿司 : 下手に少ない生命のままで突っ込むのも危険ではあるしな。距離を取るつもりじゃないなら、回復しとく方がいいだろ。
富岳 : 少なくとも向こうのライオンが近付いてきてるんだから、余裕があるうちに回復はしとくべきだな。
神奈月 : あー、それもそうか。
いなり寿司 : 気になるのは、遠距離攻撃持ちは距離を詰めるようにはあまり動かない部分だが……ライオンだと、何とも言い難いな。
ミナト : 器用系統での進化は距離を取る事が多いけど、ライオンみたいな近接向きの種族は近寄ってくる事が多いからねー。その辺の行動パターンが混ざる事があるから、読みにくくて厄介なんだよねー。
「よし、7割くらいまでは回復しました! 進化系統と種族の行動が混ざるって、厄介ですね!?」
結構近くまでライオンが来たから、これ以上は回復をしてるのは危険! でも、もし獅哮衝波を使われたとしたら……耐え切れるかな?
避け切るのは厳しそうだし……うぅ、こういう時にこそ『背水の陣』とかが使えそうだけど、そっちはサイコロ様が選ばなかった手段だよー!?
「もう、一か八かで突っ込みます! 『疾走』!」
うがー! ここから獅哮衝波の射程外に逃げるのは無理だろうから、狙うなら発動そのものを潰すのです! その為にも回避出来ないくらい、至近距離から狙うのさー!
サツキ : 全力で突っ込んでいくサクラちゃん! どうするのかなー?
水無月 : 真っ直ぐ進んでるけど、大丈夫?
ミツルギ : 迷いなく、真っ正面から突っ込んでるな。これはキャンセル狙いか?
イガイガ : この状況なら、それが無難なとこだろうな。まぁ問題は間に合うかどうかだけど……。
G : 『獅子咆哮』で結構な距離を吹っ飛ばされてるし、『放電』が回避される状態なら近付くしかないのは確かだな。
こんにゃく : サクラちゃん、遠距離攻撃は狙いを定めにくいように動くのがいいぞ!
「あ、そういえばそうでした! だったら、こうです!」
真っ正面に突っ込んでいくんじゃなくて、敵のライオンを中心に円を描く様に走っていくのです! わー!? 看破にちょいちょい他の敵の反応が……って、あれ?
「あのー、なんか弱ってるアルマジロとかハリネズミが見えたんですけど……? 」
方向を変えて走ってみて、草むらの中を堅牢系統で進化してるのが見えたよ!? 明確に弱ってたけど、私の事は全然気にしてなかった気がする? というか、微動だにしてなかった気もする!
水無月 : サクラちゃん以外に、さっきの『獅子咆哮』を受けて生き残ってた敵とか?
ヤツメウナギ : 状況的に、まぁ間違いなくそうだろうな。
こんにゃく : サクラちゃんのライバルだな! ライオンへの報復をしに行っている状態だ!
G : サクラちゃんの獲物が横取りされる可能性も出てきたぜ!
ミナト : ハリネズミは『堅守の構え』で『威力強化【Ⅲ】』がかかってたね。溜め攻撃でライオンを攻撃するつもりかも? アルマジロは強化にはなってなかったけど、溜めてる様子だねー。
富岳 : あのライオンの耐久性は低いから、状況次第では他の敵に倒される可能性もあるな。
「わー!? そういう可能性もあるんですか!?」
待って、待って、待って!? 私の敵討ちの相手なのに、他の敵にも狙われてる状態なの!?
咲夜 : もちろんあるとも! サクラちゃんが乱戦を実行する時の、生き残った側の状況だしな! 敵同士も戦う時は戦うのは、既に自明の理!
真実とは何か : それが真実なのである!
「あ、言われてみればそうですね!? 自分がやられたらこういう感じなんですか!」
獅子咆哮を使って生き残った相手と乱戦になるって状況は今までに何度もあったけど、他の敵から攻撃を受けた側が報復しようとしてるのを見るのは初めての体験だー!?
