第518話 ヒマワリ集団との戦闘


 うがー! 折角、放電で削ったHPが全快されたー! このヒマワリ、植わってるからって回復し過ぎじゃないですかねー!? うぅ、その分だけ花びらや種が飛んでくる量は減ってるけど、なんか微妙な気分!


「あ、溜めが終わりました! 獅子咆哮、いきますよー!」


 えーと、凝縮率は……ちょっと距離が遠いから、結構射程はギリギリみたいな感じかな? うー、マップがまだ解放になってないから分かりにくいけど、下手に凝縮して当たらなくなっても困るから、そのままやっちゃえ!


金金金 : あー、割と射程はギリギリか?

富岳 : ギリギリ交戦状態になる距離だし、『獅子咆哮』だとそうなるな。『獅哮衝波』なら余裕だが……今度は左右の範囲がカバーしきれんだろう。

ミツルギ : 『獅子咆哮』なら凝縮しても極端に射程は短くはならないけど、それでも多少は短くなるから、今回は使わないのが無難。

チャガ : マップが使えれば正確に分かるんだが、流石に今は視界の表示頼りだしな。


「下手に外しても嫌なので、このままいきますね! わわっ!? また攻撃をしてきました!?」


 うがー! 胃袋のストック分ですぐに回復してるからHPは全快状態を維持してるけど、それでもこの攻撃は鬱陶しいよ! もう攻撃は出来るんだから、攻撃に移っちゃおう!


サツキ : サクラちゃん、いっけー!

水無月 : 吹っ飛ばせー!


「はい! ヒマワリ畑は吹っ飛んでください!」


 知恵系統の個体がいるみたいだけど、もうそんなのはお構いなしなのですよ! もし乱戦になるのなら、それはそれでいいのです! 雷纏いで他を一掃しつつ、それでも死にそうになったら縄張りを使っちゃえ!


「獅子咆哮、いっけー!」


 標的は前方に見えているヒマワリ畑、全て! どれが敵なのか分からないなら、そのまま全部倒しちゃえ! おー! 凄い勢いで吹っ飛んで……というよりはへし折れた感じだね! まぁ千切れ飛んだヒマワリが大半かも?


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


「具体的にどの系統の敵を倒したのかは分かりませんけど、とりあえず2体は撃破です! まだ植わっているヒマワリは……3体ですね」


 ヒマワリ畑は壊滅したけど、その中で生き残っているのが私の敵だー! あ、地味に『巧妙なヒマワリ』はまだ生き残ってる!? 他は……『頑強なヒマワリ』と『旺盛なヒマワリ』がいる感じ?


「あれ? これ、もしかして知恵系統のヒマワリは倒せました? わっ! わわっ!?」


 ぐぬぬ、花びらを飛ばしてくるんじゃなーい! 見切り頼りで、回避、回避、回避ー! でも、この数と進化系統なら、意外と大丈夫かも! Lvも30と31だけだから、差は全然ないよ!


ミツルギ : 『聡明なヒマワリ』と『雄健なヒマワリ』の2体を倒せたっぽいな。……片方は姿を見てすらいないが。

イガイガ : まぁ厄介なのを倒せたのはいいんじゃね? 残ってるのは、どれも耐久性があるタイプだし。

咲夜 : あ、『旺盛なヒマワリ』が思いっきり生命を回復してる。

こんにゃく : 『頑強なヒマワリ』は微動だにしてないな。これは防御用のスキルか、カウンターの準備中か。


「うがー! 回復させてなるものですか! 『疾走』!」


 折角、半分以上のHPは消し飛ばせてるのに、ここで全快なんてさせませんよ! まずは生命系統で回復しやすくてHPも多い『旺盛なヒマワリ』から撃破するのです! 一気に近付いて、麻痺させて、爪で切り刻む!


サツキ : サクラちゃん、猛ダッシュ!

水無月 : ヒマワリをぶっ倒せー!


「はい! わっ!? わわっ!?」


 むぅ、一直線に進むと花びらや種の餌食になるから、グルっと周囲を回りながら狙いを定められないようにして、ちょっとずつ近付いていくのさー! ふっふっふ、こうしてたら当てにくいはずだよね!


富岳 : この場合なら左右に動くだけでもかなり違いはするんだが……まぁ周囲を回りながら近付くのは遠距離攻撃の相手に対しては常套手段ではあるか。

真実とは何か : 有効な手段であるのは真実だ!