ぐぬぬ、他の敵に出し抜かれたら堪らないよ! あのライオンは私が絶対に倒すのです!
でも、今の状況からどうやって……はっ! こういう時こそ、あれの出番かも! 昨日の配信の最後みたいに死なずにいてもノルマとか言われるくらいなら、死んじゃってもいいよね! それにマップも早く使いたいもん!
「だったら、これで行きます! 『縄張り』!」
<規定以上の範囲を把握しましたので【マップ】が解放されました>
ズサっと止まって、縄張りを発動! そして、すぐにマップが解放になって、近くにいる敵の様子も見えるようになった!
「わわっ!? 結構な数の敵がいますね!?」
マップに表示された赤い印が……いくつだろ? うん、範囲も広いし多過ぎて分かんない! 一部に逃げるように離れていく反応もあるけど、まぁそれはいいや!
サツキ : ここで『縄張り』を発動だー!
ミツルギ : あー、まぁマップの解放も兼ねたなら悪くはないか?
富岳 : 堅牢自体がかなり上がっているから、耐久性はかなり違うはず。着実にあのライオンを仕留めるにはいい手段かもな。
「そういう事ですね! とりあえず他の敵に取られる前に、ライオンを仕留めてしまいます! 『雷纏い』『放電』『放電』『放電』『放電』!」
近くにいた迅速なネズミが飛びかかってきたけど、それは雷纏いで麻痺して落っこちたし、今は放置! 止まっていた状態からまた走り出しつつ、ライオンへと放電を何発か放って……。
「あ、やっと当たりました! それに麻痺も入りましたね! 『放電』『放電』『放電』!」
ふふーん! 麻痺になって動きが止まったライオンに向かって、次々と放電を当てて距離を詰めるのさー! ステータス基準では知恵は弱点だったし、しっかりと麻痺は効いてるね!
「辿り着きましたよ! まずは、ライオンに死んでもらいます! 『連爪撃』『爪刃乱舞』!」
麻痺して動けないライオンへ爪を次々と振り下ろしていくのです! うりゃりゃりゃりゃりゃりゃー!
サツキ : サクラちゃん、怒涛の連続攻撃!
水無月 : どんどんいっけー!
神奈月 : いやー、相変わらず『雷纏い』の効果は凄まじい!
咲夜 : やっぱり雷への適応進化って、最強格だよなー。
「雷への適応進化はやっぱりいいですね! これでトドメです! 『強牙』!」
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
ふふーん、少しだけどHPも回復してライオンの撃破は完了! 途中から完全に麻痺しっぱなしだったから、結局溜めてたかどうかは分からないままだけど、それは別にいいや! 勝ったから、そこは問題なーし!
「って、わっ!? え、根が地面から出ててきてます!?」
見切りで地面が赤く表示されたから飛び退いたけど、これって桜の木で私が使ってる攻撃手段だー! これ、根がしばらく出たまま残るんだよね!
「Lv32の『雄健な松』ですか。本体がどこにいるか分かりませんけど、今がチャンスですね! 『投擲』!」
地面の外に出てきてる根に向かって、毒の実を弾いて攻撃なのさー! あ、しっかりと毒は入って――
「ぐふっ!? あ、『雄健なバッタ』です!?」
一気に攻撃が激しくなってきたけど、縄張りを使ったんだからそこは仕方ないよね!
サツキ : 乱戦が始まったー! サクラちゃん、ファイトー!
水無月 : サクラちゃん、頑張って!
G : さて、強化された堅牢の恩恵はどれだけ出てくるもんかね?
ミツルギ : 素の堅牢がかなり増えたし、縄張りでも強化された状態だからな。相当違うはず。
富岳 : 違ってなければ、上げた意味が薄いしな。てか、ネズミやバッタの攻撃は既に受けてるが、ほぼ効いてないぞ。
「あ、言われてみれば確かにHPは全然減ってないですね? これ、いい感じです!」
ふっふっふ、ライオンを倒す為に使った縄張りだけど、堅牢を上げた効果が実感出来てるね! さーて、今の状態でどこまで出来るのか、乱戦を頑張っていこー!
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