「あれ? これ、左右に避けるのでもいいんですかねー!?」


 グルっと回るより、その方が距離的には短い気がするよ!? ちょっとそっちでやってみて……。


「わわっ!? これ、疾走中なので、方向の切り替えがそんなに素早く出来ないです!?」


 ぎゃー!? 踏ん張って方向を切り替えようとしたら、そのまま疾走が止まっちゃいそうだったから、そのまま方向は変えずに駆け抜ける! 普通に駆けてる時ならこれでも良さそうだけど、疾走中はなーし! 止まったら意味ないもん!


富岳 : あー、そういえば『疾走』の発動中は挙動の癖が強かったか。すまん、今のは忘れてくれ。

咲夜 : 疾走中の急激な方向転換、何気に高等技術。

ミナト : え、そう? 勢いを殺さずに、他の方向に力の向きを変えるだけだよ?

こんにゃく : それが難しいんだよなー。

G : また出たな!? ミナトさんの簡単そうに言う発言!


「あはは、難しそうなのは今やってみて分かりました! 疾走中以外なら出来そうですけど、今は無理そうなので、そのまま走って近付きます!」


 でも、そうやって時間をかけてる間に、どんどん旺盛なヒマワリのHPが回復しちゃってる!? 巧妙なヒマワリからはまだ花びらや種が飛んできてるし、うがー! 厄介だね、このヒマワリ集団!


金金金 : てか、どのヒマワリも根で動いてこないな?

ヤツメウナギ : まぁヒマワリは種族的に、植わってる事が多い種族ではあるからなー。

こんにゃく : 実は、根で歩くとバランスが悪くて転びやすい種族。


「え、そうなんです!?」


 ヒマワリって背が高いから、それだけ地面の中から出てくればバランスが悪くなるって事なのかも! 私としては根で歩かれるのは嫌なんだけど……そう聞くと、転ばしたくなるねー?


金金金 : 何故か邪悪な笑みを浮かべる狐っ娘アバター。あ、これはヒマワリを転ばしたいとか思ってそうだな。

咲夜 : あー、その気持ちはなんか分かる!

G : ヒマワリを自分でプレイした時は、敵によく転ばされるんだよなー。

イガイガ : それはあるあるだな! 移動時以外は、植わってたい種族なのがヒマワリ!


「おー! そういう事もあるんですか! まぁ根で歩いてくれなきゃ、転ばしようもないんですけど……とりあえず、すぐ近くまで来ましたよ! 『旺盛なヒマワリ』を先に攻撃しようかと思ってましたけど、先に『巧妙なヒマワリ』を仕留めます!」


 一旦ズサッと止まってから、攻撃していこー! 先に仕留めようと思ってた『旺盛なヒマワリ』の回復を止めるのは諦めた! 先に2割まで減ってもう少しで死にそうな状態で攻撃しまくってくる『巧妙なヒマワリ』から狙うのですよ!


「『体当たり』からの『強牙』! むぅ、あっさりと倒れてはくれませんか」


 体当たりでは耐えられたし、噛みついた状態で引っ張ってみたけど……獅子咆哮を受けても倒れてなかっただけの事はあるね! でも、HPは残りあとほんの少し! 一気に仕留め切るのですよ!


「これでトドメです! 『噛みつき』!」


 流石にヒマワリの茎に噛みついた状態で爪での攻撃は難しそうだったから、そのままスキルで噛みつき続行! ふっふっふ、これで減った胃袋のストック分も回復……あ、流石にこれはストック分までの回復はしてくれないみたい? うーん、残念……。


「わっ!? え、なんです!? わわっ!? 他の2体のヒマワリも種を飛ばしてきてるんですけど!?」


 ぎゃー!? 待って、待って、待って!? この状態じゃ予想外だし、噛みつきの効果時間が終わるまでは離れられない状態だから、回避出来ないんだけど!? 痛い! 実際に痛みがある訳じゃないけど、その攻撃は痛いからー!


金金金 : あー、どのヒマワリも遠距離攻撃持ち?

ミツルギ : まぁさっき話題に出てた通り、歩くとバランスが悪いからな。ヒマワリは意外と遠距離攻撃を使ってくるぞ。

ミナト : 威力は個体によってバラバラではあるけどねー。


「そうなんです!? 早く噛みつきの効果、終わってくれませんかねー!?」


 もしくは、巧妙なヒマワリを倒し切れたら動けるように――


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


 あ、やった! 噛みつきの効果も切れたから、これで回避が出来るし……んー、でもただ避けるのもあれだよね? 痛いとはいっても、まだストック分を使い切ったくらい! よーし、それならこれでいこうっと!


「ふっふっふ! 攻撃するなら、どんどんしてくればいいですよ! 『堅守の構え』!」


 ここから耐久性が高いヒマワリを2体相手にしなきゃいけないんだし、この攻撃を利用して私の強化をしていくのです! ふっふっふ、思い通りにはさせないもんね!

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